ハクといえば、千と千尋の神隠しの主役であるのと同時に、その中世的な魅力からジブリ映画の中でも人気の高いキャラクターでもあります。
少年のような見た目で登場したものの、白い龍の姿になったりもするハクは、謎の多いキャラクターとして劇中で描かれています。
そんなハクの正体とは?いったい何者なのか、目的は?千尋を助けた理由とは?モデルとなったキャラクターはいるのか、知りたいと思うファンは多くいるのではないでしょうか。
この記事では、ジブリでも人気の高いキャラクターであるハクの正体や本名、そのモデルとなった人物などを考察していきます。
ハクの正体は龍神だった!
平安時代のような服を着ている少年の姿をしているハク。
実はその本当の姿は、劇中でも見せたことのある白い龍の姿であり、龍神だったのです。
コハク川の主
物語の終盤、千尋によって本当の名前を思い出したハク。
千尋が以前住んでいた町に流れていたコハク川の主、それこそハクの正体だったのです。
龍神だったからこそ、白い龍の姿になれたんですね。
普段は12歳くらいの男の子の姿
そんなハクは普段、12歳くらいの男の子の姿をしています。
主人公である千尋が9歳ですから、そんな彼女を助ける役として近い年齢の姿をしていた方が親近感があるから、少年の姿になったのかもしれませんね。
また、油屋で働く人たちもほとんど人型ですから、そういった意味でも人間でいた方が都合がいいのかもしれません。
また12歳なのに、言動がしっかりしていることもあり「ハクってカッコいい!」という人も多くおり、人気キャラクターになっています。
モデルとなったのは記紀神話の「饒速日命」
ハクのモデルと言われているのは、実在する記紀神話の饒速日命です。
これはロマンアルバムの中で、速日命から名前を取ったと明言されています。
しかし、饒速日命のエピソードを見てみると、あまりハクとは関係のないように思えるため、名前のモデルとなっただけでキャラクターそのもののモデルではないようです。
ハクの本名は「ニギハヤミコハクヌシ」
饒速日命がモデルと言われているハクの本名は「ニギハヤミコハクヌシ」といいます。
この名前は物語の終盤まで明かされることはなく、銭婆の家から油屋へと戻る途中、白龍となったハクを見た千尋が、彼の本当の名前を思い出したのです。
千尋がハクの名前を思い出すシーンは、劇中でも名シーンとして覚えている人も多いのではないでしょうか。
千尋は幼いころに出会っていた
実は千尋は、小さい頃溺れてハクに助けて貰ったことがありました。
この時のことを千尋は、物語の終盤まで忘れてしまっていました。
ただまだ幼い頃のことで、時間が経過してしまったこともあり、忘れてしまうのもしかたないかもしれませんね。
その後湯婆婆の弟子となり名前が奪われた
ハクは千尋と出会った後、何らかの事情があって湯婆婆の弟子となり魔法使いになろうと油屋を訪れました。
そして弟子となる際に名前を奪われてしまったのだと思われます。
千尋もハクと同じように、油屋で働く契約をする時に名前を奪われています。
彼女はハクの助けもあって千尋という名前を忘れずに済みましたが、ハクの場合はそのまま忘れてしまったのでしょう。
湯婆婆の弟子となる危険性はハクも知っていたはずで、釜爺にも止められていました。
しかしそんな危険を冒してでも魔法使いとなる必要があったようですね。
都市伝説:実は千尋の兄だった・・・?
ハクの正体にまつわる都市伝説や裏話として、実は千尋の兄ではないかという秘密があります。
結論から言ってしまうと、完全にただの噂でありそういった事実はありません。
では何故そんな噂が語られているのでしょうか
その要因のひとつとして考えられるのが、物語の序盤、豚に変えられる前の千尋のお母さんの態度です。
彼女と目を合わせずに話したり、千尋を邪険に扱うなど、千尋にとても冷たく接しているように見えます。
それを見たファンが、もしかしたら千尋のお母さんは、千尋を許せない理由があってこんな態度を取っているのではと思ったのでしょう。
そして小さい頃にコハク川で溺れた千尋を助けたのがハクという事実と結び付けて、千尋を助けて兄であるハクが死んでしまい、それをお母さんは許せないでいるのでは、と考えてしまったのかもしれません。
ただ、劇中でハクの正体はしっかりと明かされていますから、この都市伝説は完全に矛盾しています。
あくまでそう見えるシーンなどから、ファンの間で作り出された都市伝説でしかないようです。
謎めいたキャラクターであるハクの正体。
それを知ったうえで映画を見直すことで、新しい発見があるかもしれません。皆さんも、この記事で知った内容を踏まえて、もう一度千と千尋の神隠しをご覧になってみてはどうでしょうか。