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もののけ姫のアシタカとは?呪い・正体を徹底解説!

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もののけ姫のアシタカとは?呪い・正体を徹底解説!

もののけ姫の主人公アシタカについて、その正体や呪いの真相を知りたいと思いませんか?確かに、アシタカの複雑な背景や呪いの意味については、映画を一度見ただけでは理解しきれない深い設定が隠されています。

この記事では、アシタカの出自であるエミシ一族の詳細から、タタリ神の呪いの本当の意味、そして彼が村から追放された真実まで、徹底的に解説していきます。さらに、最新の考察や制作秘話も交えながら、アシタカという人物の全貌を明らかにしていきましょう。

もののけ姫のアシタカの正体:エミシ一族の末裔としての真実

アシタカは、大和の王朝との戦いに敗れ、北の地の果てに隠れ住むエミシ一族の数少ない若者であり、一族の長となるべき少年です。王家の血を受け継ぐ気品と狩りで鍛えた秀でた技の持ち主として描かれています。

エミシ一族とは何者なのか

エミシとは、かつて日本で大和政権と呼ばれる朝廷が中央権力を握っていた時代に、今の東北地方に暮らしていた人々のことです。大和政権の勢力拡大に対して抵抗して従わなかった人々をエミシと呼び、さげすんできました。

エミシは縄文先住民と言われており、実際に現在の北東北地方には今なお、縄文の遺跡が残っています。つまり、アシタカは縄文先住民の末裔であり、映画のシーンでもその様子が描かれています。

エミシ一族の特徴として以下が挙げられます:

  • 独自の文化や信仰を持つ民族
  • 縄文文化の影響を受けた生活様式
  • 大和朝廷に征服されず隠れ住む
  • 自然との調和を重視する価値観
  • 岩石信仰などの古い宗教形態

アシタカの出身地について

アシタカの出身地は、エミシ族が住む隠れ里で、原作では北海道東部にあることがわかっています。スタジオジブリの公式サイトでは、白神山地の名前があげられており、白神山地は青森県南西部から秋田県北西部にまたがる広大な山岳地帯です。

実際に映画の中で、アシタカがどこから来たのか問われた際には「東と北の間より・・・」と答えています。

アシタカの呪いの真実:タタリ神から受けた死の宿命

タタリ神との遭遇と呪いの始まり

物語は、アシタカの村にタタリ神が現れることから始まります。村人たちを守るため、意を決してタタリ神に矢を放ったアシタカですが、タタリ神の体にまとわりついていた「グネグネ」と動くものがアシタカの腕に巻きついたのです。その結果、腕に不吉なアザが残り、一族の巫女ヒィ様から「腕のアザはいつか命を奪うもの」だと告げられました。

呪いの正体と効果

タタリ神の呪いは怒りや憎しみによって生まれた神様の力です。アシタカの腕の呪いは、タタリ神が怒りや憎しみの感情を持った時に凶暴化し、怒りや憎悪、戦闘意思などに反応して、命と引き換えに潜在能力を引き出す力もあります。

呪いの症状と効果:

症状 効果 危険性
赤黒いアザ 超人的な筋力 時間と共に拡大
筋肉の肥大化 弓矢で首を吹き飛ばす威力 やがて骨に至り命を奪う
痛みと熱感 十人力の門を片手で開ける 負の感情で暴走

呪いの原因となった存在

アシタカを呪ったタタリ神の正体は「ナゴの守」という、名のある猪神です。エボシ率いる石火矢衆に深手を負わされ、タタリ神になっていました。アシタカの放った矢によって絶命しますが、引き換えにアシタカに死の呪いをかけました。

アシタカが村から追放された真実

多くの人がアシタカは自ら旅に出たと思っていますが、実際は村から追放されていたのです。

追放の本当の理由

実際は、呪いを受けたため村の呪術師「ヒイ様」の決定によって追放されたのです。呪いを受けたアシタカは村から追放され、マゲ(髪の毛)を切り落としているのは、村では人間でなくなったことを意味します。「人」でなくなり追放されたアシタカは二度と村には戻れません。

追放の証拠

少子化が進む村で、貴重な「長」候補の若者アシタカを旅に送ることに男たちは絶望している。「村の掟」によって、誰も見送ることは許されていない。村人たちの目を忍ぶように、夜中にこっそりと旅立たなければならない。危険な旅なのに、付き添いの者もつけないし、餞別も何もない。

追放の理由として考えられるのは:

  • 神殺しの禁忌を犯したため
  • 呪いが村に災いをもたらす可能性
  • アシタカ自身がタタリ神化する危険性
  • 村の安全を守るための苦渋の決断

「アシタカヒコ」から「アシタカ」への名前の変化

アシタカはもともとヒイ様から「アシタカヒコ」と呼ばれていました。ヒコは日子とも書かれ古事記の登場人物に使われる神性を表す言葉です。村を出てから彼がアシタカヒコと呼ばれることはないため、アシタカはヒコという言葉を剥奪されて村を追放されたのです。

呪いは最終的に解けたのか?その後の考察

シシ神による呪いの解放

物語の終盤で、人間が奪ったシシ神の首を返すと同時に呪いのアザがほぼ消えました。これは首が戻るときに強風が吹き、山全体に命を与えたのと関係しています。最終的にシシ神の頭をデイダラボッチに人間の手で返すことで呪いは解けるのですが、アシタカの右腕にはアザが残っていました。

残ったアザの意味

呪いのアザは完全に消えることなく、うっすらと残っている状態です。なぜアザが消えなかったのかといいますと、犯した過ちを忘れるなというメッセージが隠されているのではないかといわれています。彼の腕にアザを残しておこうという製作陣の意図だったと言われています。

SNS等で話題になっている投稿・考察

「アシタカが髷を切るシーン。これは彼がこの村では人間扱いされなくなる(=非人になる)ということを意味している。だから長老達は声もかけず目を背け、村人達は見送りもしない。髷は身分を表し、ざんばら髪は非人の象徴。非人となったアシタカには村人は関わってはいけないのだ。」


引用:@pen_pen2020

この投稿は、アシタカの髷切りの深い意味を的確に表現しています。単なる決意の表れではなく、社会的な地位の剥奪と追放を意味する重要なシーンだったのです。

「もののけ姫」鑑賞 自然と人間の対立構造という共通のテーマを持つ「風の谷のナウシカ」が文明崩壊後を描写していたのに対し、本作は文明の勃興期を舞台としていたのが興味深い。里を追われ、残された「呪い」の完結を待つアシタカと人間にも山犬にもなれないサン。二者の呼応する関係性が良かった。」


引用:@mitsuo_cinema

この考察は、アシタカとサンの共通点である「居場所を失った者同士」という関係性を見事に表現しています。

「宮崎駿は「究極のイケメンを作り上げる」として作画に臨んだらしく、制作当時に「オレはいま一世一代の美形を描いてるんだ!」という言葉を残している。一方で、松田洋治による声を収録して合わせて見てみる段階になると、「こんなに根暗だったんだなぁ」「いいのかな、こんなに根暗な主人公で」と苦笑混じりな感想を零している。」


引用:PixivDictionary

宮崎監督自身のアシタカに対する複雑な感情が表れているエピソードです。外見は美形だが内面は重い運命を背負った青年として描かれています。

アシタカの真の正体:理想と現実の狭間に立つ青年

エミシとしての価値観

アシタカは常に、森(自然界)と人間とが調和して生きる道を模索している。可能な限り争わずに共存する道。東北に関するたくさんの本を読んだ上でとらえているエミシの姿というものは、まさにアシタカのような人。強くて、優しくて、器が大きくて、自然を愛し、人を愛し、争いではなく、調和を求める人です。

現実の厳しさと理不尽

アシタカが呪いを受けた理由、それは理不尽以外の何者でもありません。西の地の争いがきっかけでたたり神が生まれ、村娘たちを守るため、アシタカはたたり神を攻撃し、呪いを受けた。むしろアシタカは村を守ったにも関わらず、呪いを受け、村を追放されてしまいます。

アシタカの人物像をまとめると:

外見的特徴 内面的特徴 社会的立場
17歳の美青年 正義感が強い エミシ一族の跡取り
弓の名手 優しく気品がある 呪いにより追放される
呪いのアザを持つ 理想主義者 人間と自然の仲介者

アシタカのイケメン要素の深層

アシタカは一族の長になるべく教育を受けており、振る舞いや言動からは気品を感じさせます。口数は少ないものの正義感が強く、優しい心の持ち主。まず、1つ目のアシタカイケメンエピソードは、彼が呪いを受けたその経緯について。呪いを受けたものは村にいられないしきたりによって村を追われたアシタカですが、当然そうなることをわかっていました。誰よりも強いこの自己犠牲の精神が、彼をさらに魅力的にしていると言えるでしょう。

制作背景から見るアシタカの意味

宮崎駿監督の想い

宮崎監督は本作の制作途中に「これはアシタカの物語だ。」と思い至り、タイトルを『アシタカせっ記』に変更しようと鈴木プロデューサーに提案しました。アシタカが西へ旅立つ一連の場面で流れる風景と音楽には、呪いを受け、村を追い出されたアシタカを不変の自然だけは祝福してあげたいという制作者達の思いが込められています。

現代への メッセージ

監督の宮崎駿が応じたアメリカのインタビューによると、アシタカはサンとタタラ場のために努力し、傷つくことになるそうです。それでも曲げずに生きて行こうとする彼の生き方は、今の時代に通じるとも語りました。

アシタカが現代に伝えるメッセージ:

  • 理不尽に立ち向かう姿勢:自分に責任のない呪いを受けながらも諦めない
  • 対立する者同士の橋渡し:人間と自然の共存を模索し続ける
  • 理想を曲げない意志:困難な状況でも価値観を貫く
  • 責任感と覚悟:村を守るために自らを犠牲にする覚悟

まとめ:アシタカという存在の普遍的意味

アシタカの正体は、単なるアニメの主人公を超えた、現代にも通用する深いメッセージを持った人物でした。

エミシ一族の末裔として縄文の血を引き、自然との調和を重んじる価値観を持ちながらも、理不尽な現実に直面し続ける青年。村を守るために神を殺し、その代償として呪いを受け、故郷を追われても、なお理想を捨てずに生きる姿は、現代社会で理不尽に立ち向かう人々の象徴とも言えるでしょう。

呪いは表面上解けたように見えますが、アザが残っているのは「過ちを忘れるな」という戒めです。これは個人的な戒めを超えて、人類全体が自然に対して犯してきた罪への警告でもあります。

アシタカの物語は、「共に生きよう」という言葉に集約されます。対立する者同士が完全に理解し合えなくても、それぞれの立場を尊重しながら共存する道を模索する。これこそが、宮崎駿監督がアシタカを通して現代に投げかけた最も重要なメッセージなのです。

もののけ姫を再度鑑賞する際は、ぜひアシタカの複雑な背景と深い苦悩を理解した上で、彼の一つ一つの行動と言葉に注目してみてください。きっと新たな発見があるはずです。

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