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もののけ姫の動物とは?森の生態系を支える神々の正体

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もののけ姫の動物とは?森の生態系を支える神々の正体

あなたも「もののけ姫」に登場する動物たちの迫力に圧倒されたことがあるのではないでしょうか。巨大な山犬、威厳あふれる猪神、そして神秘的なシシ神など、宮崎駿監督が描いた森の動物たちは、ただの架空の生き物ではありません。この記事を読めば、もののけ姫の動物たちの正体やモデル、そして彼らが体現する自然界の真実について深く理解することができるでしょう。

もののけ姫の動物たちが象徴する森の生態系の真実

もののけ姫の物語では、中世・室町期の日本を舞台として、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが太古の深い森の中に潜み、聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていました。

これらの動物たちは単なるファンタジーの産物ではなく、宮崎駿監督が人々が製鉄技術を手に入れ産業を発展させていく中で、山や森が破壊され、獣たちや神々、精霊たちが殺されていく様を描いたものです。監督は自然と人間の対立を描きながらも、どちらかを悪役として描かず、森の生態系における動物たちの重要性を浮き彫りにしています。

シシ神-森の生態系を統括する最高神

シシ神は昼の姿では枝分かれした樹木の角が無数に頭頂部から生えた、猿のような赤い人面の鹿のような生き物で、水面を浮いて歩き、地面では歩く度に足下で植物が一斉に成長しては枯れる存在として描かれています。

シシ神によって表現される自然は、人間の計画したもの、作ったもの、大事に守ろうとしているものをほんの一瞬で無かったことにしてしまう圧倒的な力を持ち、人間は森を開発することはできても、その根底にある自然そのものを支配することはできないという真実を体現しています。

シシ神は森の神でありながら、森を守るために命をかけて戦った乙事主の命さえも吸い取ってしまう存在であり、これは生態系における生と死の循環を象徴しています。

山犬一族-絶滅したニホンオオカミの神格化

モロの君とその子供たちの正体

山犬とは動物学上においてニホンオオカミのことを言い、もののけ姫の犬神一族はニホンオオカミがモデルになっています。古代の日本では、山間部を中心としてオオカミは、イノシシやシカに田や畑を荒らされるのを防ぐ山の神として崇拝されていました。

モロのモデルとなったのは、埼玉県秩父市にある三峰神社で「おいぬさま」として崇められているニホンオオカミで、ヤマトタケルを案内した白いオオカミの伝説に由来しています。

モロの君は300歳のメスの犬神で、外見にはホワイトスイスシェパードッグとニホンオオカミという2つのモデルがあり、名前の由来は神籬(ひもろぎ)で「天下る」という意味の「あもる」が変化したものとされています。

山犬一族が体現する生態系バランス

「狼(オオカミ)」は「大神」という漢字でも表され、世界中で古代から信仰の対象となり、動物界では一番徳の高い神様の遣いとして多くの神話や伝記に登場しています。現実の生態系においても、オオカミは食物連鎖の頂点に位置し、草食動物の個体数を調整することで森林の植生を守る重要な役割を果たしていました。

九州から東北地方まで広く生息していたニホンオオカミも現在では絶滅してしまい、「もののけ姫」では自然界と人間界の残酷な現実も見事に描かれています。

猪神一族-森の破壊への怒りを体現する存在

乙事主とナゴの守が表す生態系の危機

乙事主は四本牙を持つ巨大な白い雄の猪神で500歳の最長老。老齢のために目は既に見えないが、嗅覚と洞察力が鋭く、重傷の身でありながらも巨大な岩を体当たりで粉砕するなど身体能力も高い存在として描かれています。

猪神たちは人間に鉄砲で撃たれ、体の中を鉄の銃弾で引き裂かれた苦しみと痛みの中で人間への怒りに駆られ、タタリ神となってしまいます。この変化は、環境破壊によって生息地を奪われた動物たちの絶望と怒りを象徴しています。

森に息づく小さな生命たち

コダマ-森の精霊としての役割

コダマは豊かな森に住む精霊の一種で、シシ神の森に住んでおり、人間の行動を真似したり、森の中で迷ったアシタカを導いてくれる中立的な存在として描かれています。

コダマの存在は、森の健全性を表すバロメーターとしての役割を果たしており、森が破壊されるとコダマたちも姿を消してしまいます。これは現実の生態系において、環境の変化に敏感な指標種が果たす役割と重なります。

ヤックル-人と自然を繋ぐ存在

アシタカと共に旅をする大きな角が特徴的な動物ヤックルは、馬にはない跳躍力を持ち、水の中を泳ぎ、タタリ神を上回る足の速さを持っています。

ヤックルのモデルとなった動物は公式には明かされておらず、ヤクシカ、カモシカ、アイベックスなど複数の動物がモデルではないかと推測されています。

宮崎駿が描いた自然の真の姿

美化されない自然の描写

宮崎駿監督は「自然の本当の姿というのはもっと凶暴で残忍なものなんですね。生命そのものも凶暴で残忍なものに晒される不条理なものだというところが抜け落ちたままで、環境問題とか自然の問題を論じると、どうも底が浅くなってつまらない」と語っています。

もののけ姫に登場する動物たちは、人間にとって都合の良い「優しい自然」ではなく、自然の持つ凶暴さや残忍さと同時に優しさも持つ複雑で奥深い存在として描かれています。

人間中心主義への問いかけ

作品は人間中心主義的の理の外を目指しており、SDGsが謳う「持続可能性」が人間のための持続可能性である時点で、人間が自分たちの都合の良い方向に自然をコントロールするという傲慢さを捨て切れていないことを問いかけています。

SNSでの反響・考察

乙事主・太古の昔、どの森にも主(ヌシ)と呼ばれる獣神がいました🤗 #白いのしし #もののけ姫 #乙事主 #ヌシ #神話


引用:Twitter投稿より

昔自衛隊に居た頃、演習中に森の中で用を足してたら猿に猩々(しょうじょう)見たいに小石とか枝投げられてキーキー騒がれた事あります。そして僕のが臭かったのか「森の終わりだー!」と言わん張りに逃げて行きました


引用:Twitter投稿より

もののけ姫公開当時、相当なビビりだった私は、本気でコダマが怖かった・・子供を三人産んで、三十も越えりゃあ怖いもんなんてない、コダマなんかよりも今三十路を越えた事に震えが止まらない


引用:Twitter投稿より

これらの反応からも分かるように、もののけ姫の動物たちは観る人に強烈な印象を残し、自然と人間の関係について深く考えさせる存在として機能しています。

現代に通じる生態系保護のメッセージ

絶滅種が語る警告

明治の初めころまで日本各地に実際に生息していた絶滅種のニホンオオカミは、現存する狼よりは小さく中型犬ほどのサイズしかなかったが、当時は日本の生態系のトップに君臨していたとされています。

モロの君をはじめとする山犬一族の描写は、人間の活動によって絶滅に追い込まれた動物たちへの鎮魂歌でもあり、現在進行中の生物多様性の危機への警鐘でもあります。

森林生態系の複雑さ

物語は「自然対人間、異文化・異宗教のせめぎあいと折り合い」を描いており、設定が素晴らしく深い作品として評価されています。登場する動物たちは、単なる個体ではなく、森全体の生態系ネットワークの一部として機能している様子が丁寧に描かれています。

環境問題への多角的アプローチ

製鉄技術を手に入れた人々が産業を発展させる一方で山や森が破壊され、森と人が争わずに生きる道があるのかという問いを提示しています。

この問いは現代の気候変動対策や持続可能な開発目標(SDGs)の議論にも直結しており、経済発展と環境保護のバランスをどう取るべきかという課題を先取りしています。

まとめ:動物たちが教える共生の道

宮崎駿監督が語る「『鎮まりたまえ』というのは日本人の自然観の一番中心的な観念」という言葉が示すように、もののけ姫の動物たちは、人間が自然に対して持つべき謙虚さと畏敬の念を体現しています。

山犬モロの慈愛深さ、猪神乙事主の誇り高さ、シシ神の超越的な存在感、そしてコダマたちの愛らしさ―これらすべてが、殺し合いながらも共生する道を探るという困難だが重要な課題を私たちに提示しています。

現代を生きる私たちにとって、もののけ姫の動物たちは単なる架空のキャラクターではありません。彼らは失われた自然への郷愁であり、環境破壊への警告であり、そして人間と自然が真に共存する未来への希望の象徴でもあるのです。

人間である以上、人間中心主義の外に出ることは相当に難しいという限界を認識しながらも、動物たちが示す生態系の豊かさと複雑さを理解することで、私たちはより良い共生の道を見つけることができるでしょう。

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