スタジオジブリの名作「もののけ姫」について調べていると、表向きのストーリーだけでは説明がつかない不可解な要素に出会ったことはありませんか?実は、宮崎駿監督がこの作品に仕掛けた数々の都市伝説や隠された裏設定は、ファンの間で長年にわたって語り継がれているのです。
この記事では、そんなもののけ姫の都市伝説を徹底的に解明し、作品に込められた宮崎駿監督の真意に迫ります。コダマとトトロの驚くべき関係から、アシタカとサンの隠された過去まで、知られざる真実を余すことなく公開します。
もののけ姫に隠された10の驚愕都市伝説
1997年に公開されたもののけ姫には、193億円を売り上げ当時の興行収入第1位を塗り替えたジブリのアニメーション映画「もののけ姫」。森を切り開き文明を広げて行った「人の業」を考えさせてくれる深い作品でありながら、その裏には隠された数多の都市伝説や裏設定が存在するという事実が判明しています。
これらの都市伝説は単なる憶測ではなく、制作過程での宮崎駿監督の発言や、スタッフによる証言に基づいた確固たる根拠を持つものなのです。
1. コダマがトトロに進化する衝撃の真実
最も有名な都市伝説の一つが、「チビで1匹でいいから、コダマがノコノコ歩いてるやつ、最後にいれてくれって。それがトトロに変化したって(笑)。耳が生えてたっていうの、どうですかね。そうすると首尾一貫するんだけど」という宮崎駿監督の発言です。
この発言の背景には、「俺、気に病んでることが一つあるんですよ。トトロは何千年も生きているというのに、トトロが出てないじゃない、この森に。本当はトトロが一杯(原文ママ)いるんじゃないかって(笑)。気に病んでるんです、実は」という監督の悩みがありました。
コダマの特徴 | トトロの特徴 | 共通点 |
---|---|---|
白い体色 | 小トトロが白 | 森の精霊 |
首をカタカタ鳴らす | 独特な動作 | 豊かな自然の象徴 |
人里離れた森に生息 | 人里離れた森に生息 | 人間との共存 |
2. アシタカとサンの禁断の関係
作品中で最も議論を呼ぶのが、アシタカがシシ神に銃創を癒され、その後何日も眠りについていたという洞窟での場面。そこでは真横にサンが割と無防備な姿で寝入っていて、起き上がったアシタカは彼女をずっと見つめていました。その様子がいかにも「行為の後」のようだと噂されているという都市伝説があります。
実際に、鈴木敏夫プロデューサーがこの場面の絵コンテを見てそれを確信したらしく、宮崎駿監督と直接問答もしたよう。しかもそれを監督は認めていたという証言まで存在するのです。
3. カヤからサンへ渡された玉の小刀の意味
アシタカが許嫁のカヤからもらった玉の小刀をサンに渡すという行為について、現代で言う所の元彼女からのプレゼントを別の女性にプレゼントするという悪魔の所業である。当然、カヤの声優である「石田ゆり子」さんも、監督に「ひどいです!」と抗議を行ったが、宮崎駿は「男なんてそんなもんだ」と一蹴されたというエピソードがあります。
興味深いことに、ヒロインであるサンの声優も「石田ゆり子」さんが務めるので、メタ的な話しで言えばアシタカはサンとカヤ同一人物に小刀を渡し代えただけ…とも言えたりするという深読みまで可能なのです。
シシ神とデイダラボッチの隠された正体
もののけ姫の核心とも言えるシシ神の正体についても、多くの謎が隠されています。
シシ神のモデルとなった存在
普段は単独で行動しているが、時には普通の鹿または鹿神の群れと行動している。一見すると、大きなシカのような姿をしているが、顔つきはサルを思わせる赤ら顔で、どこか人面にも似ている。しかし、耳はヤギ、目鼻は猫のようで、目の下から頬にかけて青い紋様が入っているのも特徴というシシ神の描写は、決して偶然ではありません。
世界最古の叙事詩である『ギルガメッシュ叙事詩』に登場する神獣のフンババも、「キメラ的な姿や巨人の姿で描写される」「聖なる森の守護者である自然神」「息によって生き物を殺す」「森を狙う人間によって斬首された」などの描写がされており、シシ神に影響を与えたのではないかと推測されることもあるという分析もあります。
デイダラボッチの真の意味
夜の姿であるデイダラボッチについても、実際に日本各地に巨人の逸話として実際に残っています。例えば、デイダラボッチが近江国(現在の滋賀県)の土を使い山を作ったのが富士山で、掘った跡が琵琶湖になったという伝説が残っていますという民俗学的背景があります。
宮崎駿監督は「折り返し点」では、デイダラボッチのことを山の下級の神であると書いています。デイダラボッチを凌駕する上級の神は、もしかすると現在まで言い伝えられる神話に登場する神々のことを指しているのかも知れませんと語っており、作品世界の神々の階層構造を示唆しています。
猩々が象徴する現代への警告
作品中で強烈な印象を残す猩々(しょうじょう)たちも、単なる脇役ではありません。
猩々たちの特徴は、オラウータンのような姿をし、カタコトで話し、人間たちを酷く恨んでいます。その理由が、人間たちが自分たちの住処である森を奪っていったためでした。宮崎駿監督は、ジブリに意味や想いをよく込められます。従って、猩々たちのセリフに込められた意味とは、きっと「自然を破壊する現代の人間たちに向けたメッセージ」でもあるのではないでしょうか?
彼らの「人間食う。人間の力もらう。人間やっつける力ほしい」というセリフには、本来の「猩々」達は今なお自然を愛し、自身らの生きる森を守るために木を植え続け、森を生き返らせようとする一面も見られています。度重なる自然破壊、人間という自然界にとっての大敵の前に粗暴な言葉を使用してしまったり、森を荒らす人間たちに対し荒ぶる性格へと変貌していった、一番の被害者達なのかもしれませんという深い意味が込められているのです。
SNSで話題の都市伝説考察
友達が、もののけ姫のカヤをアシタカの実の妹だと思っていて、「カヤはアシタカの婚約者だよ。将来の夫が村を出なきゃならなくなったから、思いを託して玉の小刀を渡したんだよ!」と話したら「アシタカそれをサンに渡したの!?」と一瞬にしてアシタカの株を大暴落させてしまった。悪いとは思っている
引用:https://twitter.com/nanahara08/status/1490236937456644097
このツイートが話題になったのは、多くの視聴者が気づかなかったアシタカの複雑な恋愛事情を端的に表現しているからです。
猩々(しょうじょう)は、日本猿より大型の霊長類。夜ごと崩された斜面に集まり、森を取り戻すため、木を植えようとします。彼らもまた森を奪った人間を憎んでいるそうです。
公式アカウントからも猩々の真の姿について言及されており、彼らが単なる敵役ではないことが明確にされています。
もののけ姫の中で人間に負けて追いやられて、人間食べようとする方々ね。本来は神々らしいけど…
引用:https://twitter.com/Damn_glasses19/status/1583469408823980032
このように、視聴者の間でも猩々の本来の姿についての理解が深まっており、作品のメッセージ性がより鮮明になってきています。
制作秘話から見る隠された真実
タイトル変更の危機
映画の完成間際に宮崎駿は、映画のタイトル「もののけ姫」を別のタイトルへ変更しようとしていた。そのタイトルは「アシタカ聶記(アシタカセッキ)」。だが、もののけ姫というタイトルを気に入っていた当時のプロデューサー「鈴木敏夫」が彼の見を無視し、もののけ姫としてテレビCMなどの広報活動を開始という経緯がありました。
もし鈴木プロデューサーの判断がなければ、私たちは今日「もののけ姫」という言葉すら知らなかった可能性があるのです。
税金対策説の真相
『もののけ姫』を作成したきっかけが、税金対策だったという説があります。スタジオジブリは1990年以降多くの作品を輩出しており、そこから得られる多額の印税に応じて、払わなくてはならない税金の額も膨れ上がってしまったのだとかという都市伝説も存在します。
しかし、作品の深いメッセージ性と完成度を見れば、これが単なる税金対策以上の意味を持っていることは明らかです。
千と千尋の神隠しとの意外な関係
もののけ姫と千と千尋の神隠しには、驚くべき関係性があります。
別のジブリ映画「千と千尋の神隠し」に登場する主人公の少女「千尋」(画像右)。彼女だが本作「もののけ姫」に登場した山犬に育てられた少女「サン」の遠い子孫である…という説がある。この噂の根拠として、千尋のフルネームは「荻野千尋」というが、湯婆婆との契約の際に彼女は自分の名前を間違えて書いている。その間違いとは「荻」の字の「火の部分を犬」と書いている事という興味深い説があります。
この説が真実であれば、サンのセリフ「人間臭い」と千尋が言われたセリフ「人くさい」が上手く対比されたセリフで何とも面白い物があるということになり、ジブリ作品間の壮大な繋がりが見えてきます。
環境破壊への警鐘としての都市伝説
これらの都市伝説の多くは、現代の環境問題に対する宮崎駿監督の強いメッセージを含んでいます。
猩々は、自然破壊の被害をその身で象徴する存在として登場しています。かつて「森の賢者」と称され、豊かな森を守り続けた彼らは、人間の進出と自然破壊の進行により自らのアイデンティティを崩されていきました
現代社会において、森を育てようといくら木を植えても次から次へと人間が破壊する。現在の人間世界の繁栄は、山や森に住む動物たちの犠牲の上に成り立っているものとし、地球温暖化など自然災害は自業自得という現実と向き合わざるを得ません。
これらの都市伝説は、単なる娯楽ではなく、私たちに対する深刻な警告として機能しているのです。
まとめ:もののけ姫の都市伝説が伝える真のメッセージ
もののけ姫に隠された数々の都市伝説は、宮崎駿監督が作品に込めた深いメッセージの一部です。コダマがトトロに進化するという希望的な未来から、猩々たちが体現する自然破壊の現実まで、これらの都市伝説は私たちに重要な問いを投げかけています。
- 自然と人間の共存は可能なのか
- 技術発展と環境保護のバランスをどう取るべきか
- 次世代に美しい自然を残すために何ができるのか
これらの都市伝説を通じて、もののけ姫は単なるアニメーション作品を超えた、現代社会への重要なメッセージを発信し続けています。作品を見直す際は、表面的なストーリーだけでなく、こうした隠されたメッセージにも注目してみてください。きっと新たな発見と深い感動を得られることでしょう。
宮崎駿監督が仕掛けたこれらの謎は、時代が変わっても色褪せることなく、私たちに大切なことを教え続けてくれるのです。