食材別カロリー

砂肝のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素を管理栄養士が徹底分析

砂肝のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素を管理栄養士が徹底分析 食材別カロリー
砂肝のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素を管理栄養士が徹底分析

焼き鳥でお馴染みの砂肝は、コリコリとした独特の食感で人気の部位です。居酒屋のメニューやお酒のおつまみとして親しまれていますが、実は鶏肉の中でも特に低カロリーで栄養価が高い優秀な食材なのをご存知でしょうか。

今回は、砂肝のカロリーと糖質を詳しく分析し、含まれている栄養素やダイエット効果、さらには健康への影響まで管理栄養士の視点から徹底的に解説していきます。

砂肝のカロリーは本当に低い?他の鶏肉との比較

まず気になる砂肝のカロリーについて、詳しく見ていきましょう。砂肝100gあたりのカロリーは86kcalで、焼き鳥1本分(40g)では34kcalとなっています。

食材 100gあたりのカロリー
砂肝 86kcal
鶏もも肉(皮付き) 190kcal
鶏むね肉(皮付き) 133kcal
鶏ささみ 98kcal
鶏レバー 111kcal

この比較を見ると、砂肝は鶏肉の中でも特に低カロリーであることが分かります。ダイエット向きの食材として有名な鶏ささみよりも、砂肝の方がカロリーが低いのは驚きですね。

砂肝は焼き鳥メニューの中でも比較的カロリーが低く、鶏ハツと比較すると砂肝のカロリーは1/2以下となっています。これは砂肝が脂質が100g当たり1.8gと少ないためです。

砂肝の糖質量とダイエット効果

次に、糖質制限ダイエットをしている方が気になる糖質量について見てみましょう。

糖質量は驚きの0g

砂肝の糖質は0gで、糖質を全く含まない食材です。これは糖質制限ダイエットを行っている方にとって非常に嬉しいポイントですね。

栄養素 100gあたりの含有量
カロリー 86kcal
糖質 0g
炭水化物 0g
脂質 1.8g

ダイエットにおすすめの理由

砂肝がダイエットに適している理由は以下の通りです:

  • 低カロリー・低脂質:鶏もも肉100g当たりのカロリーは190kcal、鶏むね肉では133kcalであることからも、砂肝のカロリーの低さがわかります
  • 糖質ゼロ:砂肝に含まれる糖質はほぼ0gです。糖質の摂取量を抑えたい方でも安心して食べられます
  • 高たんぱく質:後述しますが、筋肉の維持に重要なたんぱく質が豊富
  • 噛み応えがある:噛み応えがあり、自然と咀嚼も増え満腹感が増し食べ過ぎ防止にもなります

調理法による注意点

ただし、調理方法によってはダイエット効果が損なわれる可能性があります:

  • 焼き鳥のタレ:焼き鳥の甘辛いタレには糖質が含まれるため、焼き鳥で砂肝を食べるときは塩の味付けで食べるようにしましょう
  • 唐揚げ:唐揚げも砂肝のおいしい食べ方のひとつですが、衣を付けて油で揚げており、脂質の摂取量が多くなってしまいます

砂肝の三大栄養素分析

砂肝の栄養バランスを三大栄養素(PFC)で詳しく分析してみましょう。

たんぱく質:筋肉作りの強い味方

砂肝100gあたりのたんぱく質は18.3gで、これは同量の鶏もも肉に含まれるたんぱく質量(19.0g)と同程度です。

砂肝は砂嚢(さのう)とも呼ばれ、鳥類特有の胃のことを示します。歯のない鳥類が食べ物をすりつぶすために使っている部位のため、内臓のわりに筋肉の多さが特徴で、そのため高たんぱく質なのです。

三大栄養素 100gあたりの含有量 カロリー換算 割合
たんぱく質 18.3g 73.2kcal 85.1%
脂質 1.8g 16.2kcal 14.9%
炭水化物 0g 0kcal 0%

砂肝のPFCバランスはたんぱく質中心となっており、脂質と炭水化物はほぼ含まれていません。これは理想的な体づくりのための栄養バランスと言えるでしょう。

脂質:極めて少ない優秀な数値

砂肝の脂質量は鶏むね肉の3分の1程度とされており、100gあたりの砂肝の脂質量は約1.8gとなっています。この低脂質がカロリーの低さに大きく貢献しています。

炭水化物:完全にゼロ

砂肝は炭水化物を一切含まない食材です。これは糖質制限やケトジェニックダイエットを実践している方にとって非常に優秀な特徴です。

砂肝に含まれる詳細な栄養素と健康効果

砂肝は三大栄養素だけでなく、ビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。

ビタミン類の詳細分析

ビタミンB12:貧血予防の強い味方

砂肝100gあたりのビタミンB12は1.7μg含まれています。ビタミンB12はたんぱく質の生合成やアミノ酸の代謝に関わっています。さらに赤血球の生成にも重要な役割を持ち、貧血予防に欠かせない栄養素です。

ビタミンB12は植物性の食品よりも魚介類、藻類、肉類、卵類、乳類に多く含まれますので、砂肝は効率よくビタミンB12を摂取できる食材と言えます。

ビタミンK:血液と骨の健康維持

砂肝100gあたりのビタミンKは28μg含まれており、その含有量は鶏レバーの約2倍です。

砂肝に含まれるビタミンKは、血液凝固や骨代謝などに関わっています。ビタミンKには動脈の灰化を抑制する作用もあり、多方面で活躍する栄養素です。

ビタミン 100gあたりの含有量 主な効果
ビタミンB12 1.7μg 赤血球生成、貧血予防
ビタミンK 28μg 血液凝固、骨代謝
葉酸 36μg 造血作用、細胞分裂

葉酸:妊婦さんにも重要

砂肝には葉酸が豊富に含まれています。可食部100gあたりの砂肝に含まれる葉酸量は、約36μgです。

葉酸は細胞の分裂・成熟に影響します。そのため、胎児の発育や新生児の神経管の発達にも重要です。妊婦の方が葉酸を摂取すると、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らせます。

ミネラル類の豊富な含有量

鉄分:女性に嬉しい貧血対策

砂肝100gあたりの鉄分含有量は2.5mgで、調理法によっては、砂肝の鉄分含有量は鶏もも肉の4倍以上になります。

鉄分は、血液中の赤血球や、筋肉に存在しているミネラルです。赤血球ではヘモグロビンの構成成分として、体中へ酸素を運ぶ役割を担っています。

砂肝串を2本食べれば1日に必要な鉄分の1/3~1/4位は摂取できる計算になり、レバーが苦手な方でも効率よく鉄分を補給できます。

亜鉛:免疫力と美容の維持

砂肝100gには約2.8mgの亜鉛が含まれています。亜鉛はDNAの合成に携わっており、新しい細胞が作られる器官では必須のミネラルです。また味覚を感じる味蕾(みらい)細胞にも関与しているため、不足すると味を感じにくくなります。

亜鉛は数百におよぶ酵素タンパク質の構成要素であることが挙げられます。アミノ酸からタンパク質を再合成したり、DNAを合成する際にも必要な栄養素です。

ミネラル 100gあたりの含有量 主な効果
鉄分 2.5mg 酸素運搬、貧血予防
亜鉛 2.8mg 免疫機能、味覚維持
マグネシウム 19mg 骨形成、酵素活性

栄養素の相乗効果

鉄や亜鉛はビタミンCと一緒に摂取することで、その吸収量が大幅にアップします。そのため、砂肝を食べる際は:

  • レモンを絞る
  • キャベツなどのビタミンC豊富な野菜と一緒に食べる
  • ピーマンやパプリカと炒める

これらの食べ方がおすすめです。

砂肝のカロリーや栄養についてのよくある質問Q&A

Q1:砂肝は体に悪いって本当?

A:砂肝自体は非常に栄養価が高く、体に良い食材です。ただし、注意すべき点もあります:

  • コレステロール含有量が高い:砂肝100g当たりのコレステロール含有量は200mgです
  • プリン体を含む:砂肝100gに含まれるプリン体の量は、約140mgとやや多めです

「本人の食事摂取基準(2020年版)」では、コレステロールの摂取量を200mg/日未満にとどめることが望ましいとされていますので、食べ過ぎには注意が必要です。

Q2:砂肝はダイエット中に食べても大丈夫?

A:はい、砂肝はダイエット中に最適な食材の一つです:

  • 低カロリー(86kcal/100g)
  • 糖質ゼロ
  • 低脂質(1.8g/100g)
  • 高たんぱく質(18.3g/100g)
  • 満腹感を得やすい食感

ダイエット中の頼れる食材と言えば鶏むね肉やささみですが、そんな2つのお肉よりも低カロリーな砂肝は、まさにダイエットの王様と言えるでしょう。

Q3:砂肝の適量はどのくらい?

A:砂肝を食べる際は、焼き鳥2本分を目安にするとよいでしょう。これは約80g程度で、コレステロール摂取量を考慮した適切な量です。

砂肝は、100g程度で女性に必要な1食分のタンパク質が摂取できます。そのため、1食につき100gを目安に食べましょう。

Q4:妊娠中に砂肝を食べても大丈夫?

A:葉酸は胎児が正常に発育するための栄養素でもあるので、妊娠中の女性にもおすすめの食材です。ただし、以下の点に注意してください:

  • 新鮮なものを選ぶ
  • しっかりと加熱調理する
  • 適量(焼き鳥2本程度)を守る
  • 医師に相談の上で摂取する

Q5:砂肝と砂ずりに違いはある?

A:「砂肝」「砂ずり」の違いは、地方による読み方の違いです。「砂ずり」は主に九州や関西地方などの西日本で使われており、東日本では「砂肝」と呼ばれています。栄養価に違いはありません。

Q6:砂肝に含まれるコラーゲンの効果は?

A:砂肝は、コラーゲンが豊富な食材です。コラーゲンは、肌のハリや弾力を保つのに重要なたんぱく質です。また、関節の軟骨や骨の形成にも関与します。ただし、食べたコラーゲンがそのまま肌のコラーゲンになるわけではなく、アミノ酸に分解されてから体内で再合成されます。

砂肝のカロリー消費に必要な運動時間

最後に、砂肝を食べた際のカロリーを消費するために必要な運動時間を見てみましょう。

焼き鳥砂肝1本(34kcal)を消費する運動時間

体重60kgの人が焼き鳥砂肝1本分のカロリー(34kcal)を消費するのに必要な運動時間は以下の通りです:

運動の種類 METs 必要時間
ウォーキング(普通のペース) 3.5 約9分
ウォーキング(早歩き) 5.0 約6分
ジョギング 7.0 約4分
ランニング(時速8km) 8.0 約3分
縄跳び 12.0 約2分
水泳(クロール) 10.0 約3分

砂肝100g(86kcal)を消費する運動時間

同じく体重60kgの人が砂肝100g分のカロリー(86kcal)を消費するのに必要な運動時間は:

運動の種類 必要時間 距離(目安)
ウォーキング(普通のペース) 約23分 約1.5km
ウォーキング(早歩き) 約16分 約1.6km
ジョギング 約11分 約1.3km
ランニング(時速8km) 約10分 約1.3km
サイクリング 約13分 約2.6km
階段上り 約5分

日常生活での消費カロリー比較

砂肝100gのカロリー(86kcal)は、以下の日常活動でも消費できます:

  • 掃除機をかける:約25分(3.5METs)
  • 料理・調理:約30分(3.0METs)
  • 子供と遊ぶ:約17分(5.0METs)
  • 買い物:約34分(2.5METs)
  • ストレッチ:約34分(2.5METs)

このように、砂肝は比較的短時間の軽い運動で消費できるカロリー量なので、ダイエット中でも安心して食べることができる食材と言えるでしょう。

まとめ:砂肝は低カロリー・高栄養の優秀食材

砂肝について詳しく分析した結果、以下のことが分かりました:

カロリー・糖質面での優秀さ

  • 超低カロリー:100g86kcalと鶏肉の中でも最低レベル
  • 糖質ゼロ:糖質制限ダイエットに最適
  • 低脂質:脂質1.8gと非常に少ない
  • 高たんぱく質:18.3gと鶏もも肉並み

栄養素の豊富さ

  • 鉄分:2.5mgで貧血予防に効果的
  • 亜鉛:2.8mgで免疫力向上や美容に貢献
  • ビタミンB12:1.7μgで造血作用をサポート
  • ビタミンK:28μgで血液凝固や骨の健康を維持
  • 葉酸:36μgで細胞分裂や妊娠中の健康をサポート

食べ方のポイント

  • 適量を守る:焼き鳥2本程度(約80g)が目安
  • 調理法に注意:タレより塩、唐揚げより焼きや炒め物がおすすめ
  • ビタミンCと組み合わせる:鉄分や亜鉛の吸収率アップのため
  • コレステロール値に注意:毎日大量摂取は避ける

砂肝は、「低カロリー・低糖質・高たんぱく質・高栄養価」という理想的な栄養バランスを持つ優秀な食材です。ダイエット中の方はもちろん、筋トレをしている方、貧血が気になる方、健康維持を意識している方にもおすすめできる食材と言えるでしょう。

ただし、どんなに優秀な食材でも食べ過ぎは禁物です。適量を守りながら、バランスの良い食事の一部として砂肝を取り入れることで、健康的な体づくりに役立ててください。

焼き鳥屋さんで「砂肝塩で!」と注文するときも、今回の知識があれば、より美味しく、そして健康的に楽しめることでしょう。コリコリとした独特の食感とともに、豊富な栄養素も一緒に味わってくださいね。

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