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【崖の上のポニョの考察】リサの最後のセリフに隠された深い意味を完全解説!

崖の上のポニョの考察はリサの最後のセリフに隠された深い意味を完全解説! ポニョ情報
崖の上のポニョの考察はリサの最後のセリフに隠された深い意味を完全解説!

崖の上のポニョを見た多くの人が疑問に感じる「リサの最後のセリフ」。その謎めいた言葉には、実は宮崎駿監督が作品に込めた深いメッセージが隠されていたのです。

リサの最後のセリフの正体は「あなたも!グランマンマーレ!」

物語のクライマックスでグランマンマーレが「リサ、ありがとう」と言った際、リサが返した最後の言葉。これが「あなたも!グランマンマーレ!」だったのです。

多くの視聴者が聞き取れなかった理由は、作中でグランマンマーレの名前が呼ばれたのがこの1度だけだったためでした。ポニョからは「お母さん」、フジモトからも「あの人」としか呼ばれていないため、観ている側はリサの最後のセリフが何だったのか聞き取るのが難しかったのです。

実際に、SNSでも多くの人が空耳を報告しており、「あなたも!がんばれえー」「あなたも、頑張んなはれー」などと聞こえた人もいました。

なぜこのセリフになったのか?母親同士の対等な関係性

このセリフには、リサとグランマンマーレが対等であるという意味が込められているのです。通常の日本語会話では「ありがとう」に対して「こちらこそ」と返すのが自然ですが、「あなたも」という返しは英語での「Thank you」「You too」と同じ言い回しであり、同時に「同じ母親としての共感が込められている」と解釈されています。

リサの特徴 グランマンマーレの特徴
人間の母親(25歳) 海なる母(海の女神)
息子を名前で呼ばれることに慣れている 神的存在でありながら母親でもある
対等な関係を重視する 巨大で威圧的だが会話では穏やか

リサはポニョのどんな姿を見ても愛情を持って接し、グランマンマーレに対しても、巨大で怖い生き物だなんて思わず、対等に接していると感じられるのです。わざわざ「あなたも!」で止めてもいいものを、その後名前を呼ぶことで一気に距離が縮まっているように見えます。

リサの個人を尊重する姿勢

リサがグランマンマーレの名前を呼んだのは、彼女の基本的な姿勢を表しています。お互いに”個人”であることを大切にした、相手の人格を尊重する家族関係を築いているリサは、息子の宗介からも「リサ」と呼ばれ、夫の耕一からも名前で呼ばれています。

宮崎駿作品では”名前を呼ぶ(呼ばれる)”こと自体にも、大きな意味があるのです。千と千尋の神隠しでも名前の重要性が描かれているように、ポニョでも名前で呼ぶことは特別な意味を持っています。

リサとグランマンマーレの会話内容を徹底考察

劇中では二人の会話内容は明かされませんが、観客にすら聞かせられないリサとマンマーレの会話について様々な考察がなされています。

一般的な考察:母親同士の理解

グランマンマーレは、リサに事情を話し、説得していたと考えられます。具体的には:

  • ポニョが人間になるための条件説明
  • 宗介への試練についての相談
  • 世界のバランスを元に戻す方法
  • 母親としてお互いの子供を思いやる気持ちの共有

おばあちゃんが「リサさん辛いでしょうね」と言った理由は、息子を試練にかける母親の気持ちを思いやったからだと考えられます。5歳の子供に人生を決める重大な決断を迫ることは、母親にとって辛いことに見えたのでしょう。

岡田斗司夫氏による深読み考察

一方で、岡田斗司夫氏は「あなたの夫は生きて返してあげるから、その代わり、あなたの息子を差し出しなさい」というやり取りをやっていたという解釈を提示しています。

「女が内緒話をしている時というのは、必ず男にとっての不幸が起きる」という、この世の真実を伝えたかったのではないかとも分析されています。

SNSで話題になった投稿とファンの反応

リサの最後のセリフについて、SNSでも多数の投稿が見られました。

娘がポニョ観ながら登場人物のセリフとか音楽とか全部真似してるんだけど、最後の方のリサの「あなたも!グランマンマーレ」を「あなたも!がんばれえー」って空耳してて麦茶吹いた


引用:https://tosidensetu-story.com/ponyo-risa-serihu-6750

ポニョのリサさんの最後のセリフが「あなたも、頑張んなはれー」にしか聴こえなくて、お母さんに聞いたけどお母さんも同様だった。


引用:https://tosidensetu-story.com/ponyo-risa-serihu-6750

グランマンマーレ!予測で「ポニョ リサ」まで入れたら最後のセリフって出てきて笑いました


引用:https://tosidensetu-story.com/ponyo-risa-serihu-6750

これらの投稿からも分かるように、多くの人がこのセリフを正確に聞き取れず、様々な空耳として認識していたことが窺えます。

宗介が両親を名前で呼ぶ理由との関連性

リサの最後のセリフを理解するには、宗介が両親を名前で呼ぶ理由も重要です。

エディプス・コンプレックスゆえに、宗介君は、守るべき母を自分と対等視してリサと呼び、父親を対等なライバルとしてコーイチと呼んでいるという心理学的解釈があります。

また、宗介が「リサ」と呼ぶ背景には、夫婦が互いを名前で呼び続けた習慣があると考えられ、これは宗介が両親の仲の良さに囲まれて育ったことを暗示しているとも分析されています。

名前で呼ぶことの意味

宗介が母親を「お母さん」ではなく「リサ」と呼ぶのは、自立した視点で母親と接していることの表れであり、それにより彼はポニョを守るという重大な役割を果たすことが可能になるのです。

このような家庭環境で育ったリサだからこそ、グランマンマーレという海の女神に対しても、神として畏れ敬うのではなく、一人の母親として対等に接することができたのでしょう。

リサは死んだのか?生死をめぐる考察

リサの最後のセリフとともに議論されるのが、リサの生死についてです。

死亡説の根拠

本作にまつわる最も有名な都市伝説は「津波によって町が沈んでからの描写は死後の世界である」というものです。リサが死んだとする説の根拠として:

  • ひまわりの家が完全に水没していた
  • リサカーが荒れ果てた状態で放置されていた
  • 水中でも呼吸ができる不自然な状況
  • 老人たちが「リサさん、つらいでしょうね」と語るセリフについて、リサが宗介を残して死んでしまったことに対する同情とする見解

生存説の根拠

一方で、リサは生死の境目にいたがこの世に戻ってきたという解釈もあります:

  • ポニョの魔力によって、時空に穴が開き、死後の世界と繋がったと考えられ、リサやおばあちゃんたちがいるクラゲドームは生と死のはざまの世界
  • グランマンマーレの魔法により一時的に特殊な状況が作られた
  • 最終的に世界が元通りになった際、リサも現実世界に戻った

死亡説 生存説
津波で実際に死亡 魔法により一時的に異世界に
後半は死後の世界 生と死の境界線上の世界
「つらいでしょうね」は死への同情 「つらいでしょうね」は試練への同情

作品全体から読み解くリサの最後のセリフの真意

『崖の上のポニョ』は、現実にいる4人の母親像を持った人物を投影している作品です。リサ、グランマンマーレ、船に乗っていた母子の母親、そしてトキさんという4つの異なる母親像が描かれています。

リサやグランマンマーレ、赤ちゃんのお母さんは表向きに愛情表現をしているのは見ていてわかり、トキさんは誰に対してもツンツンしていて冷たいと感じるが、本当は宗介を自分の息子のように大切に想っているのです。

母親同士の絆と理解

「あなたもね!グランマンマーレ!」という最後のセリフには、自分の息子だけでなく海に生きる人たちの意志を尊重し対等に接するリサの姿勢が表れているのです。

これは単なる挨拶ではなく、「同じ母親として、お互いの子供を思う気持ちを理解し合いましょう」という深いメッセージが込められていると解釈できます。

宮崎駿の女性観の反映

別に、グランマンマーレだけが、強くて怖くて美しいのではなくて、リサもポニョも、女は全て強くて怖くて美しい。これが、『崖の上のポニョ』のテーマなのです。

宮崎駿にとっては、別に、触手が付いていて得体のしれないグランマンマーレだけが怖いわけじゃない。全ての女は、宮崎駿にとっては、グランマンマーレと同じという考察もあり、リサの最後のセリフは宮崎駿の女性観を象徴するシーンでもあるのです。

別の視点から見たリサの最後のセリフ

言語学的な視点

「ありがとう」に対して「あなたも」という返しも、日本語の日常会話としては少し違和感があり、この場合で普通使われるのは「こちらこそ」であり、「あなたも」というのは英語での「Thank you」「You too」と同じ言い回しです。

これは意図的な演出である可能性があり、リサの国際的感覚や、対等な関係性を重視する価値観を表現していると考えられます。

アニメーション技術の視点

分かりづらいとされる原因として、リサ役の山口智子氏の本業は女優なのでアフレコが十分でなく聞き取りづらかった、そのシーン以前にグランマンマーレの名前が呼ばれることがなかったので突然出てきたその名前が何のことだか不明だったという技術的な問題も指摘されています。

しかし、製作陣が思い描くイメージとかけ離れていて頭を抱えていたところ、ひとりだけ全く異なる喋り方をしたのが山口智子さんだったため、むしろこの聞き取りにくさも含めて意図された演出だった可能性があります。

現代的な解釈:多様な母親像の受容

とは言え母親というよりも、1人の人間として接する姿勢が垣間見えるリサ。現に宗介からも「リサ」と名前で呼ばれているのが印象的です。

現代社会において、従来の母親像にとらわれない多様な子育てスタイルが注目される中、リサの最後のセリフは「母親同士がお互いを尊重し合う」という現代的なメッセージとしても読み取ることができます。

グローバル時代の母親像

なんだかアメリカ的な、フランクな関係と評されるリサの家族関係は、国際化が進む現代日本の家族像を先取りしていたとも言えるでしょう。

グランマンマーレという海外の神話的存在と対等に接するリサの姿勢は、多様性を受け入れる現代社会への宮崎駿からのメッセージかもしれません。

まとめ:リサの最後のセリフに込められた深い愛

リサの最後のセリフには、リサとグランマンマーレが対等であるという意味が込められ、『崖の上のポニョ』は、現実にいる4人の母親像を持った人物を投影している作品として、母親同士の理解と尊重を描いています。

「あなたも!グランマンマーレ!」という言葉は、表面上は感謝の気持ちを返しただけのように見えますが、実際には:

  • 相手への対等な尊重 – 神的存在に対しても一個人として接する
  • 母親同士の共感 – 同じ立場として理解し合う気持ち
  • 名前で呼ぶ意味 – 個人の人格を認める宮崎駿の価値観
  • 多様性の受容 – 異なる存在同士の調和への願い

最後のセリフで「お互いに頑張りましょう、ありがとう」と励まし合っているリサとグランマンマーレ。これからも2人は良い関係であり続けるでしょう。

リサの最後のセリフは、単なる挨拶ではなく、異なる世界に生きる母親同士が理解し合い、共に子供たちの幸せを願う深い愛情の表現だったのです。この短い言葉に、宮崎駿監督の人間観、女性観、そして現代社会への希望が込められていると言えるでしょう。

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