もののけ姫の舞台として世界中のファンから愛され続ける聖地があることをご存知でしょうか。美しい自然に囲まれた幻想的な風景を見て「どこかで見たような…」と感じた方も多いのではないでしょうか。
映画の森のモデルがどこなのか、実際に宮崎駿監督はどこで取材を行ったのか、そしてその場所が映画にどのような影響を与えたのか、詳しく知りたいと思いませんか?
この記事では、もののけ姫の舞台として「大いに参考にした場所」とスタジオジブリが公式に発表している屋久島と白神山地について、制作秘話から具体的な見どころまで徹底的に解説します。
もののけ姫の舞台は屋久島と白神山地が公式モデル
もののけ姫の舞台として、屋久島はスタジオジブリから公式にモデル地であると公表されています。また、宮崎駿監督が白神山地の森と合わせ、映画「もののけ姫」に出てくる森のイメージをつくりあげたと言われています。
スタジオジブリの公式見解によると、屋久島と白神山地の両方が「大いに参考にした場所」として位置づけられています。
屋久島 – シシ神の森のモデル
1995年5月と7月、2回に分かれて美術、CG、作画、制作などのスタッフを連れてロケハン(ロケーション・ハンティング:ロケ地を探すこと)のため屋久島に訪れています。
宮崎駿監督のコメントより「僕が日本というものに抱いていた妄想を形にする時に、スタッフに手がかりを与えるために行ったんです。僕は屋久島に行ったことがありますから、あそこはすごいです。普段、あまり自然に興味がない人でも感動しますよ。ぜひ、行ってみると良いと思いますね。」
項目 | 詳細 |
---|---|
ロケハン時期 | 1995年5月・7月(2回実施) |
参加スタッフ | 美術、CG、作画、制作部門 |
主要撮影場所 | 白谷雲水峡、照葉樹林帯 |
映画への活用 | シシ神の森の描写に生かされた |
白神山地 – エミシの村のモデル
美術監督の男鹿和雄さんは、北の果てにあるエミシ一族のかくれ里(アシタカが住むエミシの村)のイメージを描くため、1995年に白神山地を取材しています。
白神山地には、豊かなブナ林があり、特別天然記念物であるニホンカモシカや天然記念物であるクマゲラ、ニホンザル、イヌワシ、ニホンツキノワグマなど4000種を超える動物が自然の中で生息しています。
なぜこの結論になったのか?制作背景を詳しく解説
宮崎駿監督の自然観との関係
「その時、彼(宮崎監督)が言い出したのが「もう一回屋久島でやろう」。もう一回というのは、彼はある時屋久島へ行って、そこで原生林を見たことが実はナウシカのきっかけになるんです。腐海の設定ですね。」
この証言から分かる通り、宮崎監督にとって屋久島は単なるロケ地以上の意味を持つ特別な場所でした。既に『風の谷のナウシカ』の制作時から屋久島の原生林に深い印象を受けており、その体験が後の『もののけ姫』制作の源流となっています。
2つの異なる森の役割分担
映画では地理的に異なる2つの地域が描かれています:
- 北の果て(エミシの村):作中には大きく分けて東北地方(えみしの村)と出雲地方(タタラ場、シシガミの森)が出てきます。東北地方は白神山地
- 西の国(シシ神の森・タタラ場):出雲地方は屋久島でロケハンが行われました
この地理的設定により、異なる気候と生態系を持つ2つの世界遺産が、映画の中で異なる役割を果たすモデルとして選ばれたのです。
屋久島の具体的なモデル地点と映画との対応
白谷雲水峡 – 「もののけの森」
白谷雲水峡は世界遺産の島「屋久島」の原始の森を散策できるトレッキングスポット。この幻想的な森は、宮崎駿監督がアニメ映画「もののけ姫」に出てくる原始の森のモデルにしたと言われています。
「苔むす森」と呼ばれるエリアは、「もののけの森」とも呼ばれ、『もののけ姫』の世界に入ったような気持ちになれます。
白谷雲水峡の見どころ
スポット名 | 映画との関連 | 特徴 |
---|---|---|
苔むす森 | こだまが住む森 | 苔で覆われた幻想的な世界が一面に広がっています |
太鼓岩 | モロの君の名シーン | 太鼓岩は劇中で「黙れ小僧!」とアシタカに言い放ったモロの君のセリフで有名なシーンの風景にそっくりと言われています |
辻の岩屋 | モロ一族の住処 | 「もののけ姫」でモロ一族の住む岩屋のモデルになったと言われる辻の岩屋があります |
こだまのインスピレーション源
『もののけ姫』に登場する「こだま」は、この苔に水滴が付いている様子からインスピレーションを受けたともいわれています。
「一面苔むしたみどりのベ(巨木の一部)。たくさんの水滴がキラキラしている。(屋久島で見た!)という宮崎監督のメモも残されており、屋久島で実際に見た光景が映画の重要なキャラクターの誕生につながっています。
白神山地の映画への影響
十二湖と青池 – 神秘の水辺
白神山地で映画の世界観を楽しむなら「十二湖散策コース」がオススメです。遊歩道を歩いてくとコバルトブルーに輝く「青池」があり、「シシ神さま」が水辺を歩くシーンを連想させるとジブリファンの間で話題になった場所です。
青池の神秘性
池底に倒れた木が見えるほど透明でありながら、インクを流したようなハッキリとした青。なぜこんな不思議な色になるのか、はっきりとした原理はいまだに解明されていません。
この科学的に解明されていない神秘性こそが、シシ神という超自然的存在が住む森の水辺として相応しいインスピレーションを与えたのです。
ブナ林の生態系
白神山地の中でも、暖地系・寒地系の両方の自然林が広がる希少な森なのだ。ブナで知られる白神山地だが、その植生は想像以上に奥行がある。
植生タイプ | 代表的な植物 | 映画への反映 |
---|---|---|
落葉広葉樹林 | ブナ、ミズナラ、カツラ、トチ | エミシの村周辺の森林風景 |
針葉樹 | ヒノキアスナロ | 北国の厳しい自然環境の表現 |
暖地性植物 | ヤマアイ、エノキ、ヤブツバキ | 生態系の多様性 |
SNS・WEB上での反響と体験談
屋久島体験者の声
「屋久島白谷雲水峡で『もののけ姫』の舞台巡り!苔むした深い緑の森を堪能できる癒しのスポットです。あなたも「こだま」に会えるかも?」
実際の訪問者からは「本当にこだまが出てきそう」「映画の世界に入り込んだような感動」という声が多数寄せられています。
白神山地での神秘体験
「青森旅行1日目 もののけ姫の舞台になった世界遺産の白神山地に行ってきました。十二湖のひとつ、青池。神秘的なブルーの湖。透明度が凄すぎます✨」
ファンの聖地巡礼レポート
「今日の金曜ロードショーは「もののけ姫」ですね。ここで、私が去年、もののけ姫の舞台となった白神山地に手作りのこだまを持ち込んで撮ってきた写真を公開しましょう」
手作りのこだまを持参して撮影するファンまでおり、映画と現実の境界を超えた特別な体験が生まれています。
別の切り口から見た舞台設定の意味
世界遺産という共通点
屋久島と白神山地といえば、1993年に揃って日本初のユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されたことで知られている地域です。
この事実は偶然ではありません。両方とも人類が保護すべき「失われゆく自然」を象徴する場所であり、まさにもののけ姫のテーマ「自然と人間の共生」を体現しているのです。
時代設定との整合性
室町時代。聖なるものへの恐れがうすれ都会への消費生活のあこがれが増大した・自然と人間の関係が激変した時代という映画の設定において、太古から変わらぬ姿を保つ屋久島と白神山地は、時代に抗う「聖なる場所」の象徴として機能しています。
宮崎監督の民宿体験
宮崎駿監督が屋久島を訪れた際、好んで宿泊していたお気に入りのお宿があります。その宿の名前は、安房集落にある『水明荘』という民宿。映画公開後となる1998年6月に再び宮崎駿監督が屋久島を訪れ水明荘に宿泊されています。
映画完成後も個人的に屋久島を再訪していることから、単なる取材地を超えた特別な愛着があったことがうかがえます。
実際の訪問時の注意点とマナー
環境保護への配慮
入口で協力金を募っているので、屋久島の自然を守るため、300円の協力金にぜひご協力ください。また、コケ植物を傷つけないよう、手のひらで優しく触れる程度にとどめ、写真撮影時も植物や地形を傷つけないよう細心の注意を払いましょう。
適切な装備と準備
コース | 所要時間 | 必要装備 |
---|---|---|
弥生杉コース | 約1時間 | 歩きやすい靴、軽装でOK |
奉行杉コース | 約3時間 | トレッキングシューズ、雨具 |
太鼓岩往復コース | 約6時間 | 登山装備一式、充分な水と食料 |
まとめ
もののけ姫の舞台は、屋久島と白神山地の両方がスタジオジブリ公式のモデル地として確認されています。屋久島がシシ神の森、白神山地がエミシの村のイメージ源となり、1995年の綿密なロケハンを通じて映画の世界観が形成されました。
両方の場所に共通するのは、太古から変わらぬ自然の姿を今も保ち続けている点です。世界遺産に登録された貴重な生態系は、映画のテーマである「自然と人間の共生」を現代に伝える生きた教材でもあります。
実際に現地を訪れることで、宮崎駿監督が感じた「あたらしいものをつかむ」体験を追体験できるはずです。ただし、これらの聖地を訪れる際は、自然環境への敬意を忘れず、マナーを守って楽しむことが大切です。
映画を見返した後は、ぜひ屋久島と白神山地への旅を計画してみてください。きっと、映画とは違った新たな発見と感動が待っているでしょう。