低カロリーで栄養豊富な食材として人気のきのこ。きのこは9割が水分で脂質はゼロに等しいため、とても低カロリーです。でも、具体的にどのくらいのカロリーなのか、どんな栄養素が含まれているのか、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか?
今回は、きのこの種類別カロリー・糖質・栄養素について、管理栄養士レベルの詳しい情報をお届けします。ダイエット効果から調理法のコツまで、きのこの魅力を余すところなく解説していきます。
きのこの基本カロリー情報
主要きのこのカロリー一覧
まずは、
主要なきのこの100gあたりのカロリーを見てみましょう。
きのこの種類カロリー(100g)糖質(100g)マッシュルーム15kcal0.1gなめこ21kcal2.0gぶなしめじ22kcal1.3gまいたけ22kcal0.9gたもぎたけ23kcal0.4gしいたけ25kcal1.5gエリンギ31kcal2.6gまつたけ32kcal3.5gえのきだけ34kcal3.7gひらたけ34kcal3.6g
さまざまな種類があるきのこ。もっとも低カロリーなきのこはマッシュルームで15kcal、最も高いものでもえのきだけやひらたけの34kcalです。
きのこが低カロリーな理由
きのこは約90%が水分であり、残りの栄養成分の多くを食物繊維が占めています。食物繊維は
1g当たり2kcalと、糖質やたんぱく質の4kcalと比べて半分のエネルギーしかありません。
100g約20kcalと低カロリーなきのこならば、たくさん食べても大丈夫。”ごはん1杯分のカロリー=きのこ約15パック分”とカロリーが低いことに加え、シャキシャキ、コリコリとした歯応えがあり、噛む回数が増えることで満腹感が得られやすいのも特徴です。
ダイエット効果とおすすめ度
きのこのダイエット効果:★★★★★
きのこは
ダイエットに最適な食材です。その理由を詳しく見てみましょう。
1. 超低カロリーで満腹感抜群
きのこは食べごたえがあって満腹感を得やすいきのこを、カロリー控えめの食事作りに活用しない手はありません。
2. 血糖値の上昇を抑制
きのこに含まれる食物繊維には、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があります。食事で太るのは、血糖値が上がるからです。
3. 脂肪燃焼効果
きのこに含まれる「キノコキトサン」には、体脂肪を減少させる効果があります。キノコキトサンは、脂肪の分解を促し、腸からの脂肪吸収を抑える効果があることが分かっています。
4. むくみ解消効果
きのこに含まれるカリウムには、ナトリウムの排泄を促す効果があるため、むくみの解消につながります。
ダイエット中の食べ方のコツ
- 1日100g程度を目安に摂取
- 食事の最初に食べて血糖値の上昇を抑制
- よく噛んで食べて満腹感を得る
- 複数の種類を組み合わせて栄養バランスを向上
きのこの三大栄養素
たんぱく質含有量
きのこの種類たんぱく質(100g)しいたけ3.0gえのきだけ2.7gまいたけ2.0gエリンギ2.8gぶなしめじ2.7g
脂質含有量
きのこは脂質はゼロに等しいため、とても低カロリーです。ほとんどのきのこで脂質は0.1〜0.3g程度と極めて少ないのが特徴です。
炭水化物含有量
きのこの炭水化物は主に
食物繊維が占めており、糖質は非常に少ないのが特徴です。この構成比が、きのこの低カロリー・低糖質を実現しています。
きのこの詳細栄養素
食物繊維含有量ランキング
きのこ=食物繊維が豊富というイメージがありますが、きのこ類の中でもこれだけ含有量が異なるのですね。ちなみに1位のしいたけ5.5gは、食物繊維が多いことで知られる「ごぼう」と同等の含有量です。
順位きのこの種類食物繊維(100g)1位しいたけ5.5g2位まつたけ4.7g3位えのきだけ3.9g4位まいたけ3.5g5位エリンギ3.4g
ビタミン・ミネラル含有量
ビタミンD(骨の健康に重要)
上述したビタミンD2を含むビタミンDが最も多く含まれているのはマイタケで、この中では群を抜いてナンバーワンです。
きのこの種類ビタミンD(100g)まいたけ4.9μgエリンギ1.2μgしいたけ0.4μg
ビタミンB群(代謝に重要)
きのこは、ビタミンB群やビタミンDが多く含まれています。ビタミンB1は糖質の代謝や疲労回復に、ビタミンB2は脂質の代謝や健康な肌、髪をつくる働きがあります。
栄養素主要な含有きのこ効果ビタミンB1えのきだけ糖質代謝、疲労回復ビタミンB2きのこ全般脂質代謝、皮膚・髪の健康ナイアシンえのき、エリンギ皮膚・粘膜の健康
カリウム(むくみ対策)
鍋料理や炊き込みご飯など応用範囲の広いブナシメジには、ナトリウムを排出して血圧を正常に保つカリウムが多く含まれています。
きのこの種類カリウム(100g)まつたけ410mgまいたけ230mgぶなしめじ380mg
特別な機能性成分
β-グルカン(免疫力向上)
きのこの細胞壁には、食物繊維の一種「βグルカン」が豊富に含まれています。「βグルカン」は、からだを守る能力を向上することが知られています。
オルニチン(肝機能サポート)
シジミに含まれる貴重な成分としておなじみのオルニチンは、実はブナシメジにたくさん含まれています。オルニチンは肝臓で重要な働きをする成分として知られています。
GABA(リラックス効果)
GABAはアミノ酸の一種で、忙しい日々で安らぎの時間が少ない現代人におすすめの成分です。最近の研究で、このGABAがきのこに多く含まれていることがわかってきました。
エルゴチオネイン(アンチエイジング)
きのこや一部の菌類、細菌のみが作る特別なアミノ酸です。人は体内で作ることができないため、食事(主にきのこ)から摂取しています。近年、エルゴチオネインは全身の健康や美容に良い影響があるとされ、注目されています。
きのこに関するよくある質問Q&A
Q1: きのこは毎日食べても大丈夫?
A: きのこは毎日食べても体に悪くありません。厚生労働省が発表した「健康日本21」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を送るために、1日350g以上の野菜を食べることが推奨されています。
Q2: きのこの適量はどれくらい?
A: 1日100g程度を目安に摂取しましょう。市販の1パックがだいたい100g程度ですので、1日1パック程度になります。
Q3: きのこは洗った方がいい?
A: きのこは、水で洗うことで栄養素が溶け出し、香りが飛んでしまうことがあります。汚れが気になる場合は、乾いた布で優しく拭き取るか、ブラシで軽くこすって汚れを取り除くようにしましょう。
Q4: きのこの栄養を効率よく摂るには?
A: きのこに含まれるビタミンDは脂溶性ビタミンと呼ばれ、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなる栄養素です。そのためビタミンDは、きのこを油で炒めたり、揚げ物にすることで効率よく摂取できるようになります。
Q5: 干しきのこの栄養価は?
A: きのこ類は栄養成分が豊富ですが、中でもエノキやシイタケなどは乾燥させるとビタミンDがぐっと増加します。きのこ類は乾燥させることで細胞膜が破けて成分が出やすくなり、栄養を無駄なく摂ることができる上に、うまみ成分であるグアニル酸が増えるため、うまみが増すというメリットもあります。
Q6: きのこを食べ過ぎるとどうなる?
A: きのこには多くの食物繊維が含まれますが、食物繊維を摂りすぎるとおなかが緩くなったり逆に便秘になったりと便通が乱れることがあります。1日100g程度を目安に食べすぎには気をつけましょう。
Q7: ダイエット中のきのこの食べ方で注意点は?
A: カロリーが少ないからときのこを過信し、オリーブオイルは体にいいからとアヒージョやマリネなどにして、油をたっぷり使う料理でいただくことは、ダイエット中NGとなるでしょう。
Q8: きのこの種類による栄養の違いは?
A: しいたけが食物繊維とグルタミン酸で1位、ビタミンB1・B2で2位と上位をしめて第1位です。次いで、えのき・エリンギとなります。それぞれ異なる栄養素を持っているため、複数種類を組み合わせることがおすすめです。
きのこのカロリーを消費するために必要な運動時間
きのこ100g(約20kcal)を消費するために必要な運動時間の目安をご紹介します。
有酸素運動
運動の種類時間(分)ウォーキング8分ジョギング3分サイクリング4分水泳2分エアロビクス3分
筋トレ・日常活動
活動の種類時間(分)腕立て伏せ4分スクワット4分階段昇降3分掃除機かけ6分料理8分
このように、きのこのカロリーは非常に低く、ごく短時間の運動で消費できることがわかります。
「食べても太らない」という表現がぴったりの食材ですね。
効果的な調理法と注意点
栄養を活かす調理法
#
1. 油と組み合わせる
きのこに含まれるビタミンDは脂溶性ビタミンであるため、油を使って調理することで吸収率が高まります。
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2. 強火で短時間調理
きのこの大部分は水分で構成されているため、弱火で加熱すると水分が出過ぎてしまい、水っぽくなることがあります。
#
3. スープや煮物で栄養を逃さない
きのこに含まれるビタミンB群は水に溶けやすい性質があるため、溶け出した栄養素も食べられるスープ系やホイル焼き系なら、栄養を無駄にすることもなくいただけます。
注意すべき調理法
- 長時間の水洗い:栄養素が流出し、風味が損なわれる
- 過度の油使用:ダイエット効果が減少する
- 長時間の加熱:栄養素が破壊される
まとめ
きのこは
超低カロリー・低糖質で、しかも
豊富な栄養素を含む理想的な食材です。
きのこの主要な特徴
- カロリー:100gあたり15〜34kcal
- 糖質:100gあたり0.1〜3.7g
- 食物繊維:豊富(特にしいたけは5.5g)
- ビタミンD:野菜では珍しく豊富(特にまいたけ)
- 機能性成分:β-グルカン、オルニチン、GABAなど
ダイエットへの効果
低カロリー・低脂質でありながら食感が良く満足感を得られるため、たとえば、肉の量を減らしてきのこで代用すれば、カロリーや脂質を抑えた上で満足感があるメニューづくりが可能です。
きのこはカロリー、栄養素の両面で健康維持に役立つことが期待できます。特に食物繊維やβ-グルカン、ビタミンDなどは注目成分で、腸内環境の改善や免疫力向上、生活習慣病予防のサポートが期待できます。
毎日の食事に積極的にきのこを取り入れて、健康的でバランスの取れた食生活を目指しましょう。
1日100g程度を目安に、様々な種類のきのこを楽しんでください。
栄養満点で低カロリーなきのこは、まさに
ダイエットと健康維持の強い味方です。調理法を工夫して、きのこの魅力を最大限に活用してくださいね。