『もののけ姫』を何度も観ているファンの皆さん、作品の表面だけでなく、その奥に隠された驚くべき裏設定について知りたいと思いませんか?実は宮崎駿監督が構想に16年をかけたこの傑作には、映画では語られることのない衝撃的な制作背景や秘密の設定が数多く存在しています。この記事では、そんなもののけ姫の知られざる真実を詳しく解説していきます。
もののけ姫に隠された驚愕の裏設定の真実
もののけ姫には、映画本編では決して語られることのない驚愕の裏設定が数多く存在します。宮崎駿監督の設定メモには「海外に売られ、倭寇の頭目の妻となり、頭角を現し、ついに頭目を殺し、その金品を持って自分の故郷に戻ってきた」というエボシ御前の壮絶な過去や、最後のシーンに登場するコダマが、後にトトロに進化したという宮崎監督の考えなど、ファンにとって衝撃的な設定が隠されているのです。
これらの裏設定は、単なる思いつきではありません。宮崎駿監督が16年に渡り構想し製作に3年を費やしたこの作品には、一つ一つのキャラクターや設定に深い意味が込められています。
なぜこれらの裏設定が生まれたのか?制作背景に隠された理由
16年間の構想期間が生んだ深い設定
1980年(昭和55年)に宮崎駿がアニメ企画案のイメージボードとして構想した同名の作品があり、1993年(平成5年)にそれを基にした絵本が出版されていることからも分かるように、もののけ姫は長期間にわたって練り上げられた作品です。
当初はこの絵本を元に映画制作を検討していましたが、4カ月経っても全く構想がまとまらなかったため、結局この原案を捨ててゼロからストーリーを考え直すことになりました。この長い構想期間こそが、深い裏設定を生み出す土壌となったのです。
チャゲ&飛鳥のPV制作がもたらした転機
興味深いことに、「どんなストーリーにすればいいんだろう?」と悩みまくる宮崎監督のもとに、チャゲ&飛鳥から「新曲のPVを作って欲しい」との依頼が来ました。この『On Your Mark』の制作をきっかけとして、「『もののけ姫』の方向性が見えた」と後に宮崎監督は語っているのです。
宮崎監督の創作哲学
宮崎監督は「人類がやっていることは本当に正しいのか……という根源的な疑問に真正面から答えないと、元気に希望を持って生きろと言いながら、本当は子供たちの一番聞きたいことに答えていないことになる」と語っています。この深い思想が、表面的な娯楽作品にとどまらない、重層的な裏設定を生み出す原動力となったのです。
具体的な裏設定と制作秘話の詳細
エボシ御前の隠された過去
設定項目 | 詳細内容 |
---|---|
出自 | 身売りされて海外へ |
結婚 | 倭寇の頭目の妻となる |
成長 | 次第に頭角を現す |
決断 | 夫である頭目を殺害 |
帰国 | 金品と石火矢技術を持って日本へ |
海外に売られてしまったエボシ御前は、倭寇の頭目の妻になります。エボシ御前は頭目の妻になった後、次第に頭角を表します。そして最後には、夫である頭目を殺し、金品と石火矢の技術を手に入れて日本に持ち込んだそうです。この壮絶な過去があるからこそ、タタラ場での彼女の強さと冷徹さに説得力が生まれるのです。
キャラクターの年齢設定
モロは300歳という設定で、乙事主は500歳です。乙事主とモロは旧知の間柄で、100年ほど前まで良い仲だったという裏設定があります。この「歳の差カップル」設定は、ファンにとって驚きの事実でした。
サンの心の奥底
サンがアシタカに「美しい」と言われた時に見せた驚きの表情の裏には、サンが「自分のことを醜いと思っている」という心理によるものという設定があります。人間として生まれながら山犬に育てられたサンの複雑な心境が表現されているのです。
コダマとトトロの驚きの関係
小さなひとりぼっちのコダマが強い印象を残すラストシーン。宮崎駿監督には、この小さなコダマが後のトトロになるのだという考えがあったそうです。これにより、『もののけ姫』と『となりのトトロ』は同じ世界線の物語ということになります。
タイトルの変更秘話
宮崎監督は当初『もののけ姫』のタイトルでこの企画を開始しましたが、制作途中で『アシタカせっ記』にしようと考えました。それを元の『もののけ姫』で行くと決めたのが鈴木プロデューサーでした。宮崎さんは『アシタカせっ記』を推していましたが、鈴木さんがこっそり、金曜ロードショーで『もののけ姫』というタイトルの特報を放送して確定させちゃいました。
SNSで話題の裏設定に関する投稿とファンの反応
公式アカウントの裏設定公開が話題に
「もののけ姫」制作にあたって宮﨑駿監督が書いたエボシの設定のメモには、こんな記述があります。
“海外に売られ、倭寇の頭目の妻となり、頭角を現し、ついに頭目を殺し、その金品を持って自分の故郷に戻ってきた”
こんな過去を生き抜いてきたからこそ、今の勇ましいエボシがいるんですね😌。
引用:https://twitter.com/kinro_ntv/status/1682688767089045504
この投稿に対して、多くのファンが「全然知らなかった」「設定が深い」と驚きの声を上げています。
コダマ=トトロ説の反響
小さなひとりぼっちのコダマが強い印象を残すこのシーン。宮﨑駿監督には、この小さなコダマが後のトトロになるのだという考えがあったそうです😳。
トトロは何千年も生きているというのに、この森にトトロがいないことを気にしていた監督はある日、「それ(最後のコダマ)がトトロに変化したって。耳が生えたっていうの、どうですかね」と話したということです😊。
引用:https://twitter.com/kinro_ntv/status/1682688767089045504
この設定について、ファンからは「これぞジブリワールド」「遊び心が詰まった作品」という絶賛の声が多数寄せられています。
モロと乙事主の関係性への反応
Q:モロは何年くらい生きているんでしょうか?
A:300歳という設定です。ちなみに乙事主は500歳です。(年の差カップル……)
引用:https://twitter.com/JP_GHIBLI/status/1426139062347366400
この投稿に対して「マジか…」「そんな設定が!?」とネットがざわついたほどの反響でした。
制作技術に関する裏話
『もののけ姫』はスタジオジブリ作品史上初めて、本格的にコンピューター・グラフィックス(CG)が採用された作品。
「タタリ神の眼に矢が刺さるシーンでは、3DCGで作られたワイヤーフレームに色をのせ、トゥーン・シェーダーというソフトでセル画調に仕上げて作成されています」
引用:https://encount.press/archives/489453/
技術的な裏話にも多くの関心が寄せられ、制作の大変さを改めて実感するファンの声が多数見られました。
ハンセン病への言及に関する深い考察
2016年1月28日に開かれた「ハンセン病の歴史を語る人類遺産世界会議」で宮崎は、「もののけ姫」の一場面でハンセン病患者を描いた経緯について語りました。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/宮崎駿
自宅から歩いて15分ほどにある全生園を訪問し、園内資料館で展示されていた脱走防止用の「園内通用券」などを見て衝撃を受け、「おろそかに生きてはいけない。作品を真正面からやらなければならない」と語ったという深い制作動機に、多くのファンが感銘を受けています。
別の視点から見る裏設定の意味と価値
作品テーマとの関連性
中でも、子どもたちが「どうして生きなきゃいけないんだ」という疑問を持っていると感じ、それに対し自分はどう考えているのか答えなければならないと思ったことから製作したというのが『もののけ姫』です。
この深いテーマがあるからこそ、単純な善悪二元論ではない複雑な裏設定が必要だったのです。ジコ坊は単純な色分けが出来ない、独特なキャラクターです。もっとも本作は、善悪を簡単には言えないキャラクターがほとんどですねという公式の説明からも、その意図が読み取れます。
制作技術の革新性
『もののけ姫』製作時は、ちょうどアニメーションの製作がアナログからデジタルへと本格的に移行し始めていた時期にあたり、本作では一部でCG技術を導入しつつ、透明なシートを使ってセル画に直接色をペイントしていくというセルアニメーションの技法を使用した最後のジブリアニメとなったのです。
興行記録の背景
2020年の再上映による興行収入は8.8億円にのぼり、正式な興行収入記録は201.8億円となったという記録的な成功も、これらの深い裏設定があってこそ実現したといえるでしょう。
まとめ:もののけ姫の裏設定が示す宮崎駿の創作哲学
『もののけ姫』の裏設定を詳しく見てきましたが、これらすべてに共通するのは宮崎駿監督の妥協なき創作姿勢です。「”森を守ろう”と一言でも言った途端に、全部手垢にまみれたものになってしまう。そういうことで作ってるんじゃないんだと」という監督の言葉からも分かるように、安易な結論に逃げることなく、複雑で矛盾した現実を描こうとする意志が裏設定の随所に現れています。
エボシ御前の壮絶な過去、サンの複雑な心境、コダマとトトロの繋がり、そして作品全体に流れる「生きることの困難さと美しさ」というテーマ。これらの裏設定を知ることで、『もののけ姫』は単なる娯楽作品を超えた、人生そのものを問う深い作品として新たな魅力を発見できるのです。
裏設定を知ることでより一層「もののけ姫」が楽しくなります。今度作品を観る際は、これらの隠された設定を思い出しながら、宮崎駿監督が込めた深いメッセージを感じ取ってください。きっと新しい発見があるはずです。