千と千尋の神隠しには、魅力的な人物がたくさん登場しています。ハクもその一人です。
若くて凛とした姿と考え方、行動に惹かれた方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、ハクについては謎が多く、最後まではっきりとした正体は明かされていません。
ハクの正体と、油屋に来た理由について考えてみました。
宮崎作品のなかでも屈指の美少年と話題に!
数多くの宮崎作品があり、男性の登場人物もたくさんいます。その中でも圧倒的な存在感があるのが、千と千尋の神隠しに登場するハクだと言って良いでしょう。
年齢は12歳くらいとされているのですが、言葉遣いや話す内容、判断力と行動力のどれを見てももっとオトナに見えます。そのため、この年齢に驚く方も多いようです。
ヘアスタイル
ハクは、いわゆるおかっぱ頭のサラサラヘア。これは、「禿(カムロ、又はカブロ)」と呼ばれているヘアスタイルに似ています。現代では、このようなヘアスタイルをしている男性は、年齢問わずあまり見ることがありません。そのため、特徴的に感じられるのですが、服装にもマッチしていて独特の神秘性を感じさせます。
ちなみに、現代も女性から好まれるヘアスタイルですが、顔が小さめで首が長い方に似合う傾向があるようです。ハクも顔が小さくて、首が長めだったのかもしれませんね。
服装
服装も特徴的です。全体の雰囲気から、「狩衣(かりぎぬ)」の可能性があります。狩衣は平安時代に登場しており、現在では神職が着用しているので目にすることもあるかもしれません。
ハクが着ているものと完全に同じではありませんが、よく似ています。
その正体は魔法使い見習い
千と千尋の神隠しでは、ハクが不思議な力を使っているシーンが度々登場します。痛々しいシーンも出てきます。ここからも想像できるように、ハクは魔法使いになるべく修行中の身です。厳しい修行を続けながら体もボロボロになってしまいます。それでも、必死に練習に励んでいます。
魔法が使えるようになった後も、名前を奪われているため、師匠である湯婆婆の言いつけから逃れることができません。良くないことや危険なことも、言いつけ通りおこないます。
かっこいい龍の姿は「ニギハヤミコハクヌシ」という名前
ハクの本当の名前は、「ニギハヤミコハクヌシ」です。主人公の千尋が、幼い頃住んでいた場所に流れていたコハク川の主だったのが、ニギヤハミコハクヌシです。しかも、千尋がおぼれそうになった時、ハクに助けられた過去があります。
千尋もハクも、名前を奪われてしまうという同じ状況にいました。名前にはその人の使命が隠されているとも言われています。本当の名前を取られてしまえば、自分を見失ってしまいます。自分を見失ってしまえば、本来持っているパワーを出すことができず、ずっと誰かにすがったり言いなりになってしまったりすることでしょう。
自分の名前に恥じぬよう、自分と自分の名前に誇りをもって生きよと伝えていたのかもしれません。
ハクが油屋に来た理由とは?
魔法の勉強をするために、湯婆婆に弟子入りしたハク。湯婆婆は色々と問題があるように見えるため、どうしてここを選んだのか気になりますが、強い意思があったことは間違いないでしょう。しかしながら、最後までその理由は明かされませんでした。
もともと川の神様だったハクは、その場所に大きな建物が建設されたことで無力を憂いたとも考えられます。再び力を取り戻して、川を守りたかったのでしょう。あるいは、これ以上環境が破壊されないように、自然そのものが守れるような魔法を手にしたかったのかもしれません。
いずれにしても、住みかだった川を失ったハクはかなり焦っていたのでしょう。焦り過ぎて、師匠選びを間違えてしまったのかもしれません。または、性格に問題がある湯婆婆ですが、その能力を高く評価して会えて危険の中に飛びこんだのかもしれませんね。