千と千尋の神隠し:腐れ神の正体はオクサレ様!なぜなってしまったのかを考察!

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映画千と千尋の神隠し、いまだに根強い人気を誇るこの映画には、さまざまなキャラクターが登場しています。
その中でも、オクサレ様と呼ばれるキャラクターのことを鮮明に覚えているファンも多いのではないでしょうか。

非常に特徴的な見た目はもちろんですが、千尋が油屋の従業員として働き始めてから、初めての大きな仕事を任されたという重要なシーンでもあります。
このシーンで登場したオクサレ様は、腐れ神と呼ばれる存在です。

この記事では、腐れ神であるオクサレ様の正体と、なぜ腐れ神になってしまったのかについて考察していきます。

オクサレ様の正体は名のある神様!

オクサレ様の見た目は、体中を泥のようなもので覆い、毒々し色の煙が体のあちこちから噴き出しています。
さらに腐るという字が名前に入っているからなのか臭いも酷いようで、従業員たちは気絶したり鼻をつまんだりしていました。
どのくらいの臭いかといえば、リンが持ってきた白米が一瞬で腐ってしまうほど。

そんな神様というよりは妖怪と言った方がいいような特徴があるオクサレ様ですが、実はその姿は本物ではなく真の姿が別にありました。
千尋が発見したオクサレ様の体にあったトゲのようなもの、それを聞いた湯婆婆が従業員たちに命じて、従業員一同が力を合わせてそのトゲを抜き出します。

すると、オクサレ様の中からたくさんのゴミが出てきて、最終的にオクサレ様の本当の姿が現れました。
本当の姿になったオクサレ様は、顔の部分にお面が浮かんでおり、水の体を持った龍でした。

それを見て湯婆婆は、あれは名のある川の主だと言っています。
ゴミによってオクサレ様となっていたものの、その正体は川の神様だったのです。

本当の姿になった神様は「よきかな」と一言残し、笑いながら油屋から出ていきました。
後にはゴミだけが残されたと思いきや、その中にはたくさんの砂金が。
油屋で体の汚れを取って貰えたお礼、代金として砂金を残していったのでしょう。たくさんの砂金を残せるあたり、やはり力を持った神様だということがうかがえます。

なぜ腐れ神になってしまった?理由を考察!

ここで気になってくるのが、なぜそんな名のある川の主が腐れ神になってしまったのか、という点です。
湯婆婆など魔法使いが存在していますから、その呪いなどを受けて腐れ神にされてしまったのでしょうか。
しかし、力がある神様が呪いであのような姿に変えられたとは考えにくいですね。

そこで腐れ神になってしまった理由のヒントとなるのが、千尋が取り除いたたくさんのゴミです。
トゲだと思っていたのは自転車のハンドルで、それを筆頭に家電などさまざまなゴミがオクサレ様の体の中からは出てきました。
そして体を覆っていた泥のようなものも、ヘドロだと思えば川の中にあっておかしいものではありません。

オクサレ様の正体は名のある川の主。
つまり川が汚されてしまったことが、そのままオクサレ様の体に反映された結果、腐れ神になってしまったのではないでしょうか。
悪臭やヘドロの体、そしてたくさんのゴミは、まさに汚れた川そのものです。

腐れ神になってしまった理由、それは自分の体である川にたくさんのゴミが捨てられ、汚されてしまった結果と考えると自然に思えます。

オクサレ様を腐れ神として登場させた意味とは?

宮崎駿監督は、映画の中にオクサレ様を腐れ神として登場させた際、そこにどのような意味を持たせたかったのでしょう。
ジブリ映画はさまざまなメッセージ性のある描写が多く、千と千尋の神隠しにもまた、多くのメッセージが隠されているように思えます。
ここからは、オクサレ様を腐れ神として登場させた意味を考えていきましょう。

まず思いつくのが、神様ですら川を汚す人間には勝てないというものです。
名のある神と言われていても、人間たちによって自分の体を汚されてしまえば、なす術なく腐れ神になってしまう。
そして千尋たちが必死になってその汚れを取り除くことで、腐れ神から元の姿へと戻れたということで、一度汚れたものを元に戻すには大変な労力が必要だということも伝えたかったようにも思えます。

もうひとつ考えられる意味は、川を自分勝手に汚してしまう人間の醜さです。
現実でも、川へゴミを捨てる人が増え、川が汚れているということが問題になっています。捨てる人は川の汚れなど考えず、自分が良ければいいとゴミを捨ててしまいます。
それによって第三者が被害に遭っているかもしれない、そのことを見ている人たちに伝えたかったのかもしれません。

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