火垂るの墓の上映:結論
映画「火垂るの墓」の劇場上映について、まず結論からお伝えします。火垂るの墓は1988年4月16日に初回公開されて以来、様々な特別上映や記念上映、リバイバル上映が継続的に行われています。


特に戦後80年にあたる2025年には、終戦記念日の8月15日前後で全国の映画館で特別上映が実施されており、ファンにとって貴重な劇場鑑賞の機会となっています。
火垂るの墓の初回公開と歴史的背景
火垂るの墓は1988年4月16日に劇場公開され、同じくスタジオジブリ作品「となりのトトロ」との同時上映として話題になりました。
項目 | 詳細 |
---|---|
初回公開日 | 1988年4月16日 |
上映形態 | となりのトトロとの同時上映 |
配給会社 | 東宝 |
上映時間 | 約88分 |
配給収入 | 5.9億円(両作品合計) |
当初は60分程度の中編映画として企画されていた「となりのトトロ」は単独での全国公開が難しく、同時上映作品として「火垂るの墓」の企画が決定されました。
制作時の特殊事情
公開時には制作が間に合わず、清太が野菜泥棒をして捕まる場面などが色の付かない白味・線撮りの状態で上映される「未完成版」での公開となりました。これは映画史上でも珍しい出来事として記録されています。
現在進行中の特別上映情報
2025年の戦後80年特別上映
戦後80年の節目を迎える2025年は、全国各地で火垂るの墓の特別上映が実施されています。
- 出町座での「終戦80年映画上映企画」:2025年8月8日〜8月21日まで2週間限定上映
- パルシネマしんこうえんでの期間限定上映:7月23日〜8月2日(神戸・西宮での特別企画)
- 昭和100年映画祭:2025年3月28日〜5月8日、丸の内TOEIで42本の昭和名作とともに上映
過去の特別上映実績
2024年10月には、シネマサンシャインららぽーと沼津の開業5周年記念として、高畑勲監督作品の特別上映が実施されました。
火垂るの墓上映の現状と課題
テレビ放送との関係
火垂るの墓は金曜ロードショーで13回も放送されてきましたが、最後の放送は2018年4月で、その後7年間地上波から姿を消していました。しかし、2025年8月15日の終戦の日に7年ぶりの地上波放送が決定しています。
劇場上映の意義
「火垂るの墓」は近年なかなか観ることができなくなった名作で、劇場のスクリーンでご覧いただけることは非常に貴重な上映機会とされています。
劇場上映の特別な価値:
- 大スクリーンでの迫力ある映像体験
- 音響設備による臨場感のある音楽体験
- 他の観客との共有体験による感動の増幅
- テレビ放送ではカットされるシーンの完全版鑑賞
実写版火垂るの墓の上映歴史
アニメ版だけでなく、2008年7月5日には実写版「火垂るの墓」も劇場公開されました。実写版では松田聖子が母親役、松坂慶子が西宮のおばさん役を演じる謎のキャスティングで話題になりました。
火垂るの墓上映に関するSNS・WEB投稿
“火垂るの墓、小6の時学校で見て、見る前は授業ないからウキウキしてたけど、お母さんが包帯巻かれてるシーンあたりからもう怖くて見れなくてそっから1ヶ月くらい夜のお風呂とか寝るの怖くてなんなら今でもトラウマで多分一生見れない”
この投稿は多くの人が火垂るの墓に対して抱く複雑な感情を表現しています。作品の強烈な印象が、劇場での上映体験をより特別なものにしていることがわかります。
“火垂るの墓で清太が包帯グルグルでウジが涌いてるお母さんと対面するシーンって地上波で流れるときカットされてると思うんだけど、あそこはカットするべきじゃないと思ってる。アニメとはいえショッキングな映像だけど、戦争の惨さを伝える上で大事なシーンだと思う”
この意見は劇場上映の重要性を示しています。テレビ放送では規制によりカットされるシーンも、劇場では完全版として鑑賞できるのです。
“『となりのトトロ』を観ていると『火垂るの墓』を想い出す。その逆も然りなのだが、それは2作品が僕のなかではひとつのセットになっているからだ”
初回公開時の同時上映体験が、多くの観客の記憶に深く刻まれていることを表す貴重な証言です。
上映情報の探し方と注意点
上映情報の確認方法
火垂るの墓の上映情報を確実に入手するためには、以下の方法が効果的です:
- 映画館の公式サイト:各映画館の上映スケジュールページを定期的にチェック
- 映画情報サイト:映画.comやMOVIE WALKER PRESSなどで検索
- スタジオジブリ公式:公式発表を随時確認
- 地方映画館:ミニシアターや独立系映画館での特別上映をチェック
チケット購入時の注意事項
特別上映の場合、映画鑑賞のご予約は各日1週間前から受付開始となる場合が多く、券売は当日映画館受付での販売が一般的です。人気作品のため、早めの予約をおすすめします。
別の視点から見る上映の意義
高畑勲監督の反戦観
高畑監督は著書で「火垂るの墓」について、戦争の悲惨さを描くだけでは真の反戦にはならないと述べ、「戦争をしないで済むように国際協力を発展させ、国際間の問題を平和的に解決するための知恵と努力を持続すること、それこそが真の『反戦』だと思います」と書き残しています。
この監督の思想を理解することで、劇場での鑑賞体験はより深いものになります。
現代への問いかけ
戦争から80年が経った今年、私たちはもう一度この物語に向き合う準備ができたのかもしれません。劇場での上映は、この作品が現代にも通じる普遍的なメッセージを持っていることを再認識させてくれます。
まとめ
火垂るの墓の上映について詳しく解説してきましたが、この作品は単なるエンターテインメントを超えた深い意味を持つ映画です。
1988年の初回公開から37年が経過した現在も、戦後80年の節目に合わせて全国各地で特別上映が行われています。
劇場での鑑賞は、テレビ放送では味わえない特別な体験を提供してくれます。大スクリーンで観る清太と節子の物語は、私たちに戦争の悲惨さだけでなく、平和の尊さ、家族の愛、そして生きることの意味を深く考えさせてくれるでしょう。
火垂るの墓の上映情報を探している方は、各映画館の公式サイトやイベント情報を定期的にチェックし、貴重な上映機会を見逃さないようにしてください。この名作を劇場で体験することは、きっとあなたの心に深い印象を残すはずです。
「この作品を『見ない』のではなく、『つらくても見る』という選択肢が、平和の第一歩かもしれません」という言葉の通り、私たちは継続してこの作品と向き合っていく必要があります。劇場上映は、そのための貴重な機会なのです。

