千と千尋の神隠し:千尋の本名は?千の名前についての考察

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千と千尋の神隠しでは、主人公の千尋が作中で「千」と呼ばれていますね。
なぜ千尋は千という名前になってしまったのか、ストーリーのおさらいをしてみましょう。

「ちひろ」から「せん」に名前が変わった理由

千尋の名前が千に変わったのは、湯婆婆から名前を奪われたことが原因です。
物語の序盤のことを思い出してみましょう。
千尋はハクたちが暮らす異世界へ迷い込んだとき、ハクに「湯婆婆に働かせてほしいと頼みこむように」と言われます。
異世界で暮らすためには、湯婆婆がいる油屋で働くしか方法が無かったからです。
千尋はハクの助言通り、湯婆婆へ会いに行きます。

湯婆婆は千尋を怒鳴ったり脅したりしますが、千尋はめげずに働かせてほしいと頼み、最終的に雇用契約を結ぶことになります。
このとき湯婆婆は契約書を差し出し、千尋にサインをするよう言いました。
千尋が自分の名前を書くと、湯婆婆は「贅沢な名だね」と言い、「千」という文字以外を手の平で潰してしまいます。
そして「今からお前は千だ」と言い、千尋から本当の名前を奪ったのです。

千尋はこのときから千として行動しており、本当の名前に関する記憶も少しずつ薄れていきます。
しかし、ハクが千尋に会いに来た時、本当の名前を思い出し、なんとか「千尋」が本名であることを忘れずに済むのでした。

よく見ると契約書の名前が本名と違う!千尋が意図的に変えた?それとも間違い?

千尋が契約書に名前を書くシーンをよく見ると、漢字を間違って書いてしまっていることがわかります。
千尋の本名は「荻野千尋」ですが、「荻」の火の部分を犬と書いてしまっているのです。

漢字を間違っていることについては、作中では言及されておらず、公式からコメントもありません。
ファンの間ではいくつかの説がありますが、最も可能性が高いのが「緊張して間違えてしまった」という説です。
千尋は異世界に迷い込んでからまだ間もなく、湯婆婆からも脅されていたため、精神的な負担はそれなりに大きかったことでしょう。
そんな中名前を書いてしまったため、自分の名前を間違ってしまったと言われています。

また、このときに名前を書き間違えていたため、湯婆婆による魔法の縛りが弱かったのではないかと言われています。
湯婆婆は名前を奪った人間を自分の下僕のように扱い、意のままに操ろうとします。
しかし千尋は名前を書き間違えていたため、湯婆婆による魔法の影響が少なくなり、比較的自由に行動できたのではという説もあるのです。

名前を変えられると千尋にどんな変化が起きた?

名前を奪われた千尋は、自分の本名をすっかり忘れてしまいます。
他の油屋の従業員のように生活しますが、すぐにハクが助けに来てくれるので、本名を忘れずに済むのです。
そのため、千尋に起こった変化は非常に少なく、湯婆婆による魔法の影響はほとんどありませんでした。

しかし、名前を奪われたままのハクは、自分の本名はもちろん、過去のことまで忘れてしまっていました。
千尋には「自分も同じように名前と過去を奪われたものの、思い出せずにいること」「本当の名前は心にしまっておき、普段は千としているように」と助言します。
自分の過去の経験があるからこそ、千尋には同じようになってほしくないという思いがあったのでしょう。

名前はその人の個性やアイデンティティーのようなものです。
または、生まれて初めて親からもらうプレゼントと言われることもあります。
このように考えてみると、名前を奪われるということは、その人自身の一部を奪い、ときには内面までもを変えてしまうことなのかもしれません。
作中ラストでも、ハクの本当の名前に関する名シーンがありますが、名前は千と千尋の神隠しにとって外せないテーマなのかもしれません。

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