食材別カロリー

えびのカロリーは高い?低い?糖質や栄養素を管理栄養士が徹底解説

えびのカロリーは?糖質や栄養素を管理栄養士が徹底解説 食材別カロリー
えびのカロリーは?糖質や栄養素を管理栄養士が徹底解説

えびは日本人に非常に人気の高い魚介類で、刺身から天ぷら、エビチリまで様々な料理で楽しまれています。しかし、その美味しさの裏に隠された栄養価やカロリーについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。

今回は、えびのカロリーや糖質量から詳細な栄養素まで、管理栄養士の視点から徹底的に解説していきます。ダイエット中の方や栄養管理に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

えびの基本カロリー情報

主要なえび種類別カロリー一覧

えびは種類によってカロリーに違いがありますが、総じて低カロリーな食材です。以下に主要なえびの種類別カロリーを表にまとめました:

えびの種類 カロリー(100gあたり) カロリー(1尾あたり)
ブラックタイガー 82kcal 約16kcal(20g)
バナメイエビ 91kcal 約18kcal(20g)
甘エビ 87kcal 約5kcal(5.5g)
車エビ 97kcal 約19kcal(20g)
伊勢エビ 92kcal
大正エビ 95kcal 約12kcal(14g)
芝エビ 83kcal 約8kcal(10g)
桜エビ(茹で) 91kcal
桜エビ(素干し) 312kcal
干しエビ 233kcal

他の魚介類とのカロリー比較

えびと他の魚介類を比較すると、えびは魚介類の中でも中程度のカロリーを持つ食材です。

  • えび(ブラックタイガー):77kcal
  • かに(ずわいがに):59kcal
  • たこ(まだこ):70kcal

3種類の中ではカロリー・糖質量ともに、えびがもっとも高いことが分かります。

えびの糖質量とダイエット効果

糖質量の詳細分析

えびの糖質量は非常に低く、ダイエットに適した食材です。

えびの種類 糖質量(100gあたり)
ブラックタイガー 0.3g
バナメイエビ 0.7g
甘エビ 0.1g
車エビ 0g
伊勢エビ 0g
大正エビ 0.1g
芝エビ 0.1g
桜エビ(素干し) 0.1g
干しエビ 0g

ダイエット効果とおすすめ度

えびは低カロリー・低脂質でダイエット中でも安心して食べられる食材です。

  • ダイエット効果:★★★★★(5段階評価)
  • 低カロリー:100gあたり77~97kcal
  • 低糖質:100gあたり0~0.7g
  • 低脂質:100gあたり0.3g
  • 高たんぱく質:100gあたり18.4g

えびは抗酸化作用がありアンチエイジングも期待できるアスタキサンチンが含まれています。さらに、えびは低脂質、高たんぱく質、低カロリーな理想のダイエット食材と言えます。

えびの三大栄養素

たんぱく質・脂質・炭水化物の詳細

えびは優れたたんぱく質源として知られています。

栄養素 含有量(100gあたり) 特徴
たんぱく質 18.4g 筋肉や血液の材料となる重要な栄養素
脂質 0.3g 極めて低脂質でダイエット向き
炭水化物 0.3g 糖質がほとんどない

たんぱく質の優秀性

えびは、鶏の手羽元肉や豚肩肉と同程度にたんぱくを多く含みます。

  • 男性(18~64歳):1日65g推奨
  • 女性(18~64歳):1日50g推奨
  • えび100g:18.4g(男性の約28%、女性の約37%)

えびの詳細栄養素

ビタミン類

えびには抗酸化作用の高いビタミンEが豊富に含まれています。

ビタミン 含有量(100gあたり) 主な効果
ビタミンE 1.4~3.8mg 抗酸化作用、血行促進、冷え性改善
ビタミンB12 2.1μg 赤血球の形成、神経系の維持
ナイアシン 2.4mg エネルギー代謝の促進
パントテン酸 0.45mg 代謝機能のサポート

ミネラル類

えびにはカルシウムや亜鉛などの重要なミネラルが豊富に含まれています。

ミネラル 含有量(100gあたり) 主な効果
カルシウム 67mg 骨・歯の形成、神経興奮の抑制
カリウム 270mg 血圧調整、むくみ改善
リン 220mg 骨・歯の形成、エネルギー代謝
1.4mg 酸素運搬、貧血予防
亜鉛 1.4mg 味覚維持、免疫機能向上
0.33mg 鉄の吸収促進、酵素の活性化
マグネシウム 37mg 筋肉・神経機能の維持
セレン 27μg 抗酸化作用、甲状腺機能の維持

特有の機能性成分

#

アスタキサンチン

アスタキサンチンとはエビやカニなどの甲殻類にたんぱく質を結合して存在している赤い色素成分のこと。ビタミンEの千倍以上の高い抗酸化作用があるとされ、動脈硬化の改善にも有効と考えられています。

  • 抗酸化作用:ビタミンEの約1000倍
  • 美肌効果:紫外線からの保護
  • 眼精疲労改善:目の周りの血行促進
  • 疲労回復効果:筋肉損傷の抑制

#

タウリン

タウリンは魚介類や甲殻類に多く含まれるアミノ酸の一種で、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、肝機能や疲労の回復を促したりする効果があります。

  • コレステロール低下:胆汁酸と結合して消費
  • 肝機能向上:肝細胞の保護
  • 心臓機能強化:心筋の収縮力向上
  • 高血圧予防:血圧調整作用

#

キチン

海老は殻にも豊富な栄養が含まれており、キチン質やアスタキサンチン、カルシウムなどが代表的な成分として挙げられます。

  • コレステロール低下:腸内での吸収阻害
  • 腸内環境改善:善玉菌の増殖促進
  • 免疫機能向上:自然免疫の活性化

えびに関するよくある質問Q&A

Q1. えびはダイエット中に食べても大丈夫ですか?

えびは低脂質、高たんぱく質、低カロリーな理想のダイエット食材です。エビは低脂質・高タンパク質なので、ダイエット中にも活用しやすい食材です。

ダイエット中におすすめの理由:

  • 100gあたり77~97kcalと低カロリー
  • 糖質量が0~0.7gと極めて低い
  • たんぱく質が18.4gと豊富
  • 満腹感を得やすい

Q2. えびの糖質量が気になります。糖質制限中でも食べられますか?

えびは甘みがあることがウリなのだが、意外にも糖質量が0に近い食材です。糖質制限中でも安心して食べられます。

糖質制限中におすすめの理由:

  • ほとんどの種類で糖質量が0.1g以下
  • 甘エビや伊勢エビは特に糖質が少ない
  • 調理方法を工夫すれば糖質を抑えられる

Q3. えびの殻も食べた方が良いですか?

海老は殻にも豊富な栄養が含まれており、キチン質やアスタキサンチン、カルシウムなどが代表的な成分です。

殻を食べるメリット:

  • カルシウム摂取:骨・歯の健康維持
  • アスタキサンチン:強力な抗酸化作用
  • キチン:腸内環境改善
  • 食物繊維:便秘改善

Q4. えびを食べ過ぎると何か問題がありますか?

エビはコレステロールの多い食材です。食べ過ぎには注意が必要です。

注意点:

  • コレステロール:1日200mg未満に抑制
  • アレルギー:甲殻類アレルギーの可能性
  • プリン体:痛風の方は摂取量に注意

Q5. えびの栄養を効率的に摂取する調理法は?

ゆでる時はゆで汁ごと食べられるスープにすると栄養を逃さず食べられます。

おすすめの調理法:

  • スープ・味噌汁:水溶性ビタミンを逃さない
  • 殻ごと焼く:アスタキサンチンを効率摂取
  • オリーブオイル炒め:脂溶性ビタミンの吸収促進
  • 刺身:栄養素の損失が最小限

Q6. 妊娠中や授乳中でもえびを食べて大丈夫ですか?

えびは筋肉や血液など身体を構成する材料となる、重要な栄養素であるたんぱく質が豊富で、妊娠中や授乳中にも適した食材です。

注意点:

  • 新鮮なものを選択する
  • 十分に加熱して食べる
  • アレルギーの有無を確認
  • 適量を心がける

えびのカロリーを消費するための運動時間

消費カロリー(kcal)=METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05という計算式を使って、えび100g(約82kcal)を消費するために必要な運動時間を算出してみましょう。

体重50kgの場合

運動種目 METs 必要時間
階段駆け上がり 15.0 約1分
縄跳び 12.0 約1分30秒
ランニング(速い) 10.0 約1分30秒
サイクリング 8.0 約2分
ランニング(普通) 7.0 約2分30秒
エアロビクス 6.5 約2分30秒
早歩き 5.0 約3分
普通歩行 3.5 約4分30秒
水泳(クロール) 8.0 約2分
テニス 7.0 約2分30秒

体重60kgの場合

運動種目 METs 必要時間
階段駆け上がり 15.0 約50秒
縄跳び 12.0 約1分10秒
ランニング(速い) 10.0 約1分20秒
サイクリング 8.0 約1分40秒
ランニング(普通) 7.0 約2分
エアロビクス 6.5 約2分
早歩き 5.0 約2分30秒
普通歩行 3.5 約3分40秒
水泳(クロール) 8.0 約1分40秒
テニス 7.0 約2分

体重70kgの場合

運動種目 METs 必要時間
階段駆け上がり 15.0 約40秒
縄跳び 12.0 約1分
ランニング(速い) 10.0 約1分10秒
サイクリング 8.0 約1分30秒
ランニング(普通) 7.0 約1分40秒
エアロビクス 6.5 約1分50秒
早歩き 5.0 約2分10秒
普通歩行 3.5 約3分10秒
水泳(クロール) 8.0 約1分30秒
テニス 7.0 約1分40秒

運動時間の目安

えび100gのカロリーは比較的低いため、軽い運動でも短時間で消費することができます。例えば:

  • 階段を1分間駆け上がるだけで消費可能
  • 普通の歩行なら3~4分程度
  • 家事をしながらでも十分消費可能
  • 日常生活の中で自然に消費されるレベル

調理法別のカロリー変化

調理法によるカロリーの変化

実際に調理された場合、カロリーや糖質量がどのくらい増えるのかを詳しく見てみましょう。

調理法 カロリー(100gあたり) 糖質量(100gあたり) 特徴
生(刺身) 82kcal 0.3g 栄養素の損失が最小限
茹で 85kcal 0.3g 水溶性ビタミンが溶出
焼き 90kcal 0.3g アスタキサンチンが活性化
天ぷら 199kcal 7.1g 衣と油でカロリー大幅増
エビフライ 238kcal 7.8g パン粉でさらにカロリー増
エビチリ 204kcal 10.0g 甘辛いタレで糖質増

ダイエット中の調理法選択

天ぷらかえびフライか、どちらかを選ぶ必要がある時は、メタボ世代は天ぷらを選ぶべきとされています。

ダイエット中におすすめの調理法:

  1. 刺身:最も低カロリー
  2. 茹で:油を使わない
  3. 焼き:適度な香ばしさ
  4. 蒸し:栄養素を保持
  5. スープ:水溶性ビタミンも摂取

栄養価を最大限活かす食べ方

栄養吸収を高める食べ合わせ

ビタミンEはビタミンCと一緒に食べると相乗効果が得られます。

おすすめの食べ合わせ:

  • えび+レモン:ビタミンC補給で抗酸化力アップ
  • えび+トマト:リコピンとの相乗効果
  • えび+オリーブオイル:脂溶性ビタミンの吸収促進
  • えび+ブロッコリー:ビタミンC・K・葉酸を補完
  • えび+アボカド:良質な脂質でアスタキサンチン吸収向上

殻も活用する方法

アスタキサンチンはえびの殻にも含まれるため、えびを殻ごと汁物に使い、みそ汁やスープとして味わうのもいいでしょう。

殻の活用法:

  • えび味噌汁:殻の栄養素を丸ごと摂取
  • えびスープ:出汁として殻を活用
  • 素揚げ:小エビを丸ごと食べる
  • かき揚げ:桜エビを殻ごと調理

季節による栄養価の違い

えびは一年中手に入る食材ですが、天然物と養殖物で若干の違いがあります。

天然物の特徴

  • 旬の時期:種類により異なる
  • 栄養価:やや高い傾向
  • :濃厚で甘みが強い
  • 価格:やや高価

養殖物の特徴

  • 安定供給:年中安定した品質
  • 栄養価:養殖環境により調整可能
  • 価格:比較的安価
  • 安全性:管理された環境で養殖

まとめ:えびを上手に活用してダイエットと健康を両立

えびは低脂質、高たんぱく質、低カロリーな理想のダイエット食材であり、栄養豊富な食材ですから、ぜひ積極的に活用してみてください。

えびの栄養価のポイント

  • 低カロリー:100gあたり77~97kcal
  • 低糖質:100gあたり0~0.7g
  • 高たんぱく質:100gあたり18.4g
  • 豊富なミネラル:カルシウム、亜鉛、セレンなど
  • 機能性成分:アスタキサンチン、タウリン、キチン

ダイエット中の活用法

  1. 調理法を工夫:揚げ物より蒸し・茹で・焼きを選択
  2. 食べ合わせを考慮:ビタミンCと一緒に摂取
  3. 適量を守る:1日100~150g程度
  4. 殻も活用:栄養価を最大限に活用
  5. 新鮮なものを選択:栄養価と安全性を確保

えびは日本の食文化に深く根ざした食材であり、その栄養価の高さから健康的な食生活には欠かせない存在です。昔から長生き・長寿の願いがこめられた縁起の良い食材として親しまれてきたえびを、現代の栄養学の知識を活かして上手に食事に取り入れ、健康的なダイエットと美容効果を実現しましょう。

カロリー計算や栄養管理を行いながら、美味しく楽しくえびを味わうことで、理想的な体づくりをサポートしてくれるはずです。

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