火垂るの墓の実写・ドラマ版とは？基本情報と結論
スタジオジブリのアニメ映画「火垂るの墓」として親しまれている野坂昭如原作の名作は、実は2つの実写版が制作されています。結論から言うと、2005年に松嶋菜々子主演のドラマ版と2008年に松田聖子出演の映画版が存在し、それぞれ異なる視点で戦争の悲劇を描いています。
現在これらの実写版は、TSUTAYA DISCAS、DMM TV、TELASA、Huluなどの動画配信サービスで視聴することが可能です。特にTSUTAYA DISCASでは新作以外のDVDを無料で借りられる30日間の無料お試しレンタルを利用すれば、無料で視聴することができます。
2つの実写版の詳細と制作背景
2005年ドラマ版「終戦六十年スペシャルドラマ」
2005年11月1日の火曜日21:00 – 23:54に日本テレビ系で放送された「終戦六十年スペシャルドラマ『火垂るの墓―ほたるのはか―』」は、アニメ版とは全く異なる視点で描かれた意欲作です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 放送日 | 2005年11月1日 |
| 放送局 | 日本テレビ系 |
| 主演 | 松嶋菜々子（澤野久子役） |
| 清太役 | 石田法嗣 |
| 節子役 | 佐々木麻緒 |
| その他出演 | 井上真央、伊原剛志、要潤、生瀬勝久、段田安則、岸恵子 |
このドラマ版の最大の特徴は、原作では「未亡人」「小母さん」とだけ表記されていた叔母さんに初めて「澤野久子」なる役名が授けられ、主人公に据えられたことです。久子は最初から清太たちに冷たかったわけではなく、空襲で家と母親を失った清太たちを何かと気遣い、自分の食事を削ってまで世話をしていました。
2008年映画版「火垂るの墓」
2008年7月5日に劇場公開された実写映画版は、戦争映画を多数制作した黒木和雄監督の企画を受け継ぎ、『誰がために』の日向寺太郎がメガホンを取りました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 公開日 | 2008年7月5日 |
| 監督 | 日向寺太郎 |
| 清太役 | 吉武怜朗 |
| 節子役 | 畠山彩奈 |
| 母親役 | 松田聖子 |
| 叔母役 | 松坂慶子 |
| その他出演 | 原田芳雄、長門裕之、池脇千鶴、江藤潤 |
全ての撮影が舞台となる兵庫県内で行われ、池の土手を歩くシーンや池辺で飛び交う蛍をとる印象的なシーンは、西脇市黒田庄町喜多字秋谷口の秋谷池で撮られたのも特徴です。
それぞれの作品の違いと特色
視点の違い
ドラマ版の最大の特徴は、清太と節子を引き取った叔母の視点から物語が描かれていることです。アニメ版では語られなかった西宮のおばさん視点でもストーリーが進むことで、新たに気付きや、新たな思いが生じます。
一方、映画版は清太の視点を中心としつつも、戦争そのものの恐ろしさよりも戦争によって狂ってしまったかのような人間の怖さを描いているのが特徴です。
描写の違い
アニメ版、ドラマ版では節子が死んだ際は火葬シーンがあるが、映画では火葬せずに土葬のみとなっているという違いもあります。また、実写映画では最初から最後まで叔母の態度が悪く、「家に置くのを半年前に夫が戦争で戦死し大変なため、一度は追い返そうとするも食料を持っていたことから態度を変えて置く」流れで共同生活が始まっているのです。
現在の視聴方法と配信状況
ドラマ版の視聴方法
2005年のドラマ版は以下の方法で視聴可能です：
- TSUTAYA DISCAS：DVDレンタル（30日間無料トライアル利用可能）
- DVD購入：Amazonなどのオンラインストアで購入可能
映画版の視聴方法
2025年現在、実写映画「火垂るの墓」を視聴をできるのは「TSUTAYA DISCAS」・「DMM TV」・「TELASA」・「Hulu」です。
- TSUTAYA DISCAS：DVDレンタル
- DMM TV：動画配信
- TELASA：動画配信
- Hulu：動画配信
無料視聴の方法
TSUTAYA DISCASの無料トライアルを利用してのDVDレンタルがおすすめです。TSUTAYA DISCASは初回30日間の無料トライアルがあり、映画『火垂るの墓 終戦六十年スペシャルドラマ』の他にも無料視聴することができます。
制作関係者の証言とSNSでの反響
原作者・野坂昭如のコメント
野坂昭如は「ドラマは、原作を離れて自由である。ぼくの小説が戦後60年経った現在、違う形となり、今を生きる人たちに、戦争の惨たらしさを少しでも伝えられれば、原作者として有難いこと」とのメッセージを寄せていると語っており、実写化に対して理解を示していました。
視聴者からの評価
「アニメ映画を見た方には、是非見て頂きたい作品です。誰もが知っているスタジオジブリのアニメ版は、清太視点でストーリーが進むため、子供の時に見ると「清太達が可哀想」。大人になって見ると「子供達にこんな体験をさせてはならない」と感じる作品ですが、このドラマ版は清太視点に加えて、アニメ映画では語られなかった西宮のおばさん視点でもストーリーが進むことで、新たに気付きや、新たな思いが生じます。」
「この実写版については、私はアニメ版とは別物として捉えています。アニメではほんの脇役だった人物にあえて焦点を当て、アニメ版より多角的な描き方をしていると思いました。」
「松田聖子さんが出演している戦時中の映画。アニメ版の良さを超えるほどではないので、それより低めに評価したが、BGMが抜群に良いので聴くだけでも今作の価値がある。」
なぜ実写化されたのか？時代背景と意図
終戦60年の節目ということもあり、各局でさまざまな記念特番が企画されていました。そんな中、日テレで放送されたのが、このスペシャルドラマだったというわけです。
エンディングでは、現在の戦争下の国での子どもたちの笑顔のカットが使われ、「このドラマはフィクションですが、世界中には今も清太や節子のように戦火の中に暮らしている子供たちが数多くいます。」とのメッセージでクローズしていることからも、現代への警鐘としての意図が込められていることがわかります。
アニメ版との比較で見る実写版の価値
実写版の最大の価値は、アニメ版では描ききれなかった周囲の大人たちの事情を詳しく描いている点です。
ドラマ版は、この食料事情についても清太視点だけでなく、西宮のおばさん家族の視点でも描かれているので、アニメ版で涙した人にこそこのドラマ版を見て頂きたいという評価もあります。
映画版については、観客の涙を誘うことよりも死生観にスポットを当てることをメインとした作品として評価されており、静かな映像で戦下の日本の悲劇を瑞々しく浮き彫りにする作品となっています。
ロケ地と制作の裏話
蛍の飛ぶ印象的なシーンの撮影を行った秋谷池（西脇市黒田庄町）では現在も「火垂るの墓撮影地の石碑」が立っており、ファンの聖地巡礼スポットとなっています。
キャスティングについても興味深いエピソードがあります。叔母役の松坂慶子は事実上の悪役ということから一度はオファーを断ったと告白しているのです。また、映画版では、清太と節子の母親役に松田聖子がふんし話題となったことも当時大きな注目を集めました。
実写版を観る前に知っておくべきポイント
実写版を楽しむためには、アニメ版とは別の作品として捉えることが重要です。この実写版については、私はアニメ版とは別物として捉えていますという視聴者の声もあるように、それぞれの良さを理解して鑑賞することが大切です。
特にドラマ版は、叔母の立場から見た戦時中の生活の厳しさが詳細に描かれており、単純に「悪役」として描かれていた叔母の複雑な心境を理解できる作品となっています。
まとめ：火垂るの墓の実写・ドラマ版の意義
火垂るの墓の実写版は、2005年のドラマ版と2008年の映画版という2つの形で制作され、それぞれがアニメ版では描けなかった視点を提供しています。
現在はTSUTAYA DISCAS、DMM TV、TELASA、Huluなどで視聴可能で、特にTSUTAYA DISCASの30日間無料トライアルを利用すれば無料で視聴できます。
これらの実写版は、原作者・野坂昭如の「戦争の惨たらしさを少しでも伝えられれば」という願いを受け継ぎ、現代の視聴者に新たな気付きを与える貴重な作品となっています。アニメ版とは異なる視点で戦争の悲劇を描いた実写版を通じて、私たちは戦争の持つ多面的な影響をより深く理解することができるのです。