千と千尋の神隠しという映画の主役である千尋とハク。
この二人は物語の序盤から、さまざまなシーンを通して深い絆があることがわかります。
二人の関係がどうなるのか、ハラハラドキドキしながら映画を見たファンも多いのではないでしょうか。
千尋のことを守り、助けてくれたハクと、最終的にハクを助けるために頑張る千尋。
お互いのことを思い合うこの二人の関係は、劇中の釜爺の言葉を借りるなら愛という表現がぴったりです。
しかし、明確に二人がお互いを好きだと思っているなど、関係性をハッキリさせる描写やセリフは映画の中にありませんでした。
この記事では、千尋とハクの関係はどういったものなのかを、都市伝説なども交えて考察していきます。
千尋とハクの出会い
物語の序盤、不思議な世界に迷い込んでしまった千尋を助けようとハクが登場します。
映画を見た時は誰もがここで二人が初めて出会ったのだと思ったでしょう。
しかし、初めて出会ったはずなのにハクは千尋のことを知っているような素振りを見せており、不思議に思った人もいるのではないでしょうか。
その後も献身的に千尋を助けようと立ち回るハクからは、とても初めて会ったとは思えないほどに千尋を大切に考えていることがわかります。
本当に二人は映画の序盤が初めての出会いだったのでしょうか。
実は、二人は本当はもっと昔に出会っていたことが映画の終盤で明らかになります。
銭婆の家からハクの背中に乗って、湯婆婆のもとへと戻っている途中、千尋は昔のことを思い出します。
それはまだ彼女が小さかった頃、近所にあったコハク川に落ちて溺れてしまい、そこでハクに助けて貰ったという記憶です。
ハクの本当の名前はニギハヤミコハクヌシといって、このコハク川の主でした。
つまり二人は映画が始まる前、すでに出会っていたのです。
千尋にとってハクはどんな存在なのか?
お互いのことを深く思い合っている千尋とハクですが、千尋にとってハクとはどんな存在だったのでしょう。
物語の序盤のハクは、千尋にとって自分を助けてくれる人、自分の味方という存在でした。
魔法を使って自分を助けてくれるハクを、千尋はとても頼りにしており、彼のいう事にしっかりと従って油屋で働くことになります。
ですが物語の中盤からは、千尋はハクに守られるのではなく、彼を助けるために奮闘します。
このあたりから、千尋にとってハクは頼るだけの存在から、お互いに支え合う存在へ変わっていったように思えます。
そして千尋は最終的にハクの本当の名前を取り戻し、彼を湯婆婆の呪いから解放します。
最初はハクに守られるだけだった千尋も、最後はハクを助けることができるようになるまで成長したのです。
千尋とハク、二人の関係はお互いを信じて支え合う、まさに愛によって繋がった関係だと言うことができるでしょう。
千尋の兄はハクだった?!兄弟という情報は本当なのか?
この二人の関係を語るうえで、無視できない都市伝説があります。
それはハクが千尋の兄で、コハク川でおぼれた千尋を助けて死んでしまったというものです。
この都市伝説は根拠となる描写が映画の中にいくつかあり、それが基になってファンの間で話題にのぼりました。
ですが、映画の中でハクの正体はコハク川の主だと明言されています。
この都市伝説は、そう思える描写を深読みしすぎてしまったファンの間で話題になっただけで、事実ではありません。
千尋とハクの関係をまとめると
この二人の関係をまとめると、やはり愛で結ばれた関係というのはしっくりきます。
ですが劇中の描写を見ると、この愛は恋愛的な意味というだけでなく、家族愛なども含まれているように思えます。
序盤こそ誰かに頼っているだけだった千尋ですが、最後にはハクのために奮闘するまでに成長しています。
特に中盤でハクが銭婆の呪いによって傷ついてから、彼の命を救うために奮闘する様子は、見ているこちらが思わず応援してしまいたくなるほど健気なものでした。
そしてハクもまた、幼い時に溺れた千尋を助けて命を救っています。
お互いに命を助け合うことになった二人は、愛という深い絆で結ばれた関係だと言うことができるのではないでしょうか。