千と千尋の神隠し:カエル(カオナシ)の「千を出せ」なぜ千を求めた?

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千と千尋の神隠しには、さまざまな名シーンが存在しますが、その中でも印象的なのがカエル(カオナシ)が「千を出せ」というシーンではないでしょうか。
カオナシが千を求める執着を感じますが、ここまでカオナシが千にこだわっていたのはなぜなのでしょうか。
今回はそんなカオナシの心情について、詳しく紹介していきます。

カエルカオナシが「千はどこだ!千をだせ!」と求めた理由を考察!

カオナシは作中で「千はどこだ!千を出せ!」と叫んでいましたね。
カオナシは物語終盤で、油屋の従業員であるカエルを飲み込んでしまいます。
これをきっかけにカオナシは言葉を話せるようになりますが、大人しかった登場時とは全く異なる外見と振る舞いをしていました。
油屋では些細なことで起こってカエル男を飲み込んだり、自分の思うようにいかないと暴れまわったりしていました。

そして極めつけは、「千を出せ!」と千尋を求めるセリフです。
なぜカオナシは、ここまで千尋に執着していたのでしょうか。
これはカオナシの正体から、ある程度予測できます。
宮崎駿監督は、「宮崎駿アニメはすごい!」というタイトルの本で、カオナシの正体について触れています。
その本によると、カオナシは「サビシイ心の権化」という設定だそうです。
また、宮崎駿監督が言うには、カオナシは誰の心の中にもいる存在とのことでした。

カオナシは物語での初登場時、千尋に優しく声をかけられています。
雨が降っている中で傘をささずに立っていたカオナシに、千尋は「そこ濡れませんか?」と言っていたのです。
そして「ここ開けときますね」と、扉をわざと閉めずに去っていき、いつでもカオナシが雨宿りできるように気遣っていました。
寂しい心を持ったカオナシは、そんな千尋の優しさに触れて、嬉しかったのではないでしょうか。
そして、千尋の優しさに触れたことがきっかけとなり、千尋を気に入るあまり「千を出せ」と求めるようになったのでしょう。
このように考えてみると、カオナシが千尋へ異常なまでに執着する理由も納得ができます。

カエルはどうやってカオナシから解放された?

カエルがカオナシから解放されたのは、千尋が持っていた苦団子がきっかけです。
苦団子は元々、川の神様であるオクサレ様が、千尋にくれたものでした。
千尋はそれ以降苦団子を持ち歩いていたため、カオナシに向かって苦団子を投げつけます。
するとカオナシは苦団子の味に苦しみだし、カエルを吐き出したのです。

荷が団子を食べさせられたカオナシは怒り狂っていましたが、このおかげですっかり弱体化していき、元の大人しいカオナシへと戻っていきましたね。
動きも最初のようにゆっくりになっていき、飲みこんだ従業員たちを全員吐き出したことで、会話もできない状態になりました。

苦団子は実在するの?

苦団子について調べてみても、一切情報が出てこないため、実在しないオリジナルの食べ物と考えられています。
また、モデルとなる食べ物も存在しないため、千と千尋の神隠しだけに登場するお団子と考えてよいでしょう。
苦団子はその名の通り、とても苦い味がするようで、千尋は一口かじって苦しんでいました。
また、千尋はカオナシだけではなくハクにも苦団子を食べさせています。
ハクもその味に苦しんでいましたが、そのおかげで湯婆婆がハクに仕込んでいた虫を吐き出すことができました。
食べ物としては美味しい物ではありませんが、ハクやカオナシの様子を見てみると、悪いものを吐き出させる効果はあるのかもしれません。

苦団子のおかげでハクは湯婆婆による支配から解放され、カオナシも登場時の姿へと戻り、カエルたちもなんとか一命をとりとめました。
千と千尋の神隠しにおいては、美味しい食べ物ではないものの、ある意味万能薬のようなお団子なのかもしれません。

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