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もののけ姫の音楽・BGM・挿入歌とは?久石譲が手掛けた名曲群を徹底解説!

もののけ姫の音楽・BGM・挿入歌とは?久石譲が手掛けた名曲群を徹底解説! もののけ姫情報
もののけ姫の音楽・BGM・挿入歌とは?久石譲が手掛けた名曲群を徹底解説!

もののけ姫の音楽について詳しく知りたいのに、断片的な情報しか見つけられずにもどかしい思いをしていませんか?久石譲が手掛けた壮大な音楽世界には、映画の魅力を何倍にも高める深い制作背景があります。この記事を読めば、もののけ姫の音楽・BGM・挿入歌の全てが詳しく理解できるはずです。

もののけ姫の音楽・BGMの基本情報

もののけ姫のオリジナルサウンドトラックは、音楽を久石譲が手掛け、演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が担当しています。1997年7月2日に徳間ジャパンコミュニケーションズから発売されたこのサウンドトラックには、主題歌である「もののけ姫」も収録されています。

全33曲収録・63分という構成で、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のフルオーケストラによる、オリジナルサントラとして制作されました。CDの解説は音楽評論家の渋谷陽一が執筆しており、専門的な視点からの解説も楽しめます。

久石譲とのコラボレーション

本作が宮崎監督との6作目のコラボレーションとなった久石譲は、これまでとは大きく異なるアプローチを採用しました。制作に3年の月日を費やした大作で、音楽も前作まではポップでやさしいサウンドがメインだったが、壮大なシンフォニーが展開する内容となったのです。

音楽的転機となったもののけ姫サウンドトラック

「もののけ姫 サウンドトラック」は、久石譲さんのジブリ音楽、そして久石さんの音楽の変遷を考えるうえで、大きな転機・ターニングポイントとなった作品です。

プロオーケストラの本格採用

クラシック演奏を専門とする、プロ・オーケストラを使って、サントラ演奏が収録された久石さんのジブリ音楽は、この『もののけ姫』が初めてでした。この選択により、それ以降のジブリ作品のサントラでは、同様に、クラシックのプロ・オーケストラが演奏を必ず担当するスタイルとなったという、スタジオジブリ音楽史における重要な分岐点となったのです。

音楽的アプローチの変化

「もののけ姫 イメージアルバム」では、”日本”が舞台の”時代もの”ということで、相当に日本的な響きを意識した曲作りがされていた。(龍笛や琵琶といった邦楽器の使用、日本的な音階など)

一方で、映画本編で使われた、このサウンドトラックでは、邦楽器の使用は限られた曲のみに絞られ、基本的に大編成のオーケストラのサウンドをベースとしています。これにより、壮大で普遍的な音楽世界が構築されました。

収録楽曲の詳細解説

サウンドトラックに収録されている33曲には、それぞれ映画の重要なシーンを彩る役割があります。

代表的な楽曲群

楽曲名収録順特徴・使用シーン
アシタカせっ記1曲目オープニング・タイトル曲
タタリ神2曲目恐ろしいタタリ神登場シーン
旅立ち~西へ~3曲目アシタカの村からの出発
コダマ達7曲目森の精霊コダマ登場シーン
エボシ御前11曲目タタラ場の女主人エボシのテーマ
アシタカとサン31曲目ラストシーンの感動的な楽曲

主要楽曲の音楽的特徴

アシタカせっ記

リバーブの効いた和太鼓の音で始まるのが印象的で、フル・オーケストラによる、広がりのあるスケール感豊かなサウンドが素晴らしい楽曲です。

コダマ達

オーケストラ・サウンドがメインのサントラの中で、この曲は珍しく、シンセ・サウンドがメインとなっており、ピチカート・ストリングスの音が、コダマの愛らしい姿を彷彿させ、独特な曲調が、強い存在感を発揮しているという特徴があります。

アシタカとサン

映画のラストシーンで流れる、抒情的で美しいピアノの旋律が印象的な名曲で、多くのファンに愛され続けています。

挿入歌「もののけ姫」の魅力

宮崎監督が自ら作詞し、米良美一が歌う主題歌は、シングルとしても大ヒットを記録しました。この楽曲は映画の世界観を見事に表現し、物語の核心に迫る重要な役割を果たしています。

米良美一の歌声

男性ながら女性のような高い声で歌うカウンターテナーという歌手がいることが、この作品を通じて広まりました。高音部の伸びが美しい、とても印象的な楽曲として、多くの人の心に残っています。

BGMが生み出す映画的効果

もののけ姫のBGMは、単なる背景音楽を超えて、物語の感情的な深みを創造する重要な要素となっています。

シーン別音楽演出

映画『もののけ姫』のサウンドトラック33曲をそれぞれのシーンの説明を交えて分析すると、各楽曲が映像と完璧に同調していることが分かります。

例えば、アシタカとサンが協力し、ジコ坊を追うシーンで流れた曲は、久石譲の『黄泉の世界Ⅱ』であり、二人の距離がさらに縮まり、ラブと緊迫する状況が混在する場面を音楽が見事に表現しています。

音楽的モチーフの活用

短い曲ながら、主題歌「もののけ姫」のイントロ部分、ハープによる歌のメロディーの変奏、笛の音色が印象的な短いフレーズが、無駄なく配されているなど、楽曲間でモチーフを共有することで、物語全体に音楽的統一性をもたらしています。

制作秘話とレコーディング風景

音楽制作における宮崎監督との対話

この『もののけ姫』は本当に幸せな出会いだったと思うんです。宮崎(駿)さんとかれこれ6本もいっしょにやっていますけど、最初に『風の谷のナウシカ』をやった時と同じ感じでした。それにプラス6本やってきたというある種の深みというか、すごく深いレベルでコミュニケーションできましたと久石譲は語っています。

レコーディングの舞台裏

レコーディング当日奏でられた同曲は、盛り上がる箇所にシンバルとティンパニが鳴っていない。スタジオで同席していた鈴木プロデューサーからのさらなる提案で、シンバルとティンパニを加えたヴァージョンをその場で演奏してみるというやりとりが全て収められているという貴重なエピソードも残されています。

久石譲はあくまでも「村を追われたアシタカ・これからの試練」を思っておさえた。一方の鈴木プロデューサーは、「悲壮感を出すよりは、これは新たな旅立ちという祝福」という解釈をしていたという、クリエイター間での解釈の違いも興味深い制作秘話です。

使用楽器とサウンドデザイン

民族楽器の効果的活用

ケーナや和太鼓など民族楽器や日本の伝統楽器を積極的に取り入れ、実験性が際立つ屈指の出来栄えとなっているという特徴があります。これにより、古代日本の世界観を現代的なオーケストラサウンドと見事に融合させることに成功しています。

技術的なアプローチ

基本的には、いつものペースでシンセでほとんど全部作りこみました。それだけでもうCDとして出せるくらいのクオリティだったんですけど、それをあえてオーケストラの部分は別に録りましたという制作プロセスにより、精密な音楽設計が実現されています。

音楽が表現する物語のテーマ

「生と死」の音楽的表現

深遠なストーリーの幕開けにふさわしい厳粛な雰囲気が漂う “アシタカせっ記” から、”タタリ神”、”死と生のアダージョ”、”黄泉の世界”、そして、名曲 “アシタカとサン” など、ストーリー同様に静と動が絡み合うドラマチックな曲の数々により、映画の根本的なテーマが音楽を通じて表現されています。

自然と人間の共存

幻想的な森の風景を表現した “コダマ達” など、聴きどころが満載であり、音楽によって自然の神秘性と美しさが巧妙に描写されています。

SNS・WEBでの評価と反響

「聞いていると鮮明に映画の場面が頭に浮かんできます。映画はもちろんですが、音楽も素晴らしいです。」


引用:https://tower.jp/item/573276

「壮大なオーケストラサウンドによる、もののけ姫のサントラ。久石さんの転機となった重要なアルバム。」


引用:https://www.ashitatsu.com/column/joehisaishi/もののけ姫-サウンドトラック/

これらの評価からも分かるように、もののけ姫の音楽は映画を観た人々の心に深く刻まれ、長く愛され続けている傑作です。

現代における音楽的価値と影響

ジブリ音楽史における位置づけ

実は、クラシック演奏を専門とする、プロ・オーケストラを使って、サントラ演奏が収録された久石さんのジブリ音楽は、この『もののけ姫』が初めてという事実は、スタジオジブリの音楽制作における大きな転換点を示しています。

コンサート演奏での人気

武道館で歌詞の付いた合唱が披露されているなど、映画公開から25年以上経った現在でも、コンサートホールで演奏され続けている名曲群です。

音楽的完成度の高さ

映像との完璧な同調

映画のシーンの順番通りに曲が収められているサウンドトラックは、映画のシーンの長さに合わせて作られているという緻密な設計により、映像と音楽が一体となった芸術作品を生み出しています。

音楽的構造の巧妙さ

各楽曲は独立した音楽作品としても完成されており、同時に全体としての統一感も保持している点が、久石譲の作曲技法の優秀さを物語っています。

まとめ

もののけ姫の音楽・BGM・挿入歌は、単なる映画音楽の枠を超えて、日本の映画音楽史に残る傑作として位置づけられています。映画監督の黒澤明さんがおっしゃるには、映画というのは、あくまで時間軸上に作る建築物なんだそうです。時間と空間軸の中で作るもの。音楽もまったく同じだと思うんですという久石譲の言葉通り、音楽は映画という建築物を支える重要な柱となっています。

久石譲が手掛けた33曲の楽曲群は、壮大なオーケストラサウンドと日本的な感性を見事に融合させ、「生と死」「自然と人間の共存」という普遍的なテーマを音楽で表現した稀有な作品です。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による演奏、米良美一の歌声、そして宮崎駿監督との深いコラボレーションにより生まれたこれらの楽曲は、映画を観る人々の心に永続的な感動を与え続けています。

もののけ姫の音楽は、映画音楽の可能性を大きく広げた記念すべき作品として、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。その音楽的価値は時代を超えて輝き続ける、真の芸術作品なのです。

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