食材別カロリー

鶏肉のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素も部位別に徹底分析

鶏肉のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素も部位別に徹底分析 食材別カロリー
鶏肉のカロリーは高い?低い?糖質などの栄養素も部位別に徹底分析

鶏肉は日本の食卓に欠かせない人気食材として、幅広い料理に使われています。「ヘルシー」というイメージが強い鶏肉ですが、実際のカロリーや栄養価はどの程度なのでしょうか。また、部位によってカロリーが大きく異なることをご存知でしょうか。

今回は、鶏肉の各部位のカロリーや糖質、そして豊富な栄養素について詳しく解説します。ダイエット中の方から筋トレ愛好者まで、目的に応じた最適な部位選びのコツもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

鶏肉の基本的なカロリーと栄養素

鶏肉の100gあたりのカロリーは部位によって大きく異なり、最も低いのは鶏ささみ(98kcal)で、次は鶏むね肉皮なし(105kcal)となっています。一方で、鶏もも肉皮つき(190kcal)、鶏むね肉皮つき(133kcal)、鶏手羽元(175kcal)、鶏手羽先(207kcal)は、脂肪分の多い皮がついているため、カロリーが高い傾向です。

部位別カロリー比較表(100gあたり)

部位 カロリー(kcal) たんぱく質(g) 脂質(g) 糖質(g)
ささみ 98 23.9 0.8 0
むね肉(皮なし) 105 23.3 1.9 0
むね肉(皮つき) 133 21.3 5.9 0.1
もも肉(皮なし) 113 19.0 5.0 0
もも肉(皮つき) 190 16.6 14.2 0
手羽元 175 18.2 12.8 0
手羽先 207 17.5 16.2 0

鶏肉の最大の特徴は、糖質がほぼ0gということです。糖質は部位に関わらず、ほとんど含まれていませんので、糖質制限ダイエット中の方にも最適な食材といえるでしょう。

鶏肉がダイエットに適している理由

高タンパク・低脂質の理想的なバランス

鶏肉、特に胸肉やささみは、低カロリーながら高タンパクという理想的な栄養素バランスを持っています。この栄養プロファイルにより、カロリー制限中でも筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすことが可能になります。

ダイエット効果のメカニズム:

  • 基礎代謝向上:高タンパク質食は基礎代謝を上げる熱産生効果があり、カロリー消費を促進します
  • 満腹感の持続:研究によれば、同カロリーの食事でも、タンパク質の割合が高いほど自然な食事制限につながることが示されています
  • 筋肉量維持:ダイエット中の筋肉量減少を防ぎ、リバウンドしにくい体作りをサポート

他の肉類との比較

豚バラ肉は鶏むね肉の約4倍のカロリーを持ち、脂質含有量が圧倒的に多いです。同じ100gを摂取した場合、豚バラ肉よりも鶏むね肉を選ぶことで、約326kcalものカロリーカットが可能です。

肉類 カロリー(kcal/100g) たんぱく質(g) 脂質(g)
鶏むね肉(皮なし) 105 23.3 1.9
豚バラ肉 431 14.4 39.3
牛肩ロース 380 13.8 35.4

三大栄養素の詳細解析

たんぱく質の含有量と質

ささみのたんぱく質が最も多く、もも肉皮付きが最も少なくなっています。ささみとむね肉にはたんぱく質が多いのがわかります。鶏肉のたんぱく質は「完全たんぱく質」と呼ばれ、人体で合成できない9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいます。

体内へ取り込んだ食べ物や薬を分解したり、そこから別のものを産生したりするはたらきを代謝といいます。私たちの体のたんぱく質は、毎日少しずつ新しいものに作り替えられているため、日々の食事から鶏肉のような良質なたんぱく質を摂る必要があります。

脂質の特徴

タンパク質が1g当たり約4kcalであるのに対し、脂肪は1g当たり約9kcalと倍以上のカロリーがあるため、脂肪の多い部位はカロリーが高くなっています。特に皮は鶏の部位のなかでも脂質の多い部位です。

皮の除去によるカロリー削減効果:

  • もも肉:皮つき190kcal → 皮なし113kcal(約40%削減)
  • むね肉:皮つき133kcal → 皮なし105kcal(約21%削減)

炭水化物・糖質

鶏肉の最大の特徴として、炭水化物・糖質がほぼ0gであることが挙げられます。これにより、糖質制限ダイエットや血糖値管理が必要な方にとって理想的な食材となっています。

豊富なビタミン・ミネラル成分

主要なビタミン類

鶏むね肉の栄養は、ビタミンKとナイアシンなどが豊富。そのほかにはビタミンB6やパントテン酸、ミネラルではセレンも多い。

栄養素 含有量(100gあたり) 主な働き
ナイアシン 11.6mg エネルギー代謝、アルコール分解
ビタミンB6 0.64mg たんぱく質代謝、神経機能維持
パントテン酸 1.45mg 脂質代謝、ストレス緩和
ビタミンK 29μg 血液凝固、骨形成
レチノール 3μg 皮膚・粘膜の健康維持

ナイアシンの効果

ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わり、エネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働くビタミンの一種です。アルコールの分解にも必要なビタミンなので、お酒と一緒に摂取することで二日酔い予防にも効果が期待できます。

パントテン酸の働き

パントテン酸は、糖質や脂質をエネルギーに変える働きやストレスを和らげる副腎皮質ホルモンの働きを助ける役割があります。

重要なミネラル成分

ミネラル 含有量(100gあたり) 主な働き
セレン 17μg 抗酸化作用、甲状腺機能サポート
カリウム 220mg 血圧調整、筋肉機能サポート
リン 180mg 骨・歯の形成、エネルギー代謝
0.2mg 酸素運搬、貧血予防
亜鉛 0.6mg 免疫機能、味覚機能維持

セレンの抗酸化効果

セレンは抗酸化作用があり、免疫機能の維持や甲状腺機能のサポートに役立ちます。体内の活性酸素を除去し、老化防止や生活習慣病の予防に貢献します。

調理法による栄養価の変化

カロリーの変化

鶏肉はゆでたり焼いたりすると、脂が落ちるためカロリーが低くなります。具体的な変化を見てみましょう。

調理法 もも肉(皮つき) むね肉(皮つき) ささみ
190kcal 133kcal 98kcal
ゆで 151kcal 110kcal 121kcal
焼き 134kcal 132kcal
から揚げ 307kcal 246kcal

から揚げは衣が付いており、揚げ油も吸収しているためにカロリーと糖質が高くなっています。健康的な調理法を選ぶことで、大幅なカロリーカットが可能です。

おすすめ調理法

ダイエット中の調理法は「ゆでる」「焼く」「蒸す」がおすすめです。油を使わずに調理でき、鶏肉に含まれる脂も落とせるため、カロリーを抑えられます。

  • 蒸し調理:栄養素を逃さず、しっとり仕上がる
  • 茹で調理:一度茹でて湯を捨てることで、脂肪分を減らせます
  • グリル焼き:余分な脂が落ちるように、網の上に置いて焼くのがポイント
  • ノンオイル調理:テフロン加工のフライパンやグリルパンを使用すれば、油をほとんど使わずに調理できます

よくある質問Q&A

Q1: 鶏肉の皮は食べない方がいいの?

A: 鶏もも肉の皮は1枚50g程度で、237kcalもあります。皮を外すだけでカロリーを半分近く減らせるため、ダイエット中は必ず外しましょう。ただし、皮にはコラーゲンやビタミンAも含まれているので、完全に避ける必要はありません。

Q2: 筋トレ中はどの部位がおすすめ?

A: たんぱく質が多くかつカロリーが少ないのは『ささみ』ということでした。次に胸肉(皮なし)がおすすめです。筋肉の合成に必要な必須アミノ酸が豊富に含まれています。

Q3: 鶏肉を毎日食べても大丈夫?

A: 鶏肉ばかり食べた方がスポーツ選手にとって良いというわけではありませんのでご注意ください。バランスの良い食事を心がけ、他の食材と組み合わせることが大切です。

Q4: 冷凍の鶏肉と生の鶏肉で栄養価は変わる?

A: 基本的な栄養価に大きな差はありませんが、冷凍によって細胞が壊れ、解凍時に水分と一緒にビタミンの一部が流出する可能性があります。解凍後は早めに調理することをおすすめします。

Q5: 鶏肉アレルギーの代替食材は?

A: 同様に高たんぱく・低脂質の食材として、白身魚(タラ、ヒラメなど)、豆腐、卵白などがおすすめです。アレルギーの症状がある場合は、必ず医師に相談してください。

Q6: 有機栽培の鶏肉と普通の鶏肉の違いは?

A: 栄養価にはそれほど大きな違いはありませんが、有機栽培の鶏肉は抗生物質や成長ホルモンを使用していないため、より安心・安全といえるでしょう。ただし、価格が高くなる傾向があります。

Q7: 鶏肉の脂質は体に悪い?

A: 鶏肉の脂質は不飽和脂肪酸の割合が多く、適量であれば健康に有益です。ただし、摂り過ぎはカロリー過多につながるため、ダイエット中は皮を除去するなどの工夫をしましょう。

Q8: 妊娠中に鶏肉を食べる際の注意点は?

A: 妊娠中でも鶏肉は重要なたんぱく源になります。ただし、生や半生での摂取は避け、しっかりと加熱調理してから食べるようにしてください。食中毒のリスクを避けるためです。

鶏肉100gのカロリーを消費する運動時間

鶏もも肉(皮つき)100g分のカロリー190kcalを消費するために必要な運動時間をご紹介します。体重60kgの成人を基準とした目安です。

運動種類 必要時間 運動強度
ウォーキング(時速4km) 約60分
早歩き(時速6km) 約40分
ジョギング(時速8km) 約25分 中~高
サイクリング(時速15km) 約35分
水泳(クロール) 約15分
筋力トレーニング 約30分 中~高
ヨガ・ピラティス 約50分 低~中
テニス(ダブルス) 約30分
バドミントン 約25分 中~高
掃除・家事 約70分

皮なしのもも肉(113kcal)なら、これらの時間を約40%短縮できます。部位選びがいかに重要かがわかります。

日常生活での消費カロリー

  • 階段昇降:約20分(10階相当)
  • 立ち仕事:約90分
  • デスクワーク:約3時間
  • 料理・洗い物:約60分
  • 買い物(歩行含む):約50分

部位別おすすめ活用法

ダイエット目的の場合

  1. ささみ:サラダ、蒸し料理、スープの具材として最適
  2. むね肉(皮なし):グリル、ソテー、蒸し料理におすすめ
  3. もも肉(皮なし):煮込み料理、炒め物で満足感アップ

筋力アップ目的の場合

  1. ささみ:プロテイン含有量が最も高く、トレーニング後の回復に最適
  2. むね肉:コストパフォーマンスが良く、継続的な摂取に適している
  3. もも肉:鉄分も摂取でき、持久系スポーツ選手におすすめ

家族向け料理の場合

  1. 手羽元・手羽先:煮込み料理、スープで骨からの出汁も楽しめる
  2. もも肉(皮つき):唐揚げ、照り焼きなどの定番料理に最適
  3. むね肉:チキンカツ、親子丼などの家庭料理にぴったり

まとめ:鶏肉を上手に活用しよう

鶏肉は部位によってカロリーが大きく異なる食材です。ささみの98kcalから手羽先の207kcalまで、同じ100gでも2倍以上の差があります。しかし、どの部位も糖質はほぼ0gで、高品質なたんぱく質を豊富に含んでいるという共通点があります。

ダイエット中であれば皮なしの胸肉やささみを選び、筋力アップが目的なら皮なしのもも肉も選択肢に入ります。調理法も重要で、鶏もも肉はゆでると39kcal、焼くと56kcal減り、2~3割カロリーカットできます。

鶏肉の栄養価を最大限に活かすコツ:

  • 目的に応じた部位選択
  • 皮の除去による脂質カット
  • 油を使わない調理法の選択
  • 他の食材との組み合わせでバランス良い栄養摂取

鶏肉は価格も手頃で、様々な料理にアレンジできる万能食材です。鶏肉を100g摂取することで、1日に必要なたんぱく質の約1/3量を摂取することができます。今回ご紹介した情報を参考に、あなたの健康目標に最適な鶏肉の部位と調理法を見つけて、美味しく健康的な食生活を送ってください。

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