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もののけ姫のジバシリとは?正体を解説

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もののけ姫のジバシリとは?正体を解説

もののけ姫を観た多くの人が印象に残る謎めいた集団「ジバシリ」。猪の生皮をかぶり、血を顔に塗る異様な姿で森に現れる彼らの正体について、詳しく知りたいと思ったことはありませんか?この記事では、ジバシリの正体から特殊技能、作中での活躍までを徹底的に解説します。

ジバシリの正体とその意味

ジバシリとは、ジコ坊によって雇われた、山に詳しい男たちの事です。通常の狩人たちよりも山の知識に長けており、獣に人と見破られないよう乙事主の配下の猪たちの生皮を剥いでかぶり、猪の血を体に塗って人のにおいを消し惑わせ、近づくという特殊な技能を持ちます。

「ジバシリ」の語源については諸説ありますが、「人の走りと同じ速力で、地にへばりつくように走っている」と注意書きがあることから、ジバシリ(地走り)という名前の由来はここから来たのかもしれません。これは彼らが地面を這うように素早く移動する能力を表していると考えられます。

組織的な位置づけ

山の神やタタラ場のエボシ御前などに遣えておらず、ジコ坊によって雇われているため、もののけ姫の作中内の勢力図としては「謎の組織・師匠連」に属する事になります。決してジコ坊の手下という訳ではなく、今でいうところの「フリーランス」のような立ち位置で無所属の山の狩人達という位置づけになります。

ジバシリの特殊技能と戦闘能力

獣への擬態技術

ジバシリの最も特徴的な能力は、獣に完全に擬態する技術です。この技術について、作中でジコ坊は以下のように説明しています:

「あれはジバシリの業だ。おぞましいものよ」


引用:https://comic-kingdom.jp/ghibli-jibaashiri/

通常の狩人たちよりもの山の知識に長けており、獣に人と見破られないよう乙事主の配下の猪たちの生皮を剥いでかぶり、猪の血を体に塗って人のにおいを消し惑わせ、近づくという特殊な技能を持ちます。「ジバシリ」は普通の山の狩人達よりも山の知識に長けており、少し人道外れた方法ではありますが獣を狩るための作戦としては理にかなっており狩人のエリート達とも考えることが出来ます。

身体能力と戦闘力

猪の生皮を被った状態で乙事主の走るスピードに付いてこられる所を見ると身体能力は高いと思われます。また不意打ちとはいえあのサンを気絶させていることから戦闘能力も高いと言えます。山の中でなら唐傘連戦闘員よりも強いと思われます。

能力項目 詳細
走行速度 乙事主と同程度の速度で追走可能
擬態技術 猪の生皮着用、血液による臭い消し
戦闘能力 サンを気絶させるほどの実力
山野知識 通常の狩人を上回る専門技能

シシ神討伐作戦での活躍

乙事主を利用した戦略

ジバシリ(地走り)は、乙事主がサンと共にシシ神の池へ向かう途中で待ち伏せすると、罠に気づいたサンの制止も聞かずに乙事主は錯乱状態となりながら池へ暴走してしまいます。途中で倒れた彼に皮を被ったジバシリが毒矢を突き刺し、戦闘による傷の痛みと毒による苦しみによりタタリ神へと変貌し始めたのでした。

この作戦は極めて巧妙で、乙事主自身をシシ神の元まで案内させるという計画でした。ジバシリたちは乙事主の配下の猪たちに成りすまし、最長老である乙事主を騙したのです。

タタリ神化の促進

やがて力尽きて倒れた乙言主の元に集まり、生皮の下で「何か悪さをしているよう」。頭を垂れていた乙言主が突然悲鳴をあげます。刀で突き刺したか、あるいは唐傘連のように毒の吹き矢を打ち込んだのかもしれません。そして乙言主の鼻すじから、ネバネバした黒い”タタリ神”の証が噴き出し――。ついに”タタリ神”となった乙言主は、シシ神の元へジバシリたちを連れていってしまいます。

史実との関係と創作性

実在のモデルは存在しない

ジバシリは「師匠連」「唐傘連」と並んで本編中もっとも謎の集団です。絵コンテにも詳しい記述はなく、史実の上でも当てはまるような組織は見当たりません。

特に「ジバシリ」のモデルとなった人物や、集団はなくもののけ姫の作中での架空の集団という事になります。

室町時代の社会背景との関連

もともと天朝(朝廷)と山の漂泊民や芸能を生業とする人々とは関係が深く、今様(いまよう)を習うために傀儡(くぐつ)に弟子入りした法皇もいたほど。室町時代という設定から、そのあたりの関係をふまえて作成したとも考えられます。ジコ坊(唐傘連)の支配下にはなく、お金次第で味方につくというフリーランスな立場は、その時代ならではなのかもしれませんね。

ジバシリに対する周囲の反応

タタラ場の人々の恐怖

作中でタタラ場の甲六は、ジバシリを見て次のように発言しています:

「ありゃあただの狩人じゃねえジバシリだ」


引用:https://comic-kingdom.jp/ghibli-jibaashiri/

また、普通の山の狩人達とも一線を画すようで、タタラ場の人々も「ありゃあただの狩人じゃねえジバシリだ」と言っていることからも町の人々からも恐れられている様子でした。「ジバシリ」という存在がタタラ場でもどのように恐れられているのかという事を表現しているセリフになります。

森の動物たちの反応

映画「もののけ姫」では、森を奪った人間を憎んでいるとされる猩々(猿神)も森に入ってきたジバシリにおののき逃げ出していました。これは、ジバシリの持つ「死」の匂いや不自然さを、自然界の住人たちが本能的に察知していたことを示しています。

ジバシリの最期

また、描写はされていないが、シシ神討伐の際にその体液を浴びて「ジバシリ」の多数が命を落としたと考えられ、僅かに生き残った石火矢衆や唐傘連達と共に一目散に逃亡したと考えられています。

シシ神の首を奪った後、デイダラボッチとなったシシ神から噴出した体液は、触れたものを即座に生命力を奪う恐ろしい力を持っていました。ジバシリたちの多くは、この最後の瞬間に命を落としたと推測されます。

SNSでの話題と現代での受容

現代のSNSでは、ジバシリについて興味深い反応が見られます:

「森林戦専門のサバゲチーム「ジバシリ」とか創設したら面白いかな?…濃すぎるか(笑)」


引用:https://karin-zakki.com/mononokehime-jibashiri-3414

「『もののけ姫』はジバシリ(地走り?)たちの呪術戦がお気に入りでして、イノシシたちの皮をかぶる、顔に血を塗る、なんか毒めいたものでオッコトヌシさまを祟り神にしちゃうと、大活躍。土着せずに渡りで生活してそうなのも網野善彦先生的な中世人っぽさがあります。」


引用:https://karin-zakki.com/mononokehime-jibashiri-3414

「動物の皮をかぶって狩りをする、いうのはリアルに考えるとちょっと怖いですが、「原始的」「呪術的」としてとらえるとロマンのある姿ですよね。モンスターハンター的なカッコよさも感じます。」


引用:https://karin-zakki.com/mononokehime-jibashiri-3414

ジバシリが物語に与える意味

自然と人間の境界の曖昧さ

地走りとは、クマやイノシシの皮をかぶり、獣に擬態した狩人たち。森への畏敬や尊崇からではなく、敵である森の神々を欺き、罠にかけるための人間の策略の一形態でしょう。本来、強い獣の姿を模したりその皮をかぶるのは一種の模倣で、獣の強さを我がものとする、という意味合いがあります。しかし地走りたちが仕えるのはジコ坊、ひいては師匠連であり、あくまでも人間の用いる一つの戦略に過ぎません。

ジバシリの存在は、人間でありながら獣の皮をかぶるという矛盾した存在として描かれています。これは、もののけ姫全体のテーマである「自然と人間の関係」において重要な象徴的意味を持っています。

技術と呪術の融合

ジバシリの技能は、単なる狩猟技術を超えた呪術的な要素を含んでいます。血を顔に塗り、死んだ獣の皮をかぶることで、生者と死者の境界を曖昧にする存在として機能しています。

まとめ

もののけ姫に登場するジバシリは、単なる狩人集団を超えた、深い象徴的意味を持つ存在です。彼らの正体は以下のようにまとめられます:

  • 正体:ジコ坊に雇われた山の狩人のエリート集団
  • 特技:獣への完全な擬態技術と優れた身体能力
  • 役割:シシ神討伐作戦の重要な実行部隊
  • 象徴性:自然と人間の境界を曖昧にする存在
  • 最期:シシ神の体液により多数が死亡

ジバシリという謎めいた集団を通じて、宮崎駿監督は人間の技術が自然を欺く恐ろしさと、同時にその技術を使う人間自身もまた自然の一部であるという複雑なメッセージを込めています。彼らの存在は、もののけ姫という作品の奥深さを示す重要な要素の一つなのです。

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