千と千尋の神隠しは、今もなお、数多くのファンを持つ不朽の名作とも呼べるジブリ作品です。人間ではない異世界の話ということもあり、登場するキャラクター達は、どこか不思議、奇妙であったり、どことなく不気味であったり、親しみやすかったりと個性豊かです。
千と千尋の神隠しの数多くのキャラクターの中でも、印象深いシーンに登場する、カエルの名前や、性格について考察していきましょう。
カエルの名前は?どんな性格?
千と千尋の神隠しでは油屋の従業員として、カエルのキャラクターが複数登場しています。彼らは顔つきや服装によって区別されているようです。中には名前が付けられているカエルもいます。千と千尋の神隠しファンの間で「カエル」と呼ばれているのは、そのうちの1人のことを指しています。
「カエル」は外見は緑色をした、いわゆる一般的なカエルに見えるキャラクターです。薄い青色のハッピのような、簡易的な和服を着ていることが特徴です。2本足で立って歩き、言葉をしゃべり、カエルのように跳躍ができます。
カエルに名前はあるの?
作中では特に名指しで呼ばれているシーンはありませんが、クレジットでは「青蛙」となっていますので、青蛙というのが本当の名前のようです。性別や年齢などは公表されていません。声を当てている声優さんが男性ということもあって、男性であろうと想像されています。
監督が作り上げたキャラ!
通常のキャラクターは、作画担当のスタッフが描きますが、青蛙はスタッフではなく、宮崎駿監督が自ら原画を描いたキャラクターであることでも知られています。
青蛙は、登場シーンやセリフ自体はそれほど多くないのですが、物語の要所要所で登場する、いわばキーポイントとなるキャラクターの1人と言えるでしょう。
青蛙の仕事や物語での役割は?
青蛙は作中ではどんな仕事をしているのでしょうか?
油屋の従業員
青蛙は、温泉旅館である油屋の従業員です。物語の冒頭シーンでは、外から帰ってきたハクに飛びついて喜んでおり、ハクのことを特に慕っていることが分かります。
この時、千尋はハクと一緒にいて、人間であることを気づかせないように息を止めていました。しかし千尋は、蛙が飛びついてきたことに驚いて息を吐き、声をあげてしまいます。そのため青蛙は、人間が紛れ込んでいることに気がつくのです。
青蛙の性格は?有名なカエルのシーンは?
青蛙はお金に目がない、強欲な性格であることも作中から分かります。千尋が最初に担当した神様、オクサレ様は砂金をばらきます。砂金は湯婆婆に取られてしまいます。
青蛙はその後、夜が更けて砂金が残っていないか、こっそりと探しています。お金に執着がある青蛙の性格をよく表しているといえます。
また、この性格のため、青蛙はカオナシが差し出した砂金のようなものにつられ、真っ先に飲み込まれてしまいます。そして、飲み込んだカオナシに顔と声を利用されてしまうことになります。
青蛙の独特の声で「千はどこだ!千を出せ!」と油屋の中をさ迷い歩くカオナシのシーンは、とても知られていますね。
カエルには家族がいる?
湯屋で働く従業員の多くは、カエルやナメクジがモチーフになっているキャラクターとなっています。
複数いるカエル顔の従業員とは?
作中ではカエルの従業員は、青蛙の他には父役、兄役、番台蛙がクレジットされています。青蛙は、見た目はカエルそのものなのですが、父役と兄役は、顔立ちはカエルに似た感じではありますが、平安時代の水干と呼ばれる装束を着て、烏帽子をかぶり、足袋を履いています。
父と兄がいる?
彼らは「父役」「兄役」という名前ですが、家族ではなくいわば役職名です。青蛙は「父役どの」「兄役どの」と敬称を付けて呼んでいることから、そのこともわかります。
父役と兄役は、下働きをしている蛙たちの従業員を管理し、油屋の主人である湯婆婆との間をつなぐ、管理職のような仕事をしていると考えられます。
カエルは何者?正体を考察!
油屋の男性従業員はカエルの化身、女性従業員はナメクジの化身といった位置づけで描かれています。
カエルが従業員の意味
宮崎駿監督がインタビューなどで、自分たちはカエルやナメクジみたいなものだ、湯屋のカエル男たちは背広を着ているオジサンたちにそっくり、といった内容を語っていたことから、カエルを使っている理由が分かります。
蛙人の正体は?
ファンの間では、ハクが実は川の神様であったように、青蛙も実はカエルの神様なのではないか、と憶測されることもあります。しかし映画では青蛙の正体は設定されていないため、想像に過ぎず、はっきりしたことは分かっていないのです。