もののけ姫の声優について調べているあなたは、特に主人公アシタカ役の松田洋治さんと、ヒロイン・サン役の石田ゆり子さんの詳しい情報を知りたいのではないでしょうか?
確かに、この2人の声優体験は非常に興味深いエピソードに満ちており、特に石田ゆり子さんの苦労話や松田洋治さんのジブリ作品への関わりは、もののけ姫ファンなら絶対に知っておきたい内容です。
この記事では、もののけ姫の声優陣の中でも特に注目される松田洋治さんと石田ゆり子さんの詳細な情報から、宮崎駿監督のキャスティングの意図まで、あらゆる角度から徹底解説します。
もののけ姫の声優キャスティングの真実
もののけ姫の主要キャストは、アシタカ役を松田洋治、サン役を石田ゆり子、エボシ御前役を田中裕子、ジコ坊役を小林薫が務めました。このキャスティングには、宮崎駿監督の確固たる意図がありました。
宮崎監督は「崩れた少年を演じられる人は他にもいるが、凜とした少年を演じられるのはこの人しかいない」との理由で松田洋治を起用しており、主人公アシタカに対する明確なイメージを持っていたことが分かります。
松田洋治のアシタカ役抜擢の経緯
松田洋治は、オーディションのときはアシタカが主人公であることを知らなかった。オーディション後、台本を読んでアシタカが純然たる主人公であることに気づいて驚いたという興味深いエピソードがあります。
松田洋治は、宮崎駿監督作品に関しては『もののけ姫』が初ではなく、1984年の『風の谷のナウシカ』のアスベルの声や1987年にも『シュナの旅』の主人公であるシュナの声をラジオドラマで演じている。つまり、もののけ姫は松田洋治さんにとって3作目の宮崎作品だったのです。
石田ゆり子のサン役への壮絶な挑戦
数十回に及ぶNG体験
石田ゆり子は、公開当時27歳だった。『平成狸合戦ぽんぽこ』のおキヨ役を経ての、2度目のアニメ声優だった。サン役は本当に苦労したよう。数十回にも及ぶ宮崎監督からのNGに、「降ろされると思いました。繰り返すうちに、それが多すぎわけが分からなくなりました」と舞台あいさつで振り返っている。
この過酷な収録体験は、石田ゆり子さんにとって忘れられない経験となりました。音響監督・若林和弘さんは「石田さんは、サンを演じることにものすごく苦労して、実際、時間もかかりました」と語り、最終的には宮崎駿監督が「石田ゆり子さんのサンをすっかり受け入れたんです」と明かしている。
現在も続く複雑な心境
石田ゆり子は、2022年8月23日放送のラジオ番組『星野源のオールナイトニッポン』にて、現在も「(『もののけ姫』が)放送される度に、穴があったら入りたい」と悩んでいることを明かしました。「あれはもう…放送される度に、穴があったら入りたい」と、自身の心境を明かしている。
ネット上で「石田ゆり子、下手下手!」という感想を目にしてしまうそうで、「すごい毎年辛いんです。だから声優さんってすごい技術だなって思って」と語っている。
宮崎駿監督が最終的に評価した理由
しかし、宮崎駿監督は最終的に石田ゆり子さんの演技を高く評価しました。サンの抱えるコンプレックスや人間社会に不慣れな部分などの不器用な側面が、石田さんのセリフの抑揚などに表れている、とも語っていました。
つまり、石田ゆり子さんの「不慣れさ」や「不器用さ」が、山犬に育てられた少女サンのキャラクター性と見事にマッチしていたのです。
もののけ姫の豪華声優陣の全貌
主要キャスト一覧
キャラクター名 | 声優 | 特徴・エピソード |
---|---|---|
アシタカ | 松田洋治 | ナウシカのアスベル役に続く宮崎作品出演 |
サン・カヤ | 石田ゆり子 | 一人二役、数十回のNGを乗り越える |
エボシ御前 | 田中裕子 | 日本を代表する実力派女優 |
ジコ坊 | 小林薫 | 謎めいた僧侶役を巧演 |
モロの君 | 美輪明宏 | 圧倒的な存在感で山犬を演じる |
乙事主 | 森繁久彌 | コメディアンから実力派俳優への転身 |
ヒイさま | 森光子 | エミシの巫女役で神秘性を演出 |
島本須美の特別な位置づけ
タタラ場で働く女性のひとりで、アシタカにいろいろと説明をするトキを演じた島本須美も、『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスや、『風の谷のナウシカ』のナウシカを演じた宮﨑アニメにおけるミューズのような存在でありながら、これ以降は出演が途絶える。
島本須美さんは宮崎駿監督作品の常連でしたが、もののけ姫のトキ役を最後に、宮崎作品への出演が途絶えています。
声優から俳優へのシフトが示すもの
声優自体をほとんど起用しなくなり、俳優へとシフトしていった理由はどこにあるのか。宮﨑駿監督のキャラクター造形の極意とともに、キャスティングの本意を探る上で『もののけ姫』は重要な位置づけにある作品と言えそうだ。
もののけ姫は、宮崎駿監督が本格的に「声優」から「俳優」へとキャスティング方針を転換した記念すべき作品でもあります。
SNSでの反応と評価
ファンからの温かい声
「もののけ姫」🎥観てきました🎶🎶
サン役の声優が…石田ゆり子さんと知らなかったです🎵
アシタカが… カッコ良かったな~✨✨🎶🎶
引用:Twitterユーザー
映画館で「もののけ姫」を観てきました。個人的に一番好きな映画で、映画館で観られる時が来るんて想像もしなかった…。
なお、もののけ姫ことサン役の声優は逃げ恥でも美しかった石田ゆり子さんです。序盤の許嫁のカヤ役もやっており、1人2役の大活躍です!生きろ、そなたは美しい!
引用:Twitterユーザー
石田ゆり子への励ましの声
ネット上では、番組を聞いたリスナーから「ええっ!もののけ姫のゆり子さんすく良かったよ」「そうだよ!下手じゃない!安元さん、さすが!!!」「声優さんの魅力は上手い下手の技術だけじゃないよね。ゆりちゃんも星野さんも、まず声が超魅力的だもの」などの声が上がっている。
アスベルの中の人はアシタカと同一人物なんだけど、さすがというか、全く別人に聴こえる。また、ナウシカの声優さんも、もののけ姫ではトキの役もやってるんだけど、同じ声でイメージを覆せるってほんとすごいことだと思う。
引用:Twitterユーザー
松田洋治の声優としての軌跡
子役から声優へのキャリア
松田洋治は東京都世田谷区砧生まれ。当時、砧や成城には撮影所が多数あり、住んでいた実家の近所でもロケをしており、幼稚園くらいの時に公園で遊んでいたところテレドラマ『ケンちゃんシリーズ』、『太陽にほえろ!』のロケ隊が来て、クルーに「ちょっとごめんね」とどかされ、遊べなくなった代わりに、ロケを見ていたという環境で育ちました。
松田洋治は1984年(17歳)に『風の谷のナウシカ』アスベル役で声優デビューしています。1985年(18歳)に、『ブライトンビーチ回顧録』(ニール・サイモン作)で本格的舞台デビューを果たし、舞台でも活躍されています。
宮崎駿監督との長い関係
松田洋治は「『風の谷のナウシカ』に出演したときのことは、正直あまり覚えていないんですよ。30年も経っているというのもあるのですが、あのときはまだスタジオジブリも存在せず、自分の中でも特別な意識はなかったんです。宮崎監督が現場にいらっしゃったかどうかもわからないレベルで……」と振り返っている。
しかし、ナウシカから13年後、再び松田氏はスタジオジブリ作品に出演することになる。宮崎駿監督の集大成ともいえる『もののけ姫』のアシタカ役に抜擢されたのだ。
タイタニックのジャック役も担当
1997年には、アニメ映画『もののけ姫』の主人公であるアシタカの声や、同年、映画『タイタニック』主演のレオナルド・ディカプリオの吹き替えを担当し、知名度を高める。『もののけ姫』公開と同年の1997年には『タイタニック』でレオナルド・ディカプリオが演じたジャック・ドーソンの吹き替えも務めた。
石田ゆり子の演技に対する多角的評価
賛否両論の理由
先ほどお伝えしたように、サンの声優を務めたのは石田ゆり子さんですが、あの優しい声が山犬の姫の迫力のあるシーンに合わないという声も。また、声に憎しみが伝わってこないことがさらに合わないと言われるように…。しかし、野生で育ったからこそ流暢に話すことが難しいのではと思う方もいて、棒読みの方が合っているという声も多くありました。その反面、石田ゆり子さんの声質から、サンが女性らしく悲しげなセリフを言う時は不自然に感じず、しっくりきます。
プロ声優と俳優の違い
このことから、普段からプロの声優の演技を聞いている声優ファンは、俳優の声がイマイチに聞こえることがあり、普段アニメを見ない方には俳優の演技がちょうど良いこともあるのです。
これは、もののけ姫が一般観客層を意識した宮崎駿監督のキャスティング戦略とも関係していると考えられます。
声優業界から見た評価
現役声優からの評価
石田ゆり子さんが2022年8月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で声優という仕事のすごさについて種崎敦美さんと話す中で、「私はその、本当に下手で。自分で「声優」って言えないんですけど。たとえば、『もののけ姫』とか。あの時も、たとえば島本須美さんとか、すごい皆さんと一緒だったんですけど。「すごい技術だな」と思って」と語っている。
プロの声優である種崎敦美さんからは、石田ゆり子さんの声に対して「私、石田ゆり子さんの声、だーいすきで」という絶賛のコメントが寄せられています。
もののけ姫のキャスティング戦略の意図
宮崎駿監督の演出意図
もののけ姫のキャッチフレーズはコピーライターの糸井重里さんが、「生きろ」とつけたことは有名ですね。この作品には宮崎監督が4つの意味を込めて作ったといわれている作品の時間もさることながら製作時間も超大作です。キャストを選ぶ際もご自身でオーディションをして選ばれて、声優ではなく俳優を起用して、込めたメッセージをリアルに感じ取ってもらいたかったのかもしれませんね。
実写映画並みの豪華キャスト
本作には多彩なキャラクターが登場するが、演じた面々は、実写映画がうらやむほどの超豪華な顔ぶれだ。タタラ場を率いる女頭領・エボシ御前役の田中裕子、謎の僧侶ジコ坊役の小林薫、タタラ場の牛飼いのひとり・甲六役の西村まさ彦など、サン、アシタカを筆頭に、本作には多彩なキャラクターが登場するが、演じた面々は、実写映画がうらやむほどの超豪華な顔ぶれだ。
もののけ姫声優陣のその後の活動
松田洋治の現在
東京アニメーションカレッジ専門学校で2006年(39歳)から講師として演技指導にあたっています。TVドラマでもお見かけすることがありますが、後進の指導にあたられているんですね!
また、最近の出演作は『相棒』『臨場』『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長2020』など警察ドラマが多いですね!
石田ゆり子の継続的な活動
石田ゆり子は、もののけ姫(1997年7月12日公開、東宝、スタジオジブリ制作) – サン、カヤ 役(二役)に続き、コクリコ坂から(2011年7月16日公開、東宝、スタジオジブリ制作) – 北斗美樹 役でもジブリ作品に出演している。
まとめ:もののけ姫の声優が示した新たな可能性
もののけ姫の声優陣、特に松田洋治さんと石田ゆり子さんの体験は、アニメーション作品における「声の演技」の新たな可能性を示したと言えるでしょう。
松田洋治さんは宮崎駿監督との長年の信頼関係の中で、アシタカという複雑なキャラクターを見事に演じきりました。一方、石田ゆり子さんは数十回のNGという過酷な体験を乗り越え、最終的には宮崎監督にも認められる演技を完成させました。
石田ゆり子さんが現在も感じている複雑な心境は、プロの声優ではない俳優がアニメーション作品に挑戦することの難しさを物語っています。しかし、だからこそ生まれた「不器用さ」や「リアリティ」が、サンというキャラクターに独特の魅力を与えたのも事実です。
もののけ姫の声優陣の体験は、技術的な上手さだけでは測れない、「声の演技」の奥深さを私たちに教えてくれているのです。そして何より、宮崎駿監督の「俳優を起用する」という判断が、作品に新たな生命力を吹き込んだことは間違いありません。
現在でも多くの人に愛され続けるもののけ姫の魅力の一端は、確実にこの豪華声優陣の熱演にあると言えるでしょう。