崖の上のポニョのモデルは金魚の「らんちゅう」が有力!
映画「崖の上のポニョ」を観た多くの人が抱く疑問、それは「ポニョって一体何の魚なの?」というものです。赤い体に丸い顔、愛らしい表情のポニョですが、実在する魚をモデルにしているのでしょうか。
結論から言うと、ポニョのモデルは金魚の品種「らんちゅう」である可能性が最も高いとされています。映画製作プロデューサーが「ポニョのモデルは金魚だった」と発言しているという情報があり、最初は「ポ~ニョ ポ~ニョ ポニョ 金魚の子♪」という歌詞だったが、「海にいるのに金魚はおかしい」という指摘で「さかなの子」という曖昧な表現になったとも言われています。
しかし、実際にはもう少し複雑な背景があります。ポニョのモデルには複数の候補があり、それぞれに根拠となるエピソードが存在するのです。
なぜ「らんちゅう」がモデルと考えられるのか?
鞆の浦の金魚店でのエピソード
宮崎駿監督がポニョの舞台となった広島県福山市の鞆の浦に構想を練るために長期滞在した際、近くの店で飼われていた「らんちゅう」という金魚がポニョのモデルになったという話があります。この店は「海彦」という具体的な名前も挙げられており、現在も営業している和風の喫茶店だそうです。
らんちゅうの特徴とポニョの共通点
らんちゅうは金魚の品種の中でも特に特徴的な外見を持っています:
- 丸い体型:ずんぐりとした愛らしいフォルム
- 頭のこぶ(肉瘤):ポニョの髪の毛のような部分
- 赤い体色:ポニョの特徴的な色合い
- 背ビレがない:すっきりとしたシルエット
これらの特徴は確かにポニョの外見と多くの共通点があります。
キンギョハナダイ説の検証
なぜキンギョハナダイが候補に挙がったのか
一方で、「キンギョハナダイ」がモデルではないかという説もあります。この説が生まれた理由は以下の3つです:
- サンシャインシティ30周年記念「崖の上のポニョ展」のポスターに「キンギョハナダイ」が写っていた
- ポニョは海で生まれたのだから、淡水魚の金魚ではない
- 「キンギョ」という名前の海水魚といえば、「キンギョハナダイ」
キンギョハナダイの特徴
キンギョハナダイはあくまでハナダイの仲間であり、キンギョとは縁もゆかりもないが、その見た目がキンギョそっくりなことから「キンギョハナダイ」という名前が付けられた海水魚です。
項目 | キンギョハナダイの特徴 |
---|---|
生息環境 | インド洋、太平洋などのサンゴ礁エリア、本州~九州の岩礁 |
体色 | メスはオレンジ色、オスは赤紫色 |
大きさ | オス11~14cm、メス4~6cm |
特徴 | 成長するにつれて性転換をする(メスからオスへ) |
作画監督が明かしたポニョの真のモデル
近藤勝也さんの娘がモデル
実は、最も重要な証言があります。作画監督の近藤勝也さんがインタビューで「ポニョのモデルはうちの娘なんです。実際、仕事で説明をする時にも宮崎さんは『ポニョ』とは言わないで、うちの娘の名前を呼ぶんですよ」と明かしているのです。
女の子・ポニョのモデルは近藤さんの娘・ふきちゃんで、ジブリ美術館の短編アニメーション『やどさがし』の制作中に誕生したふきちゃんを、宮崎駿監督はとても可愛がっていたそうです。
鈴木プロデューサーの「おもちゃの金魚」発言
さらに、鈴木敏夫プロデューサーが実際におもちゃを見せてくれたわけではないが、発言をヒントに探すと、おもちゃの金魚のようなものがモデルの一つだったという話もあります。
SNSや専門家の見解
Twitter上での議論
本物のポニョを発見!#崖の上のポニョ#ポニョ#ジブリ映画 #ジブリ好きと繋がりたい #ジブリ #らんちゅう
引用:Twitter
このようなツイートが話題となり、らんちゅうとポニョの類似性が注目されました。実際の画像を比較すると、確かに似ている部分があります。
専門サイトでの分析
私の答えとしては、「らんちゅう」も「キンギョハナダイ」も少なからず2種類とも、ポニョのモデルの参考にはなっていると思いました。だって、「さかなの子」ですから!!
引用:MF-BBC-CH
金魚専門店での発見
崖の上のポニョの「ポニョ」、映画が上映された当時から「モデルになったのは金魚のらんちゅうなんじゃないか?」なんて言われていたけど、この度、金魚専門店の「和の美」が、ついにポニョそっくりの金魚(桜錦)を入荷した模様。
引用:Aqua Talk
水族館の専門的見解
キンギョハナダイのオスとメス。性転換することが知られている魚類です。葛西臨海水族園で2017年5月28日(日)に開催する「スタッフトーク」では、性が変わる魚についてお話しします。
別の切り口から見た結論:複合的なモデル説
これらの情報を総合すると、ポニョのモデルは単一の魚種ではなく、複数の要素を組み合わせて作られたキャラクターである可能性が高いと考えられます。
モデルの構成要素
- 人物モデル:近藤勝也さんの娘・ふきちゃん
- 外見モデル:鞆の浦の金魚店で飼われていたらんちゅう
- 参考要素:鈴木プロデューサーが示唆したおもちゃの金魚
- 設定上の配慮:海で生まれるという設定からキンギョハナダイも参考
なぜ「さかなの子」なのか
ポニョはたまたま「金魚のような姿」をしていただけで、その見た目には深い意味はなく、ポニョは魔法使いの子であり、海の女神の子なので、適切に表現するなら「海の子」と言えるでしょう。
まとめ:ポニョのモデルの真実
崖の上のポニョのモデルについて詳しく調査した結果、以下のことが明らかになりました:
最も有力な魚のモデルは金魚の品種「らんちゅう」ですが、これは外見上の参考に過ぎません。
真のモデルは作画監督・近藤勝也さんの娘・ふきちゃんであり、宮崎駿監督は制作中も彼女の名前を使っていたという証言があります。
キンギョハナダイ説も完全に否定されるものではなく、海という設定を考慮した参考要素の一つとして存在します。
結論として、ポニョは複数のモデルを組み合わせて生まれたキャラクターであり、単一の魚をモデルにしたわけではないということです。「海にいるのに金魚はおかしい」という指摘により「さかなの子」という曖昧な表現になったのも、このような複合的な成り立ちを反映していると言えるでしょう。
この記事を読むことで、ポニョのモデルに関する基本的な知識から、制作秘話まで幅広く理解していただけたのではないでしょうか。ポニョの愛らしさの秘密は、宮崎駿監督の細やかな観察と愛情が込められた、複数の要素の絶妙な組み合わせにあったのです。