世界五大健康食品の一つとして注目されているキムチ。韓国発祥の発酵食品として、日本でも年々人気が高まっており、現在では日本の漬物生産量の中でも大きな割合を占めています。
そんなキムチですが、カロリーや糖質はどれくらいなのでしょうか?また、発酵食品としての栄養価やダイエット効果についても詳しく解説していきます。
キムチのカロリーと基本的な栄養情報
基本的なカロリー数値
キムチのカロリーは100g換算で27kcalと非常に低カロリーです。大きめ1パック(300g)でも81kcalしかありません。これは他の食品と比較しても極めて低い数値で、ダイエット中でも安心して食べられる食品と言えるでしょう。
分量 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|
キムチ100g | 27kcal | 3.2g |
1人前(約50g) | 14kcal | 1.6g |
大きめ1パック(300g) | 81kcal | 9.6g |
他の漬物との比較
キムチは100gあたりでほかの漬物類と比べると、カロリーはたくあんより低く、しば漬けと同程度、また糖質量はたくあんよりも少なく、しば漬けよりも高くなっています。
漬物の種類 | カロリー(100gあたり) | 糖質(100gあたり) |
---|---|---|
キムチ | 27kcal | 3.2g |
白菜漬け | 16kcal | 2.7g |
しば漬け | 27kcal | 2.8g |
たくあん | 62kcal | 13.4g |
キムチのダイエット効果とおすすめ度
ダイエット効果★★★★★(5段階評価)
キムチ100gには27kcalしかエネルギーが含まれていません。キムチは白菜などの野菜を使い、油を使用せず発酵させてつくられます。そのため、キムチ自体がヘルシーな食べ物といえます。
キムチがダイエットに効果的な理由
- 低カロリー・低糖質:100gあたり27kcalと極めて低カロリー
- 血糖値の安定:糖質が少ないため血糖値の急激な上昇を抑制
- 脂肪燃焼促進:カプサイシンによる代謝向上効果
- 腸内環境改善:乳酸菌による便秘解消・デトックス効果
- 満腹感の向上:食物繊維による満腹感で食べ過ぎ防止
推奨摂取量とタイミング
キムチの摂取の目安量は、一日あたり約50g程度です。これは小皿1杯分に相当し、塩分摂取量を適正に保つために重要です。
キムチの整腸効果を最大限いかすためには、夜に食べるのがおすすめ。腸の動きが活発な昼間は、キムチの栄養分が消化管の中にとどまっている時間が短いからです。
キムチの三大栄養素
キムチ300g(大きめ1パック)の栄養は、炭水化物が多く16.2gでそのうち糖質が9.6g、たんぱく質が6.9g、脂質が0.3gとなっています。
栄養素 | 100gあたり | 300gあたり | エネルギー産生への寄与 |
---|---|---|---|
炭水化物 | 5.4g | 16.2g | 主要なエネルギー源 |
たんぱく質 | 2.3g | 6.9g | 筋肉維持・免疫機能 |
脂質 | 0.1g | 0.3g | 必須脂肪酸・ビタミン吸収 |
キムチはカロリーや脂質が低くダイエット向きの食品ですが、一方でたんぱく質の含有量も少ないため、肉や魚などの食材と一緒に摂取するといいでしょう。
キムチの詳細な栄養素
ビタミン類
キムチは、カリウム・ナトリウム・銅・カルシウム・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンC・パントテン酸・ビタミンE・ナイアシンなどの栄養素を豊富に含んでいます。
ビタミン | 100gあたりの含有量 | 主な効果 |
---|---|---|
ビタミンA(β-カロテン) | 170μg | 視力維持・免疫機能向上 |
ビタミンB1 | 0.04mg | 糖質代謝促進・疲労回復 |
ビタミンB2 | 0.06mg | 脂質代謝・皮膚健康維持 |
ビタミンB6 | 0.13mg | たんぱく質代謝・免疫機能 |
ビタミンC | 15mg | 抗酸化作用・コラーゲン合成 |
ビタミンK | 42μg | 血液凝固・骨形成 |
ビタミンB群は、いずれも水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンで、エネルギーの代謝に関わり、疲労感の解消などに役立ちます。
ミネラル類
ミネラル | 100gあたりの含有量 | 主な効果 |
---|---|---|
ナトリウム | 1100mg | 体液バランス調整 |
カリウム | 290mg | 血圧調整・むくみ改善 |
カルシウム | 50mg | 骨・歯の健康維持 |
リン | 48mg | 骨形成・エネルギー代謝 |
発酵食品として特有の栄養素
発酵によって生まれる栄養素
漬け込む過程で発酵が進み、乳酸菌やビタミンB群が大幅に増えることで、栄養価がさらにアップ。
- 乳酸菌:植物性の乳酸菌は、ヨーグルトなどに含まれる動物性の乳酸菌より丈夫で胃酸に強く、生きたまま腸に届きやすいことが特長です。
- カプサイシン:辛みのもとであるカプサイシンには、キムチのおいしさを引き立てる役割がありますが、じつは効果はそれだけではありません。
- 食物繊維:キムチに含まれる食物繊維は水に溶けにくい不溶性食物繊維のため、腸内の水分を吸収して便の量を増加させ、排便を促進する効果があります。
キムチのカロリーと栄養に関するよくある質問
Q1: キムチは毎日食べても大丈夫?
キムチは毎日食べても問題はありません。実際に、韓国ではキムチを毎日食べる家庭が多いといわれています。ただし、一日あたりの食塩摂取目標量は成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満なので、食べ過ぎには注意は必要です。
Q2: キムチの乳酸菌はヨーグルトより効果的?
キムチに含まれる乳酸菌は、ヨーグルトの乳酸菌よりも生きたまま腸に届きやすいです。キムチに含まれる乳酸菌は植物由来で、ヨーグルトなど動物性の乳酸菌に比べて胃酸に強い性質を持っています。
Q3: キムチを加熱しても栄養は残る?
キムチに含まれる乳酸菌は熱に弱く、加熱すると死んでしまいます。免疫力を活性化するには、キムチはなるべく調理せずそのままで食べたほうがいいのです。ただし、死んでしまった植物性乳酸菌もしっかり善玉菌のエサになるので、実はちゃんと役に立っています。
Q4: キムチダイエットの効果的な食べ合わせは?
納豆に含まれる納豆菌は、キムチの乳酸菌の増殖を助ける効果が期待できます。乳酸菌が増えると善玉菌が増殖し腸内環境が良好に保てるため、腸内環境の改善による肌荒れ予防やダイエット効果が得られやすくなるのがポイントです。
Q5: 妊娠中・授乳中でもキムチは食べて良い?
キムチは栄養価が高く、適量であれば問題ありませんが、塩分やカプサイシンの摂取量に注意が必要です。気になる方は医師に相談することをおすすめします。
Q6: キムチの賞味期限と栄養価の関係は?
保存中にも発酵が進んでおり、発酵が進むと酸味が出てきます。発酵が進むことで乳酸菌の量は増加しますが、食べやすさとのバランスを考慮することが大切です。
キムチのカロリーを消費するのに必要な運動時間
キムチ大きめ1パック300gのカロリー「81kcal」を消費するのに必要な有酸素運動の時間を様々な運動で計算してみましょう。
体重60kgの人の場合(81kcal消費)
運動の種類 | METs | 必要時間 | 備考 |
---|---|---|---|
ウォーキング(普通の速度) | 3.0 | 約43分 | 時速4km程度 |
ウォーキング(早歩き) | 5.0 | 約26分 | 時速6km程度 |
ジョギング | 7.0 | 約18分 | 時速8km程度 |
ランニング | 8.3 | 約15分 | 時速8km程度 |
サイクリング | 6.8 | 約19分 | 時速16km程度 |
水泳(クロール) | 8.3 | 約15分 | 普通の速度 |
筋力トレーニング | 6.0 | 約21分 | 中程度の強度 |
階段昇降 | 8.8 | 約14分 | 普通の速度 |
体重50kgの人の場合(81kcal消費)
運動の種類 | 必要時間 | 体重60kgとの比較 |
---|---|---|
ウォーキング(普通の速度) | 約52分 | +9分 |
ウォーキング(早歩き) | 約31分 | +5分 |
ジョギング | 約22分 | +4分 |
ランニング | 約19分 | +4分 |
日常生活での消費カロリー比較
デスクワーク1時間で消費されるカロリーは、90kcalなので、キムチ1パック分のカロリーは約54分のデスクワークで消費できる計算になります。
- 掃除機をかける:約20分(3.3 METs)
- 料理をする:約26分(2.5 METs)
- 洗濯物を干す:約32分(2.0 METs)
- 立ち仕事:約43分(1.5 METs)
キムチを活用した効果的なダイエット方法
基本的な取り入れ方
キムチでダイエット効果を得たいのであれば、長期的に食べ続けましょう。1週間や2週間の短期的な取り組みでは、ダイエット効果が得にくいでしょう。ダイエット効果を得やすくするには、キムチを取り入れる生活を1か月以上続けてみるのがおすすめです。
効果的な組み合わせ食材
キムチと相性の良い食材
- 納豆:納豆菌にはキムチの乳酸菌の増殖を助け、腸内を掃除するという相乗効果があります。
- 豆腐:低カロリーでたんぱく質補給に最適
- 卵:良質なたんぱく質で栄養バランスを整える
- もやし:食物繊維を増やして満腹感アップ
- 海藻類:ミネラル補給と食物繊維の相乗効果
食事への取り入れ方
糖質が少なく食物繊維が豊富なキムチは、食後の血糖値が急激に上昇するのを抑制する効果も期待できるため、食事のはじめに食べるのがおすすめです。
注意点
キムチがからだによいからと大量に食べるのは逆効果です。キムチには辛味成分のカプサイシンが含まれており、カプサイシンの食べ過ぎは胃腸に負担がかかる場合があります。
まとめ
キムチは100gあたり27kcal、糖質3.2gという低カロリー・低糖質食品でありながら、発酵食品として豊富な栄養素を含んでいます。
キムチは大豆やヨーグルトとともに世界五大健康食品にも挙げられており、習慣的に食べることでさまざまな健康効果が期待できます。
特に注目すべきは以下の点です:
- ダイエット効果:低カロリーでありながら満腹感を得られ、カプサイシンによる脂肪燃焼促進効果
- 腸内環境改善:植物性乳酸菌による善玉菌増加と便秘解消効果
- 免疫力向上:ビタミンB群やビタミンCによる免疫機能サポート
- 美容効果:抗酸化作用による老化防止と肌荒れ改善
ただし、一日あたりの摂取目安量は約50g程度に留め、塩分摂取量に注意しながら継続的に摂取することが重要です。
キムチの継続的な摂取は血行不良や腸内環境の改善につながり、体質が良好になることで美肌やダイエット効果が得られやすくなります。
健康的な食生活の一環として、キムチを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。適量を守りながら、その豊富な栄養素と発酵食品としての恩恵を活用し、理想的な体づくりを目指しましょう。