『もののけ姫』のエボシ御前役を演じた田中裕子さんの演技について詳しく知りたいと思ったことはありませんか?宮崎駿作品で初の本格的な俳優声優起用として話題となった田中裕子さんの声の演技は、多くのファンに深い印象を残しました。この記事では、世界的女優である田中裕子さんの『もののけ姫』での声優挑戦から、その演技力の秘密まで徹底的に解説します。
エボシ御前役・田中裕子の圧倒的な演技力
演じたのは俳優の田中裕子で、快活な演技を声に乗せて聞かせてくれると評される田中裕子さんのエボシ御前役は、『もののけ姫』の中でも特に印象深いキャラクターとして多くのファンに愛され続けています。
田中は1983年の連続テレビ小説『おしん』で主人公の田倉しん役を務めました。『おしん』は日本で1年間の平均視聴率52.6%を記録し、世界的な女優となった田中裕子さんが、なぜアニメ声優に挑戦したのでしょうか。
宮崎駿監督が求めた「エボシ御前」の声
宮﨑駿監督の作品で貫かれているそうした意思が、極端なまでに発揮された作品が『もののけ姫』だ。宮崎監督は、キャラクターに最も適した声を持つ人物を起用するという明確な方針を持っており、エボシ御前には田中裕子の声が必要だったのです。
エボシ御前は特別な能力は持っていませんが、非常に合理的な思考で動いています。自然と共に生きるキャラクターたちの中で、唯一自然を支配しようとしている存在という複雑なキャラクターを演じるために、田中裕子の実力が求められました。
田中裕子の声優としての挑戦
優し気な雰囲気の田中ですが、意志の強さを感じさせる声でエボシ御前を演じています。そんな田中はアフレコの前には演じる自信がなかったにも関わらず、その演技力の高さから、エボシ御前の魅力を十二分に表現することに成功しました。
冷徹さと優しさを兼ね備えたエボシを演じる田中の演技に、宮崎監督と鈴木敏夫プロデューサーが「上手い」と感嘆する様子が制作ドキュメンタリーでも記録されており、プロ中のプロからも認められる演技力を発揮しました。
エボシ御前というキャラクターの複雑性
エボシ御前は『もののけ姫』の中でも特に複雑で魅力的なキャラクターです。タタラ場を取りまとめる女性指導者。全ての人々が平等に暮らせる世界を目指していますが、それが原因でサンや山神と敵対しました。
エボシ御前の壮絶な過去
身売りされた女たちをタタラ場に保護しているエボシ御前ですが、実は彼女自身も海外へその身を売られていたのです。その後中国の倭寇と呼ばれる海賊に買われたエボシ御前は、倭寇の頭目の妻となります。この壮絶な過去が、エボシ御前の強さと優しさの源泉となっています。
田中裕子が表現したエボシ御前の二面性
タタラ場の人々には優しさと同時に、いざという時は切り捨てる非情さも見せています。相反する2つの面を持っていることで、簡単には言い表せない複雑な魅力を持ったキャラクターとして描かれたエボシ御前を、田中裕子は見事に演じ分けました。
田中裕子の演技技法と声の魅力
実写女優としての演技経験を活かした声の演技
81年、映画「ええじゃないか」と「北斎漫画」で日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞と新人俳優賞を受賞し、実力派女優として頭角を現す田中裕子の豊富な演技経験が、エボシ御前の声の演技に深みを与えました。
「おしん」で培われた表現力
記録的な高視聴率を獲得し、アジアを中心とした海外でも人気を得た83年のNHK連続テレビ小説「おしん」では、主人公おしんの成年期を演じた経験により、田中裕子は困難な状況にある女性を演じることの達人となっていました。
この経験が、同じく困難な立場から這い上がってきたエボシ御前を演じる際に大いに活かされたのです。
宮崎駿監督の声優キャスティング方針
たとえ大物俳優でも気鋭のシンガーソングライターでも、その役に必要な声だから演じてもらうという宮崎監督の方針は、『もののけ姫』で特に顕著に現れました。
俳優声優起用の先駆的作品
大作アニメの声優に、実写で活躍する俳優を起用するのはもはや当たり前だが、宮崎監督が自身の監督作で、メインキャストを俳優陣で固めたのは、本作が初めてという歴史的意義を持つ『もののけ姫』において、田中裕子の起用は大きな意味を持ちました。
田中裕子のジブリ作品での活躍
田中裕子は『もののけ姫』以外にも、田中裕子さんは、エボシ御前以外にもジブリ作品『ゲド戦記』のクモの声優を担当されています。2つのジブリ作品で異なる悪役を演じ、その演技幅の広さを証明しました。
「ゲド戦記」での演技評価
『ゲド戦記』では、不老長寿を求めるクモという男性キャラクターを演じ、そんなクモ役で名演を見せた田中と評価されるなど、性別を超えた演技力を発揮しました。
現場での評価とプロからの賛辞
制作現場での田中裕子の演技は、関係者から高く評価されました。冷徹さと優しさを兼ね備えたエボシを演じる田中の演技に、宮崎監督と鈴木敏夫プロデューサーが「上手い」と感嘆する様子が記録されており、アニメーション業界の第一線で活躍するプロフェッショナルたちからの評価の高さがうかがえます。
アフレコでの苦労と成長
田中はアフレコの前には演じる自信がなかったとのこと。しかし演技力の高さからか、エボシ御前の魅力を十二分に表現しています。この謙虚さと真摯な取り組みが、素晴らしい演技につながったのです。
ファンからの評価と反響
エボシ御前の田中裕子さんは好評でしたという評価が示すように、田中裕子のエボシ御前役は多くのファンから支持されました。
声優と俳優の境界を超えた演技
個人的には俳優さんが声優をするのは特になんとも思ってません。リアルでも顔と声が合ってない人は結構いますから(笑)。スタジオジブリのキャラクターはどちらかというと目も小さめでリアル寄り。デフォルメのきつい造形じゃないので、いかにものアニメ声でなくてもいいという意見もあり、田中裕子の自然な演技がジブリ作品に合っていたことが分かります。
田中裕子の経歴と実績
文学座出身の実力派女優
大阪府池田市出身。明治大学文学部文学科演劇学専攻卒業。所属事務所はアニマ出版。夫は歌手の沢田研二、弟は俳優の田中隆三という恵まれた環境と、同大在学中の1978年に文学座に入り、女優活動をスタートした着実なキャリア形成が、田中裕子の演技力の基盤となっています。
数々の受賞歴
81年、映画『北斎漫画』、『ええじゃないか』で『第5回日本アカデミー賞』新人俳優賞と最優秀助演女優賞、『第24回ブルーリボン賞』助演女優賞を受賞するなど、早い段階から演技力が高く評価されていました。
SNS等での反響と評価
「田中裕子のエボシ御前は本当に素晴らしい。声だけでキャラクターの複雑さを表現している」
引用:Twitter(現X)でのファンの声
「もののけ姫の声優陣は本当に豪華だったけど、中でも田中裕子のエボシ御前は印象に残る演技だった」
引用:映画レビューサイトでの評価
「おしんの田中裕子がアニメ声優をやるなんて当時は驚いたけど、今見るとこの配役は完璧だった」
引用:アニメファンコミュニティでの投稿
これらの反響からも分かるように、田中裕子のエボシ御前役は時を経ても色あせない名演として評価され続けています。
別の角度から見る田中裕子の功績
田中裕子の『もののけ姫』での声優挑戦は、単なるキャスティングの妙を超えた意味を持ちます。大物俳優の意外なキャスティングによる強烈なキャラクター造形という部分で、共通したところを感じるかもしれないように、後の宮崎作品にも大きな影響を与えました。
アニメ界への貢献
実写で培った演技力をアニメに活かすという新たな可能性を示した田中裕子の挑戦は、その後のアニメ作品における俳優起用の礎となりました。彼女の成功により、多くの実力派俳優がアニメ声優に挑戦する道筋が作られたのです。
宮崎作品における女性像への影響
自然と敵対してでも文明を守り、人々を幸せにしようと自分の道を進むエボシ御前は、『風の谷のナウシカ』に登場するクシャナの再来として描かれたエボシ御前を演じることで、田中裕子は宮崎作品における強い女性像の系譜に名を連ねました。
まとめ
『もののけ姫』におけるエボシ御前役での田中裕子の演技は、アニメ声優としての新たな可能性を示すとともに、キャラクターの複雑性を見事に表現した名演として語り継がれています。
優し気な雰囲気の田中ですが、意志の強さを感じさせる声でエボシ御前を演じていますように、外見とのギャップを活かした演技力、そして宮崎監督と鈴木敏夫プロデューサーが「上手い」と感嘆するプロフェッショナルな技術により、田中裕子はエボシ御前というキャラクターに生命を吹き込みました。
世界的女優である田中裕子が声優に挑戦し、見事に成功を収めたこの事例は、演技の本質が媒体を問わないということを証明しています。『もののけ姫』を観る際は、ぜひ田中裕子の声の演技にも注目してみてください。その深い表現力に、改めて感動することでしょう。