玉ねぎのカロリーは高い?低い?基本の栄養成分を解説
料理に欠かせない野菜として日本の食卓で親しまれている玉ねぎ。カレーやシチュー、炒め物、サラダなど幅広い料理に活用されるこの身近な野菜のカロリーや栄養成分について、詳しく分析していきます。
まず最初に気になるのが、玉ねぎのカロリーがどの程度なのかという点です。玉ねぎ1個200gの可食部「188g」のカロリーは62kcalです。玉ねぎ100gあたりのカロリーは33kcalです。
玉ねぎの基本栄養成分(100gあたり)
栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 33kcal |
炭水化物 | 8.4g |
糖質 | 6.9g |
食物繊維 | 1.5g |
たんぱく質 | 1.0g |
脂質 | 0.1g |
水分 | 89.7g |
玉ねぎは野菜の中ではやや高めのカロリーを持つ食材ですが、玉ねぎは水分を多く含み、カロリーの低い野菜です。絶対的に見れば低カロリー食品と言えます。
玉ねぎのサイズ別カロリー・糖質
サイズ | 重量(可食部) | カロリー | 糖質 |
---|---|---|---|
Sサイズ | 約141g | 約47kcal | 約9.7g |
Mサイズ | 約188g | 約62kcal | 約13.0g |
Lサイズ | 約235g | 約78kcal | 約16.2g |
玉ねぎのダイエット効果とおすすめ度は?
玉ねぎのダイエット効果について詳しく見ていきましょう。ダイエット中の方にとって、玉ねぎは積極的に摂取したい野菜と言えます。
ダイエットおすすめ度:★★★★☆(4/5点)
ダイエット中の方などでカロリーが気になる方でも、玉ねぎは気にせず食べて構いません。カロリーが高めといっても、100gあたり33kcalであり、1玉食べても62kcalほどです。
玉ねぎがダイエットに良い理由
- 低カロリーで満足感が高い:水分量が多く、噛み応えがあるため満腹感を得やすい
- 血液サラサラ効果:アリシンという成分に変化します。このアリシンは血行促進作用があり、血液をサラサラにする効果が期待される成分。
- むくみ解消効果:余分な塩分を排出する作用があるカリウムには、むくみを解消したり血圧を下げたりする効果が見込めます。
- 代謝促進効果:硫化アリルが疲労回復と代謝アップをサポート
ダイエット中の効果的な食べ方
玉ねぎを炒めて食べるときは、カロリーに注意しましょう。油で炒める分、カロリーが高くなりがちです。加熱して食べる場合は、油で炒めるよりも茹でる・蒸すなど油を使わない調理法で調理したほうが、摂取カロリーを抑えられますよ。
- 生のまま水にさらして:辛味を抑えつつ栄養素を保持
- 茹でる・蒸すなど油を使わない調理法:カロリーを抑えながら甘味を引き出す
- スープにして汁ごと摂取:溶け出した栄養素も余すことなく摂取
玉ねぎの三大栄養素を詳細分析
玉ねぎの三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)について詳しく見ていきましょう。
炭水化物(糖質・食物繊維)
成分 | 100gあたり含有量 | 1個(188g)あたり含有量 |
---|---|---|
炭水化物 | 8.4g | 15.8g |
糖質 | 6.9g | 13.0g |
食物繊維 | 1.5g | 2.8g |
生の玉ねぎ100gの糖質量は6.9gで、同じ根菜であるにんじんの糖質量6.5g、じゃがいもの糖質量6.1gと比較するとやや多くなっています。
玉ねぎの糖質は野菜の中では多めですが、これが玉ねぎの甘味の源でもあります。玉ねぎの甘さに糖質はあまり関係ありません。実は辛みのもとである「アリシン」という成分が、玉ねぎの甘さのもとになっています。
たんぱく質
玉ねぎ100gあたりのたんぱく質含有量は1.0gです。野菜としては一般的な含有量で、主要なたんぱく質源ではありませんが、他の食材と組み合わせることで栄養バランスを整えます。
脂質
玉ねぎ100gあたりの脂質含有量は0.1gと非常に低く、ほぼ脂質を含まない食材です。これがダイエット食材として優秀な理由の一つでもあります。
玉ねぎの詳細な栄養素とその効果
玉ねぎには三大栄養素以外にも、健康に有益な様々な栄養素が含まれています。
ビタミン含有量
ビタミン | 100gあたり含有量 | 主な効果 |
---|---|---|
ビタミンC | 7mg | 抗酸化作用、コラーゲン生成 |
ビタミンB6 | 0.14mg | たんぱく質代謝、神経機能維持 |
葉酸 | 14μg | DNA合成、貧血予防 |
ビタミンB1 | 0.03mg | 糖質代謝、疲労回復 |
ビタミンE | 0.1mg | 抗酸化作用 |
玉ねぎ1個200gの可食部「188g」にはビタミンB6が0.26mg含まれています。玉ねぎ100gあたりのビタミンB6は0.14mgです。玉ねぎ1個200gの可食部「188g」にはビタミンCが13.16mg含まれています。
ミネラル含有量
ミネラル | 100gあたり含有量 | 主な効果 |
---|---|---|
カリウム | 150mg | 血圧調整、むくみ解消 |
リン | 33mg | 骨・歯の形成 |
カルシウム | 21mg | 骨・歯の健康 |
マグネシウム | 9mg | 筋肉・神経機能 |
鉄 | 0.2mg | 酸素運搬、貧血予防 |
玉ねぎ特有の機能性成分
硫化アリル(アリシン)
硫化アリルには、下記のようにさまざまな効果が期待されています。・コレステロールの代謝を促す→血液をサラサラにする ・血栓を予防する→動脈硬化の進行を抑える→高血圧や脳梗塞などを予防する ・糖質の代謝に関わるビタミンB1の吸収を助ける→疲労回復に役立つ
ケルセチン
玉ねぎには、ポリフェノールの1種である「ケルセチン」が含まれます。ケルセチンには抗酸化作用や抗炎症作用があるため、次のような効果が期待できます。・動脈硬化の進行を抑える ・花粉症などアレルギー症状の緩和
調理法による栄養素の変化
調理法 | 100gあたりカロリー | 100gあたり糖質 | 特徴 |
---|---|---|---|
生 | 33kcal | 6.9g | 栄養素が最も豊富 |
水にさらし | 24kcal | 4.6g | 辛味が和らぐ、一部栄養素が流出 |
茹で | 30kcal | 5.6g | 甘味が増す、水溶性栄養素が流出 |
油炒め | 100kcal | 9.3g | カロリーが大幅増加 |
玉ねぎを加熱すると、栄養価が変化します。たとえば炒める、蒸すなどは熱に弱い硫化アリルやビタミンCなどが減少するでしょう。また茹でると、水に溶けやすいビタミンやミネラルなどの栄養素が溶け出てしまいます。
玉ねぎのカロリー・栄養についてのよくある質問Q&A
Q1. 玉ねぎは他の野菜と比べてカロリーが高いって本当?
A. はい、その通りです。ほかの野菜と比較してみると、玉ねぎのカロリー・糖質が比較品目のなかで一番高い値であることがわかります。しかし、玉ねぎは、先ほど比較した野菜の中ではカロリー・糖質ともに高めではあるものの、世の中に存在する食品全体としては決して高カロリー・高糖質な食品ではありません。
Q2. ダイエット中でも玉ねぎを食べて大丈夫?
A. はい、問題ありません。カロリーや糖質がほかの野菜と比べてやや高いとしても、玉ねぎを避ける必要はないでしょう。なぜなら、一般的な食材の中では玉ねぎのカロリーや糖質は低いからです。むしろ、血液サラサラ効果やむくみ解消効果により、ダイエットをサポートします。
Q3. 新玉ねぎと普通の玉ねぎでカロリーに違いはある?
A. 普通の玉ねぎと新玉ねぎでは、カロリーや糖質量を含め栄養成分に違いはありません。新玉ねぎは早採りした玉ねぎを指し、水分量が多く辛味が少ないという特徴がありますが、基本的な栄養成分は同じです。
Q4. 玉ねぎを水にさらすと栄養が減る?
A. はい、一部の栄養素は減少します。水にさらすとビタミンやミネラルなど、他の栄養も一緒に流れ出てしまう可能性があるので注意しましょう。ただし、辛味が和らぎ食べやすくなるメリットもあります。水にさらす時間は短めにするのがおすすめです。
Q5. 玉ねぎを加熱すると甘くなるのはなぜ?
A. この成分は切ったときに細胞が壊れることで生成され、時間が経つと分解されやすい性質があります。加熱することで辛みが和らぎ、甘味が引き立つため、料理に合わせて調理法を使い分けると風味を活かしやすくなります。辛味成分のアリシンが加熱によって分解され、甘味成分が凝縮されるためです。
Q6. 赤玉ねぎ(紫玉ねぎ)は普通の玉ねぎよりカロリーが高い?
A. 日本食品標準成分表(2020年版・八訂)によると、100gあたりのカロリーは34kcal、糖質は7.3gです。普通の玉ねぎより1kcal高く、糖質は0.4g多いですが、ほとんど変わらないといっていいでしょう。
Q7. 玉ねぎの栄養を最大限に活かす食べ方は?
A. なお硫化アリルは、熱に弱い性質があります。硫化アリルの効果を期待する場合は、玉ねぎを生食するとよいでしょう。血液サラサラ効果を期待するなら生食がおすすめです。加熱する場合は、スープにして汁ごと摂取すると溶け出した栄養素も無駄になりません。
Q8. 玉ねぎでお腹を壊すことはある?
A. 大量に摂取しなければ問題ありませんが、玉ねぎに含まれる硫化アリルは刺激が強いため、胃腸の弱い方や空腹時の大量摂取は控えめにしましょう。適量であれば健康効果の方が期待できます。
玉ねぎのカロリーを消費するために必要な運動時間
玉ねぎ1個(188g)のカロリー62kcalを消費するために必要な運動時間を、様々な運動で比較してみましょう。体重50kgの方を基準に計算しています。
有酸素運動での消費時間
運動の種類 | METs値 | 必要時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
ウォーキング(普通のペース) | 3.5 | 約34分 | 最も手軽で継続しやすい |
ウォーキング(早歩き) | 5.0 | 約24分 | 効率的でおすすめ |
ジョギング | 7.0 | 約17分 | 短時間で効果的 |
ランニング(時速8km) | 8.0 | 約15分 | 高い運動強度 |
サイクリング(軽め) | 6.0 | 約20分 | 膝に負担が少ない |
水中ウォーキング | 4.5 | 約28分 | 関節に優しい |
水泳(クロール) | 8.0 | 約15分 | 全身運動 |
筋力トレーニングでの消費時間
運動の種類 | METs値 | 必要時間 | 備考 |
---|---|---|---|
軽い筋力トレーニング | 3.5 | 約34分 | 自重トレーニング中心 |
中強度筋力トレーニング | 5.0 | 約24分 | ダンベルなど使用 |
高強度筋力トレーニング | 6.0 | 約20分 | マシンやバーベル使用 |
腕立て伏せ | 8.0 | 約15分 | 連続して行った場合 |
スクワット | 5.0 | 約24分 | 正しいフォームで実施 |
日常生活での消費時間
活動内容 | METs値 | 必要時間 | 活動の詳細 |
---|---|---|---|
掃除機かけ | 3.5 | 約34分 | 家全体の掃除 |
階段昇降 | 8.0 | 約15分 | 普通のペースで |
庭仕事 | 4.0 | 約30分 | 草むしりや水やり |
洗車 | 3.0 | 約40分 | 手洗いで丁寧に |
買い物(荷物持ち) | 3.5 | 約34分 | 重い荷物を持って歩行 |
レクリエーション活動での消費時間
活動内容 | METs値 | 必要時間 | 楽しみながら運動 |
---|---|---|---|
ダンス(社交ダンス) | 4.5 | 約28分 | 楽しく全身運動 |
卓球 | 4.0 | 約30分 | 室内でできる運動 |
ボウリング | 3.0 | 約40分 | 軽い運動として |
ヨガ | 2.5 | 約48分 | リラックス効果も |
ストレッチ | 2.3 | 約52分 | 柔軟性向上 |
玉ねぎ1個分のカロリーはそれほど高くないため、日常的な活動でも比較的簡単に消費できることがわかります。例えば、早歩きで24分程度、ジョギングなら17分程度で消費できます。
また、消費エネルギー(kcal) =1.05×エクササイズ(METs・時)×体重(kg)という計算式を使用すれば、ご自身の体重に合わせてより正確な運動時間を算出することも可能です。
効率的なカロリー消費のコツ
- 複数の運動を組み合わせる:有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、効率的にカロリーを消費できます
- 日常生活に運動を取り入れる:エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど
- 継続することを重視:一度のジョギングでカロリー消費量を増やそうと時間や距離を無理に伸ばすより、15分だけでも無理のないスピードで走り、それを続けたほうが◎。
- 楽しめる運動を選ぶ:ダンスや球技など、楽しみながらできる運動は継続しやすい
玉ねぎ1個分のカロリーは決して高くないため、普段の生活にちょっとした運動を取り入れるだけで十分に消費できます。重要なのは、短期間で大量に消費しようとするのではなく、継続的に適度な運動を行うことです。
まとめ:玉ねぎは賢く取り入れたい優秀な野菜
玉ねぎのカロリーや栄養素について詳しく分析してきましたが、最後にポイントをまとめます。
玉ねぎの特徴まとめ
- カロリー:100gあたり33kcal、1個(188g)あたり62kcal
- 糖質:100gあたり6.9g、野菜の中ではやや高め
- 特徴:低脂質、水分量豊富、機能性成分が豊富
- ダイエット効果:血液サラサラ、むくみ解消、代謝促進
・カロリー&糖質は一般的な野菜と比べやや高めだが、気にしすぎる必要はない ・ダイエット中には玉ねぎとヨーグルトの組み合わせがオススメ ・硫化アリルやケルセチンが玉ねぎ独特の栄養素で、さまざまな健康効果をもたらす
玉ねぎは野菜の中ではカロリーや糖質がやや高めですが、絶対的に見れば低カロリー食品です。むしろ、含まれる機能性成分による健康効果の方が注目すべきポイントです。
血液サラサラ効果、むくみ解消効果、疲労回復効果など、ダイエットや健康維持において非常に有益な効果を持つ玉ねぎは、毎日の食事に積極的に取り入れたい食材です。
調理法によって栄養価が変化することも理解し、目的に応じて生食、茹で、蒸しなどを使い分けることで、玉ねぎの恩恵を最大限に受けることができます。カロリーが気になる方は、油を使わない調理法を選択し、栄養素を重視する方は生食や短時間の加熱を心がけましょう。
玉ねぎはご紹介してきた通り、カロリーや糖質が極めて低いとは言えない食品ですが、食べ過ぎたり太りやすい調理法で摂取したりしなければ、太る食品とも言い切れない食品です。むしろ健康や美容をサポートする栄養素が含まれているため、上手に摂取すればダイエット効果が見込めます。
日本の食文化に深く根ざした玉ねぎを、正しい知識とともに美味しく健康的に楽しんでいきましょう。