チーズは世界中で愛される発酵食品で、そのコクのある味わいから多くの人に親しまれています。しかし、「チーズはカロリーが高い」「ダイエット中は避けるべき」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、チーズは種類によってカロリーや栄養価が大きく異なり、正しい知識を持つことで健康的な食生活に取り入れることができる優秀な食材です。今回は、チーズの種類別カロリーや糖質、詳細な栄養素について徹底的に解説していきます。
チーズの基本カロリー情報
チーズのカロリーは種類によって大きく異なり、100g当たりでクリームチーズが313kcal、カマンベールチーズが291kcal、チェダーチーズが390kcalと幅広い範囲にあります。
主要チーズのカロリー一覧表
チーズの種類 | カロリー(100g当たり) | カロリー(一般的な摂取量) |
---|---|---|
プロセスチーズ | 313kcal | 56kcal(スライス1枚18g) |
カマンベールチーズ | 291kcal | 58kcal(1/6カット20g) |
クリームチーズ | 313kcal | 63kcal(大さじ1強20g) |
チェダーチーズ | 390kcal | 78kcal(20g) |
エメンタールチーズ | 398kcal | 80kcal(20g) |
エダムチーズ | 321kcal | 64kcal(20g) |
パルメザンチーズ | 475kcal | 48kcal(粉チーズ大さじ1杯10g) |
チーズ類全般において、カロリーは高め、糖質はほぼ無い状況となっており、パルメザンチーズが最も高カロリーで、モッツァレラチーズが最も低カロリーとなっています。
チーズのダイエット効果とおすすめ度
ダイエット効果:★★★★☆
糖質制限ダイエット効果:★★★★★
チーズはダイエット中の栄養補給にぴったりで、カロリー制限中の間食や、糖質制限ダイエット中の栄養補給に相性が良い食品です。
チーズがダイエットに向いている理由
- 高タンパク質:筋肉量維持に必要な良質なタンパク質が豊富
- 超低糖質:糖質制限ダイエットに最適
- 満腹感の持続:脂質とタンパク質により腹持ちが良い
- 代謝アップ:タンパク質の消化によるエネルギー消費(食事誘発性熱産生)
チーズに期待できる健康効果として、食べ過ぎを予防する効果、タンパク質と良質な脂質が摂取できる効果、ビタミンも摂取できる効果の3つが挙げられます。
チーズの三大栄養素
タンパク質含有量
チーズの種類 | タンパク質(100g当たり) | タンパク質(20g当たり) |
---|---|---|
パルメザンチーズ | 44.0g | 8.8g |
エダムチーズ | 28.9g | 5.8g |
エメンタールチーズ | 27.3g | 5.5g |
チェダーチーズ | 25.7g | 5.1g |
プロセスチーズ | 22.7g | 4.5g |
カマンベールチーズ | 19.1g | 3.8g |
クリームチーズ | 8.2g | 1.6g |
チーズのたんぱく質は、その一部が発酵・熟成によってアミノ酸やペプチドに分解されているため、消化吸収されやすくなっています。
脂質の特徴
ミルク由来の油脂は短鎖や中鎖の脂肪酸も比較的豊富に含むという特徴があり、短鎖・中鎖脂肪酸は、他の脂肪酸に比べてカラダの中で燃焼されやすいので、カラダに脂肪がつきにくいといわれています。
チーズの種類 | 脂質(100g当たり) | 脂質(20g当たり) |
---|---|---|
エメンタールチーズ | 33.6g | 6.7g |
チェダーチーズ | 33.8g | 6.8g |
クリームチーズ | 33.0g | 6.6g |
プロセスチーズ | 26.0g | 5.2g |
エダムチーズ | 25.0g | 5.0g |
カマンベールチーズ | 24.7g | 4.9g |
糖質含有量
ミルク中のおもな糖質である乳糖は、チーズを製造する際に大部分がホエイに含まれて排出され、残る一部は乳酸菌の作用で乳酸に変化しているため、チーズは低糖質食品といえます。
チーズの種類 | 糖質(100g当たり) | 糖質(20g当たり) |
---|---|---|
クリームチーズ | 2.3g | 0.46g |
エメンタールチーズ | 1.6g | 0.32g |
チェダーチーズ | 1.4g | 0.28g |
エダムチーズ | 1.4g | 0.28g |
プロセスチーズ | 1.3g | 0.26g |
カマンベールチーズ | 0.9g | 0.18g |
チーズの詳細栄養素
ビタミン類
チーズは、人間の体に必要な栄養素の多くが、バランスよく含まれている食べ物で、栄養素で欠けているものは、ビタミンCと食物繊維です。
栄養素 | 主な効果 | 豊富なチーズ |
---|---|---|
ビタミンA | 視力維持、皮膚・粘膜の健康 | プロセスチーズ、チェダーチーズ |
ビタミンB2 | エネルギー代謝、肌の健康 | カマンベールチーズ、エメンタールチーズ |
ビタミンB12 | 造血作用、神経機能維持 | パルメザンチーズ、プロセスチーズ |
ビタミンE | 抗酸化作用、血行促進 | クリームチーズ、カマンベールチーズ |
葉酸 | 細胞分裂、DNA合成 | チェダーチーズ、エダムチーズ |
ビタミンAの働きは、目などの粘膜を健康に保つことや暗い場所でも視力を維持すること、抵抗力を高めることなど多岐にわたり、ビタミンB2は糖質、たんぱく質、脂質からエネルギーを産生するのを助けます。
ミネラル類
チーズはカルシウム含有量が非常に多い食品で、チーズの原料であるミルクのカルシウム吸収率は約40%と高く、魚(33%)や野菜(19%)から摂取する場合に比べても効率よくカルシウムを摂ることができます。
ミネラル | 主な効果 | 100g当たりの含有量(代表例) |
---|---|---|
カルシウム | 骨・歯の形成、筋肉収縮 | 630mg(プロセスチーズ) |
リン | 骨・歯の形成、エネルギー代謝 | 730mg(パルメザンチーズ) |
亜鉛 | 免疫機能、タンパク質合成 | 3.2mg(チェダーチーズ) |
鉄 | 造血、酸素運搬 | 0.3mg(カマンベールチーズ) |
マグネシウム | 筋肉・神経機能、エネルギー代謝 | 17mg(エメンタールチーズ) |
ナトリウム | 体液バランス調整 | 1200mg(プロセスチーズ) |
乳酸菌による効果
ナチュラルチーズには乳酸菌が含まれており、乳酸菌には悪玉菌の増殖を抑え、腸の調子を整える効果があります。
- 腸内環境改善:善玉菌の増殖を促進
- 免疫力向上:腸管免疫の活性化
- 便秘改善:腸の蠕動運動を促進
- 美肌効果:腸内環境の改善による肌質向上
チーズのカロリーと栄養についてのQ&A
Q1:チーズは本当に太りやすい食品なの?
チーズに含まれるタンパク質は比較的バランスがよいので、効率的に栄養を整えられる優秀な食品です。適量であれば太りにくく、むしろダイエットに有効です。
Q2:1日にどのくらいのチーズを食べても大丈夫?
一日のエネルギー消費量が2000~2500kcal程度の人で、プロセスチーズで考えると1枚(約20g)が摂取の目安量と言われています。
Q3:糖質制限ダイエット中にチーズは食べても良い?
チーズ類の糖質が少なめなので、糖質制限という観点でいけば、食べても良い食材となります。
Q4:チーズの種類によって栄養価は違うの?
チーズの種類によって栄養価は変わりますが、大きく差はありません。なるべく、いろいろな種類のチーズを組み合わせて食べるとよいでしょう。
Q5:ダイエット中に向いているチーズは?
ダイエットの種類によって、チーズの種類を変えるのがおすすめです。脂肪制限ダイエットの場合は脂肪分の少ないチーズ、糖質制限をしている場合は糖質の少ないチーズを選ぶとよいでしょう。
Q6:チーズの塩分は気にする必要がある?
チーズの食塩相当量は2%前後で、塩辛いと言われるブルーチーズでは4%程度です。塩分を気にされる方には塩分の少ないクリームチーズ、カッテージチーズなどのフレッシュタイプのチーズや低塩タイプのプロセスチーズもあります。
Q7:チーズを食べるとカルシウムは効率よく摂取できる?
チーズの原料であるミルクのカルシウム吸収率は約40%と高く、魚(33%)や野菜(19%)から摂取する場合に比べても効率よくカルシウムを摂ることができます。
Q8:チーズは消化に良い食品?
熟成中の乳酸菌やたんぱく質分解酵素の働きにより、一部はアミノ酸にまで分解されているので、消化吸収しやすくなっています。
Q9:チーズにはどんな健康効果が期待できる?
チーズには便秘改善、肌の健康、骨粗鬆症対策など、女性にとって嬉しい効果があります。
Q10:プロセスチーズとナチュラルチーズの違いは?
ナチュラルチーズは生乳を乳酸菌やカビで発酵させ、熟成させたもので、一方、プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱処理し、再び成形したものです。
チーズのカロリーを消費するための運動時間
チーズ20g(約63kcal)を消費するために必要な運動時間を、体重60kgの人を基準に計算してみました。
消費カロリーは、METs × 体重(kg)× 運動時間(時間)で計算できます。
運動の種類 | METs | 必要な運動時間 | 運動の特徴 |
---|---|---|---|
ウォーキング(普通の速度) | 3.5 | 約18分 | 手軽に始められる有酸素運動 |
ジョギング | 7.0 | 約9分 | 効率的な脂肪燃焼運動 |
サイクリング(普通の速度) | 4.0 | 約16分 | 膝への負担が少ない |
水泳(クロール) | 8.0 | 約8分 | 全身運動で消費カロリーが高い |
筋力トレーニング | 6.0 | 約11分 | 筋肉量増加による基礎代謝向上 |
テニス | 7.3 | 約9分 | 楽しみながら運動できる |
階段昇降 | 8.8 | 約7分 | 日常生活に取り入れやすい |
ダンス | 4.8 | 約13分 | 楽しみながら続けられる |
ヨガ | 2.5 | 約25分 | リラクゼーション効果も期待 |
家事(掃除機をかける) | 3.3 | 約19分 | 日常生活での活動量アップ |
高カロリーチーズの場合
チェダーチーズ20g(約78kcal)を消費する場合:
– ジョギング:約11分
– 水泳:約10分
– ウォーキング:約22分
効率的な運動の組み合わせ
- 短時間で効果的:水泳 → 筋力トレーニング → ストレッチ
- 日常に取り入れやすい:ウォーキング → 階段昇降 → 家事
- 楽しみながら:ダンス → テニス → ヨガ
チーズを活用した健康的な食事法
朝食での活用法
- トーストにクリームチーズ:フルーツと組み合わせてビタミンC補給
- スクランブルエッグにチーズ:タンパク質を効率的に摂取
- ヨーグルトにカッテージチーズ:低カロリーで高タンパク
昼食・夕食での活用法
- サラダにモッツァレラチーズ:野菜の栄養素と組み合わせ
- パスタにパルメザンチーズ:少量で風味とタンパク質をプラス
- グラタンにチーズ:満足感の高い一品料理
間食での活用法
- ナッツとチーズ:良質な脂質とタンパク質
- フルーツとチーズ:ビタミンCとの相乗効果
- クラッカーとチーズ:適度な炭水化物と組み合わせ
チーズの保存方法と品質管理
冷蔵保存のポイント
- 適切な温度:2-6℃で保存
- 湿度管理:乾燥を防ぐためラップで包む
- 空気接触を避ける:酸化を防ぐため密封保存
冷凍保存について
- 可能なチーズ:ハードチーズ(チェダー、ゴーダなど)
- 避けるべきチーズ:フレッシュチーズ(モッツァレラ、リコッタなど)
- 保存期間:最大6ヶ月(品質は徐々に低下)
まとめ
チーズは確かにカロリーが高い食品ですが、その栄養価の高さと健康効果を考えると、適量を摂取することでダイエットや健康維持に大きく貢献できる優秀な食材です。
チーズの主要な特徴:
– 高タンパク質・低糖質で筋肉量維持とダイエットに最適
– カルシウム豊富で骨の健康をサポート
– ビタミンB群でエネルギー代謝を促進
– 乳酸菌で腸内環境を改善
賢いチーズの選び方:
– 脂肪制限中はカッテージチーズやモッツァレラチーズ
– 糖質制限中はカマンベールチーズやプロセスチーズ
– カルシウム重視ならパルメザンチーズやエメンタールチーズ
プロセスチーズで考えると1枚(約20g)が摂取の目安量を参考に、バランスの取れた食生活の一部として上手に取り入れてください。
チーズの豊富な栄養素を活用し、健康的で美味しい食生活を送りましょう。種類豊富なチーズの世界を楽しみながら、あなたの健康目標達成をサポートしてくれる頼もしいパートナーとして活用してみてください。