千と千尋の神隠しは、劇場の公開から20年以上経った今でも人気があり、幅広い年代から愛されている作品です。ストーリーの面白さだけではなく、千尋やハクといった主役級のキャラクターや、千尋を支える多くのキャラクターそれぞれに個性があり、何度も見返したり、キャラクターのグッズを揃えたりしたくなります。主要キャラからバイプレーヤーとなる名脇役まで解説します。
映画を彩る主役登場人物一覧!
千尋を中心に物語が進行していきますが、千尋を取り巻く人物も多く登場します。不思議な世界に紛れこんでからは、豚になってしまった両親を人間の姿に戻すために、多くの試練が待ち受けます。千尋から千となってしまうきっかけとなる湯婆婆や、千尋がめげそうになる時に助けてくれるハク。千尋だけではなく、主役級といえる人物を紹介します。
千尋
千尋は、フルネームが荻野千尋、年齢は10歳です。油屋で働くことになった始めの頃は、臆病であまり要領が良くない印象を受けますが、まじめに一生懸命働く頑張り屋さんです。どんな人にも優しく、カオナシが来た時は、誰もが怖がり避けようとする中、千尋は他のお客さんと変わることなく接します。決めたことに対して実直で、10歳という年齢なのに、とてもしっかりした性格の持ち主です。
ハク
千尋とあまり変わらない年齢とされていますが、端正な顔立ちや冷静で優しい性格のハクは、千と千尋の神隠しで重要な人物といえ、人気の高いキャラクターです。めげそうになる千尋を支える際は、優しさにあふれていますが、龍となり戦いに行くときは、凛々しさと強さを感じます。龍であるハクは、ニギハヤミコハクヌシと言い、ハクも本当の名前を忘れていますが、物語の最後には、コハク川の主として、千尋と会っていたことを思い出します。
湯婆婆
油屋の主人として、誰もが恐れる湯婆婆ですが、かわいい息子である坊に対しては、とにかく甘く、坊が望むものはなんでも与えます。最初に湯婆婆を見たときは、体に対して大きすぎる頭が目を引きます。ハクの本当の姿であるコハク川をしっていることから、年齢は100歳を超えているのではないかとされています。頭が大きいだけに、目力が強く睨みつけられたときは、思わず固まってしまいそうな威圧感です。ただ、一人息子である坊に対する接し方は、甘やかしすぎのように感じますが、息子を誰よりも愛する母親の愛情を感じられます。
カオナシ
表情を読み取ることができないお面に、黒い布を着たカオナシは、足元もはっきりせず、「あ」だけで会話するため、目の前に現れたら、千尋のように接することなどできそうにない人物です。大抵は金をもらえたら、もっと欲しいとなるところですが、千尋に拒絶された時は、とても悲しかったでしょう。油屋で食事をする場面や、吐き戻し油屋を飛び回るシーンは、大人しそうなカオナシから一転した姿に驚く人も多かったはずです。
いなきゃ物語は進まない!名脇役を紹介!
どの人物も濃いキャラクターが多く、ジブリ作品の中でも登場人物が多く登場するのではないでしょうか。油屋で働くことになり、そこで出会う人物は、どれも千尋にとって助けとなり頼りになる存在です。お父さんのような窯爺、姉のようなリン、脇役の中でも千尋を影で支える重要人物を解説します。
坊
とにかく体の大きい坊、湯婆婆に甘やかされて育ったため、わがままな性格で自分の思いどおりにいかないと、すぐに泣きだします。外の世界は怖いと言われて育ったため、子供部屋が坊の全ての世界でしたが、千尋と出会い、銭婆に会いに外に出るときは、興味と恐怖心でいっぱいだったはずです。ネズミ坊となった際も、自分で歩こうとせず、千尋や湯バードに運んでもらうことが多かったですが、自分で歩き、銭婆の手伝いをする場面では、成長を感じましたね。
リン
つっけんどんな印象のあるリンですが、仕事が早く的確に動く姿はできる女性な印象です。サバサバした性格は、千尋に対しても冷たいように感じますが、千尋が熱を出したときは顔色の悪さに気付き看病をしてくれます。銭婆に会いに行く際も、最寄り駅の近くまで船を漕いであげたりと、千尋の味方としてなくてはならない存在です。
釜爺
6本の細長い腕を持ち、黒いサングラスに髭をたくわえた窯爺。千尋と出会った頃は、リン同様つっけんどんな性格のように感じますが、油屋で欠かせない温泉の管理、適材な薬湯の調合を一人で全て賄う姿は昔ながらの職人のようです。物語が進むうちに千尋に対しても、的確なアドバイスや相談役となり、かわいがっていく様子が描かれています。また、窯爺が言うセリフは、時にかっこよく、ユーモアがあり、愛に溢れるキャラクターです。
油屋の大切なお客様!神様も紹介!
油屋には、毎日多くのお客様がやってきます。常連とみられるお客の中には、神様も多く、登場シーンは控えめながらも、その風貌は一度見ると忘れられなかったり、あの神様は誰?と気になる人もいるでしょう。思わず気になる神様を紹介します。
おしら様
トレードマークの赤い帽子と恰幅が良すぎ、モフモフとした毛に覆われている姿の神様といえばおしら様です。重たそうな体のため歩く姿は、かなりゆっくりですが、その足音はキュッキュッとかわいらしい音を立てながら歩きます。エレベーターに千尋と一緒に乗った際に、千尋がいることがばれないようにかばう姿や、千尋をみかけたときに、優しく見つめる様子は、出番こそ少ないですが、いつも千尋を温かく見守っています。
オオトリ様
一見どこを見ているのかわからない、ひよこのような姿の神様がオオトリ様です。オオトリ様は、「ヒヨコの神様で、食べられてしまったヒヨコの神様です」と紹介されています。この説明を聞くと悲しい過去を持つ神様の印象です。かわいらしい外見から、作品の中でも見つけるとほっこりとした気持ちにさせてくれますが、崖の上のポニョでもカメオ出演しているという情報もあり、どこで出てくるかを見つける楽しみがあります。
オクサレ様
能のようなお面の姿をしたオクサレ様。作品の中で登場した際は、ヘドロまみれで誰もが嫌がるお客さまとして登場し、その様子から見ているだけでも強烈なにおいを感じてしまいそうです。しかし油屋でお湯につかり洗いながされていく姿は、数々のゴミがからみついてしまった様子で、今のゴミ問題を考えさせられる印象的なシーンといえます。ヘドロから出てきたその姿は、笑顔に溢れたおじいちゃんでした。
春日様
様々な表情に見えるお面をつけ、平安時代の貴族のような姿をした神様が、春日様です。春日様は、一人の人物ではなく大勢おり、日本のあちこちに春日大社があるため、大人数の春日様が一同に介しているようです。来店する神様の中でも、チップが少ないと油屋の中ではケチであるとされています。