エビフライのカロリーと基本情報
エビフライは100g換算で236kcal、3本(63g)で149kcalのカロリーを持つ、日本発祥の代表的な洋食料理です。サクサクの衣とプリプリのエビの食感が多くの人に愛され続けていますが、ダイエットを意識している方には気になる数値かもしれません。
エビフライ1本の重量はサイズによって異なりますが、一般的に小さいもので20g程度、中サイズで30g前後、大きめのもので50g前後とされています。調理前のエビフライ1本は22kcalですが、フライ調理をすることで1本あたりのカロリーは44.6kcalまで上昇し、調理後は約3.7倍のカロリーになってしまいます。
サイズ | 重量 | カロリー |
---|---|---|
小サイズ | 20g | 約47kcal |
中サイズ | 30g | 約71kcal |
大サイズ | 50g | 約118kcal |
3本セット(63g) | 63g | 149kcal |
エビフライに使われるエビは、ブラックタイガー、バナメイエビ、大正海老などで、エビの種類や個体の大きさによってサイズは様々ですが、平均的に7cm~10cm程度が多いとされています。
エビフライのダイエット効果とおすすめ度
ダイエット適性度評価
エビフライは糖質もカロリーも高くダイエットには向きません。栄養学的な観点から見ると、以下のような評価になります。
ダイエットタイプ | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
糖質制限ダイエット | ★☆☆☆☆ | 衣による糖質が高い |
カロリー制限ダイエット | ★☆☆☆☆ | 油で揚げることによる高カロリー |
脂質制限ダイエット | ★★☆☆☆ | エビ自体は低脂質だが揚げ油により脂質増加 |
他の揚げ物との比較
他の揚げ物50gのカロリーと比較すると、イカリング(調理後)123kcal、カキフライ98kcal、鶏もも(皮つき)の唐揚げ145kcalとなっており、エビフライは中程度の高カロリー食品と言えるでしょう。
ダイエット中の食べ方のコツ
ダイエット中はエネルギーや脂質、糖質が高いタルタルソースや中濃ソースをかけるより、レモンを搾ってさっぱりと食べるのがおすすめです。また、野菜に多く含まれる食物繊維は、食べ物の消化吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれる働きがあるため、サラダなどの野菜と一緒に食べることが推奨されます。
エビフライの三大栄養素
炭水化物と糖質
エビフライ3本(63g)の炭水化物は12.92gで、そのうち糖質が12.29g含まれています。エビなどの魚介類には糖質がほとんど含まれません。エビフライの糖質は、衣に使われる小麦粉やパン粉に由来するものです。
項目 | 3本(63g)あたり | 100gあたり |
---|---|---|
炭水化物 | 12.92g | 20.5g |
糖質 | 12.29g | 19.5g |
食物繊維 | 0.63g | 1.0g |
たんぱく質
エビフライ3本(63g)にはたんぱく質が10.02g含まれています。エビ自体は低カロリー・高たんぱくの食品であり、筋肉の維持や増強に重要な栄養素を提供します。
脂質
エビフライ3本(63g)の脂質は7.31gです。エビ自体の脂質が少ないため、揚げ物なのに思ったより脂質が少ないという特徴があります。
栄養素 | 3本(63g)あたり | 100gあたり | 1gあたりのカロリー |
---|---|---|---|
たんぱく質 | 10.02g | 15.9g | 4kcal |
脂質 | 7.31g | 11.6g | 9kcal |
炭水化物 | 12.92g | 20.5g | 4kcal |
エビフライの詳細な栄養素
ビタミン類
エビフライに含まれるビタミンは、主にエビ由来の栄養素です。エビはビタミンEを100gあたり1.6~3.8mg程度含んでおり、ビタミンEには強い抗酸化作用があり、体内の不飽和脂肪酸などを酸化障害から守る働きを有しているとされています。
ビタミン | 含有量(100g換算) | 主な効果 |
---|---|---|
ビタミンE | 1.7mg | 抗酸化作用、細胞保護 |
ビタミンB12 | 1.2μg | 赤血球形成、神経機能維持 |
ナイアシン | 3.6mg | エネルギー代謝促進 |
葉酸 | 38μg | 細胞分裂、DNA合成 |
ミネラル類
エビフライのビタミン・ミネラルではセレンと銅の成分が多く、3本(63g)にはセレンが11.34μg、銅が0.24mg含まれています。
ミネラル | 3本(63g)あたり | 100gあたり | 主な効果 |
---|---|---|---|
セレン | 11.34μg | 18μg | 抗酸化作用、免疫機能向上 |
銅 | 0.24mg | 0.38mg | 鉄の吸収促進、コラーゲン合成 |
カルシウム | 43mg | 68mg | 骨・歯の形成、筋肉収縮 |
マグネシウム | 23mg | 37mg | 酵素活性化、筋肉機能 |
リン | 139mg | 220mg | 骨・歯の形成、エネルギー代謝 |
亜鉛 | 0.76mg | 1.2mg | 免疫機能、創傷治癒 |
特殊成分
エビの殻や尻尾に含まれる食物繊維「キチン」には便通をよくする作用があり、キチンは消化されることなく腸まで届き、水分を吸収して膨張し、腸を刺激します。また、エビはアスタキサンチンという強力な抗酸化力を持つ成分を含み、肌の回復や免疫力を高めてくれる働きが期待されます。
エビフライのカロリー・栄養に関するよくあるQ&A
Q1: エビフライは太りやすい食べ物ですか?
A: 鶏もも(皮つき)の唐揚げに近い数字であることから、エビフライは高カロリーな食品といえるでしょう。しかし、エビフライは3本食べても130kcal程度です。通常の食事として考えれば、食べすぎとかけるソースに注意すれば、そこまで神経質になる必要はないという考え方もあります。
Q2: エビフライの糖質が高い理由は何ですか?
A: 中身のエビはほぼ糖質を含まないのですが、衣にパン粉など糖質の高い食材を使用するため糖質が高くなってしまいます。エビ自体は非常に低糖質な食材です。
Q3: エビフライを低カロリーにする方法はありますか?
A: 油が少なくてすむ揚げ焼きにしたり、トースターで焼く調理法を活用したりするとカロリーを抑えることが可能です。また、目が粗い生パン粉よりも、目がこまかい乾燥パン粉を衣に使うことで、油の吸う量を抑えることもできます。
Q4: エビフライの尻尾は食べても大丈夫ですか?
A: エビフライの尻尾は食べることはできるが、硬いために口の中を傷つける恐れがあるため、食べないほうが良いとされています。ただし、栄養面ではエビの殻や尾の部分にはキチンやアスタキサンチン、カルシウムが含まれるため、よく焼く、揚げるなどして殻ごと食べるようにすると無駄なく摂取することができます。
Q5: エビフライ定食のカロリーはどのくらいですか?
A: エビフライ定食のカロリーは613.05g(1人前)で687kcalとされています。エビフライ中サイズ2本+ごはんお茶碗一杯(200g)だけで376kcal、糖質59.3gで、ここにタルタルソースや副菜も加えたら大雑把に計算しても700kcal近くになるでしょう。
Q6: エビフライにはどんな健康効果がありますか?
A: エビフライには以下のような健康効果が期待できます:
- 便通を良くする効果(キチンによる)
- 血中のコレステロールを減少させる働き(タウリンによる)
- 強力な抗酸化作用による肌の回復や免疫力向上(アスタキサンチンによる)
- 貧血を防ぐ効果(豊富な鉄分による)
Q7: 冷凍エビフライと揚げたてエビフライの栄養に違いはありますか?
A: 冷凍エビフライ60g(3本(調理前))で83kcal、100g換算では139kcalですが、吸油率は15%程度で冷凍エビフライ3本48gをフライ調理すると、約7.2gのサラダ油を吸収することになります。調理後は大幅にカロリーが増加します。
エビフライのカロリーを消費するのに必要な運動時間
エビフライ3本(63g)の149kcalを消費するのに必要な有酸素運動の時間を、体重60kgの成人を基準に計算すると以下のようになります。
運動の種類 | 運動強度(METs) | 必要時間 | 消費カロリー/時間 |
---|---|---|---|
ウォーキング(普通) | 3.0 | 約56分 | 160kcal/h |
ウォーキング(早歩き) | 4.0 | 約42分 | 214kcal/h |
ジョギング | 6.0 | 約28分 | 321kcal/h |
ランニング | 8.0 | 約21分 | 428kcal/h |
サイクリング(軽い) | 4.0 | 約42分 | 214kcal/h |
サイクリング(普通) | 6.0 | 約28分 | 321kcal/h |
水泳(平泳ぎ) | 5.3 | 約32分 | 284kcal/h |
水泳(クロール) | 7.0 | 約24分 | 374kcal/h |
筋力トレーニング | 3.5 | 約48分 | 187kcal/h |
階段昇降 | 4.0 | 約42分 | 214kcal/h |
日常生活での消費カロリー例
エビフライ3本149kcalを日常生活の動作で消費する場合:
- 掃除機かけ:約45分(3.3METs)
- 料理・調理:約55分(2.5METs)
- 洗濯物を干す:約42分(3.0METs)
- 庭仕事:約30分(4.0METs)
- 階段を昇る:約25分(5.0METs)
- 子供と遊ぶ:約35分(3.5METs)
有酸素性運動は約20分続けたころからエネルギー源が体脂肪に切り替わるので、ダイエットを目的とする場合は長時間続けることのできるエクササイズがおすすめです。エビフライを食べた後は、ウォーキングやサイクリングなどの継続しやすい運動を選ぶと効果的でしょう。
健康的なエビフライの楽しみ方
調理法の工夫
エビフライを油で揚げず、オーブントースターで焼くことで脂質を抑えることができます。作り方は以下の通りです:
- エビの下処理をしたら、少量のマヨネーズで揉みこみます
- パン粉を少量まぶします
- オーブントースターの網にアルミホイルを敷き、両面5分ずつ焼きます
食べ合わせの提案
エビフライは野菜サラダと一緒に食べることで、野菜に豊富な食物繊維が脂質を吸着し、余分な脂質を体の外へ排出する効果が期待できます。また、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌をおさえる効果も期待できます。
適切な摂取量
18~29歳の女性(身体活動レベルふつう)の場合、一日あたりの推定エネルギー必要量は2,000kcal。1食あたりに換算するとおよそ670kcalです。エビフライを楽しむ際は、一食での全体的なカロリーバランスを考慮することが大切です。
エビフライは確かにカロリーや糖質が高めの食品ですが、エビ自体は動物性たんぱく質が豊富で、魚介類の中でも低脂肪です。ミネラル類ではカルシウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、そしてビタミンE、タウリン、グリシンなど多くの栄養素が含まれています。適切な頻度と量を守り、バランスの取れた食事の一部として楽しむことで、その美味しさと栄養価を両立させることができるでしょう。