千と千尋の神隠しに出てくる人気のキャラクターの1人である釜爺は、かなり独特の見た目をしています。
手がたくさんあり、いつも湯婆婆にこき使われている釜爺。
最初こそ千尋にもそっけない態度でしたが、根は優しく千尋に力を貸してくれるキャラクターの1人です。
職人気質で不器用ながらも優しい、そんな釜爺を演じている声優さんについて調べてみました。
釜爺の声優は昭和の大スター菅原文太!
釜爺の声優をしたのは、俳優として非常に有名な菅原文太さんです。
2014年に81歳で亡くなられていますが、昭和に大活躍した俳優である菅原文太さんのことを今も覚えている人は多いでしょう。
特に活躍が著しかったのは1960年〜1990年代です。
菅原文太さんが出演した中でも特に知名度が高かった作品は「仁義なき戦いシリーズ」です。
世代じゃない人でも作品名くらいは知っているという人も多いのではないでしょうか。
主演・助演共に素晴らしい演技をされてきた俳優さんです。
そのキャリアに恥じない演技は、千と千尋の神隠しでも発揮されました。
脇役とも言えるポジションの釜爺ですが、多くの人に愛されるキャラクターになりました。
それも菅原文太さんの演技力があってこそです。
釜爺の忘れられない名セリフをご紹介!
味のあるキャラクターだった釜爺ですが、一度映画を見たらなんだか忘れられなくなってしまうセリフも多いキャラです。
作品の中で釜爺が言った忘れられないセリフをいくつかご紹介します。
手ェ出すんならしまいまでやれ
釜爺の元に初めて訪れた千尋の前で、ススワタリが炭の下敷きになります。
そんなススワタリが可愛そうになった千尋が、炭を持ち上げた後で釜爺が言ったセリフです。
炭を運ぶ仕事はススワタリたちの大事な仕事です。
千尋は親切心で助けただけだったのですが、1回人の仕事に手を出したなら最後まで責任を持ってやれという意味があるのでしょう。
厳しい言葉ですが、釜爺の仕事に対する真面目さが感じられるセリフです。
えんがちょ!
魔女の契約印を盗んだハクの体から、契約印と一緒に変な虫がでてきます。
そんな虫を踏み潰してしまった千尋に釜爺が言ったセリフです。
縁を切るおまじないのようなものですが、必死にえんがちょするように言う釜爺が可愛らしくも見えてきます。
釜爺の出演シーンの中でも特にクスリと笑えてしまうシーンの1つです。
わからんか。愛だ、愛
銭婆の契約印を盗んだハクは、銭婆の魔法により大けがをします。
そんなハクを許してもらおうと、千尋は銭婆のところに謝罪に行くことになりました。
しかし銭婆のところに行くことを決めた千尋の気持ちがリンは理解できませんでした。
そんなリンに対して釜爺がかけた言葉です。
釜爺の姿には、千尋がハクを愛しているから行動を起こそうとしたという風に見えたようです。
今は仕事一筋な釜爺も、若いころに好きな人が居たのかもしれません。
長生きしている釜爺の言うことだからこそ、説得力が感じられるシーンでした。
釜爺の声優抜擢のエピソードをご紹介!
釜爺というキャラクターは、宮崎駿監督の中でもかなりこだわりのあるキャラクターだったようです。
釜爺の声優を誰に頼むかで宮崎駿監督は非常に頭を悩ませていたそうです。
宮崎駿監督が、釜爺の俳優を決めかねているのには理由がありました。
それが釜爺の代表的なセリフである、「わからんか。愛だ、愛」というセリフです。
宮崎駿監督は、そのセリフに真実味を持たせたいと思っていたため、声優の配役に悩んでいたと言います。
語る人によっては、薄っぺらく聞こえたり違和感を感じてしまう可能性があります。
そこで、鈴木敏夫プロデューサーが好きだった菅原文太さんを推薦したことで釜爺の声優が決まりました。
実際、菅原文太さんの演技を宮崎駿監督も気に入ったようです。
確かにあの声によってキャラクターに味が出たようにも思えますし、何よりセリフに説得力がしっかりあるという点が素晴らしいです。